鈴木一朗
March 24, 2009 22:27
連覇を懸けて、韓国と今大会5度目の対決を迎える事となった日本。ここまでの両国の対戦成績は2勝2敗だが、韓国の先発はその2敗を刻みつけた奉重根だ。これに対して、連日の二岡呼ばわりに鬱憤の溜まっている鈴木一朗がいきなりセンター前に弾き返して、今大会初めて先頭打者として出塁。続く中島が送ると、二死後、J.マッケンジーが9球粘って四球を選び、一、二塁とチャンスを広げたが、ガッツがセカンドゴロに倒れて、二者残塁と先制ならず。2回には二死から岩村の四球,片岡のヒットで一、二塁とまたもチャンスを作ったが、相変わらず、チャンスブレイカーな鈴木一朗がファーストへ十八番の内野ゴロを放ってしまい、またも二者残塁。しかし、3回、先頭の中島がショートへの内野安打で出ると、青木のセカンドライナーを高永民が弾いて、またまた一、二塁のチャンス。続くJ.マッケンジーのサードゴロで一死一、三塁と場面が変わった所で初回のチャンスを潰してしまったガッツが雪辱のライト前タイムリーを放ち、ついに待望の1点を先制。更に、左キラーとしてスタメン起用された内川もライト前に弾き返して、満塁したものの、緊急招集で時差ボケが残る栗原がサードゴロゲッツーを食らう最悪の展開で、1点止まり。5回には中島の四球の後、青木とのヒットエンドランが見事に決まって、奉重根をKO。無死一、三塁と絶好のチャンスだったが、2番手・鄭現旭の前にJ.マッケンジーは空振り三振。続くガッツも空振り三振に倒れると、スタートを切っていた青木が二盗を決めたかと思いきや、スライディングの勢い余ってオーバーランするチョンボで憤死する最悪の展開で、結局、無得点。拙攻に次ぐ拙攻で重苦しい空気の中、ここまで1安打と好投していた岩隈がその裏、先頭の秋信守に痛恨の同点被弾。更に、一死後、高永民にレフト線へ痛打される。これを内川が強引にスライディングキャッチに行くギャンブルプレーを敢行。幸運にもショートバウンドでグラブに収めた内川はすかさず二塁へ転送し、一気に進塁を図った高永民を刺すビッグプレーを完成させ、崩れかけた岩隈を見事に救った。1−1の儘、迎えた7回、日本はヒットで出た片岡がすかさず二盗を決めると、第2,3打席と内野ゴロに倒れ、またまた二岡モードに戻ってしまった鈴木一朗がインケツぶりを打破すべく、三塁線へのマンネリセーフティバントを決めて、一、三塁。ここで中島がレフト前へタイムリーを浴びせて、勝ち越しに成功。なおも一、二塁の場面で青木がライトへの大飛球を放ち、片岡がタッチアップで三塁へ進んだが、ここでJ.マッケンジーが他の選手なら殆どがセーフになりそうなタイミングのサードゴロゲッツーを食らう最悪の展開で、追加点ならず。一向に流れを引き寄せられない日本だったが、続く8回、一死から内川がライト前ヒットで出ると、3番手・柳賢振から稲葉が一塁線を破り、これがそのままファウルスタンドに飛び込むエンタイトル二塁打となって、二、三塁のチャンス。ここで岩村がレフトへきっちり犠飛を打ち上げて、貴重な3点目を追加。これで決まったかに思われたが、粘る韓国はその裏、先頭の李机浩が右中間突破の二塁打。一死三塁となった所で代打・李大浩が犠飛を打ち上げ、1点差。続く朴基赫を歩かせた所で球数が97球に到達した岩隈はついに降板となった。ここで代わった今大会絶好調の杉内は李容圭をレフトライナーに仕留めて、この回を1点で食い止める。ダメを押したい日本は土壇場9回、抑えの林昌勇から鈴木一朗がマンネリセーフティバントの成功で憑き物が取れたのか、ライトフェンス直撃の二塁打。しかし、続く中島の一、二塁間を抜けようかと言うライナーを高永民がダイビングキャッチ。青木は敬遠されて、一、二塁となったが、J.マッケンジー,ガッツと倒れて、二者残塁。その裏、左の李晋映に右の代打・鄭根宇が起用されると見るや、若大将・原監督は杉内からダルビッシュにスイッチするも、これが裏目。ダルビッシュは鄭根宇こそ空振り三振に斬って取るも、ここから連続四球で二死一、二塁のピンチを背負うと、李机浩に三遊間を破られて、ついに同点。なおも一、二塁と一転して、一打サヨナラの大ピンチとなったが、ここは高永民を空振り三振に仕留める意地を見せ、試合は延長に突入した。迎えた10回、日本は先頭の内川がライト前に弾き返すと、稲葉が初球をきっちり送り、岩村もヒットで続いて、一、三塁と勝ち越しのチャンス。川崎はショートフライに倒れるも、鈴木一朗の打席で岩村が二盗を決めて二、三塁となった所で怨敵・韓国ファンからの激しいブーイングにより、燃えさかる敵愾心を激しくスパークさせた鈴木一朗がセンター前にタイムリーを放ち、一気に2点を勝ち越し。更に、中島の死球,青木の敬遠で満塁となったものの、J.マッケンジーは見逃し三振に倒れて、三者残塁。その裏、ダルビッシュは先頭打者こそ歩かせたものの、後続3人を苦もなく打ち取り、逃げ切りに成功。怨敵・韓国に競り勝った日本はこれで2大会連続優勝の栄誉に輝いた。大会MVPには3戦3勝の霊感投手・松坂が前大会に続いての受賞となった。
ピリピリとした緊張感の中、一進一退の熱い試合展開は正に、決勝戦を飾るにふさわしい内容だった。まして、日本が韓国を倒しての連覇とあっては申し分ないだろう。通算成績も3勝2敗と勝ち越し、言い訳も逆恨みも見苦しいだけと言う状況を作り上げた訳だが、果たして、これでも韓国陣営は何かしらのケチをつけてくるのか、注目したい。内海の食らわせた頭部死球とか引っ張り出して来そうだよ…。序盤から怒濤の拙攻三昧で川相不在の弊害を痛感させるばかりだった日本を救ったのは、またもや岩隈だった。立ち上がりから隙のない投球で、決して韓国に主導権を握らせなかった事が連覇を呼び込んだと言っても過言ではないだろう。9回にダルビッシュを投入した若大将の采配はどうにも釈然としなかった。最初からダルビッシュが登板していたのならまだしも、マウンドに上がっていた杉内をわざわざ引っ込めての投入は、左対左,右対右に固執した安直な後手の継投でしかないからだ。相手の右左関係なく抑え込んできた杉内をああも無為に下げてしまう事で、ケチがつきやしないかと、危惧していたら、案の定の展開で、一時はもう連覇はダメかもしれない…とすら感じさせる空気になったが、それでも最後の最後で辛くも踏み留まったダルビッシュに救われた。打のヒーローは一応、鈴木一朗…………なのだが、決勝打を含む4安打を放っても、帳尻を合わせたと言う印象が否めず、やっぱり鈴木一朗が打たないとな……などと、安易に持てはやす気にはなれなかった。韓国側の大ブーイングに怒りを爆発させるかの様な最後の一打はちょっと燃えたけど…。個人的に野手最大のヒーローは内川を挙げたい。3安打2得点とバットでの活躍は言わずもがな、6回のファインプレーが大きかった。あれが二塁打,三塁打にでもなっていたら、完全に韓国に流れが移っていた事だろう。完全にギャンブルプレーなので、失敗したらどえらい事になっていたが、成功したモン勝ちである。MVPには3勝無敗の霊感投手・松坂が2大会連続で選ばれた訳だが、図抜けて活躍した印象が薄い気がする。1勝1敗とは言え、絶体絶命と言うプレッシャーを背にしたキューバ戦や、今日の決勝戦で好投した岩隈の方がむしろしっくり来ると言うものだ。球数を投げ過ぎて、毎度、早期降板を余儀なくされる霊感投手・松坂と比べ、20イニングも投げた岩隈の貢献度は計り知れない。1敗した試合も僅かに1失点。コールド勝ちする程の大量援護を貰えた霊感投手・松坂と、まるで援護を貰えなかった岩隈と言う、東京ラウンドでの韓国戦での内容が二人の明暗を分けた格好だ。
さて、連覇を果たした日本だが、前大会での世界一をフロック呼ばわりしていたアメリカや中南米の評価がどう変わるか見ものである。特に、アメリカは下手な言い訳をするくらいなら、きっちり戦力を整えて来いと言いたい。戦力が整わないなら、整う努力をしろと…。とにもかくにも次回は第1次ラウンドの1,2位は第2次ラウンドではバラかせて、同じ国と5度もやる様なアホみたいな組み合わせは勘弁願いたいものである。ダブルエリミネーション方式にも疑問符が残る。ゲーム3や、ゲーム5の存在意義は分からないでもないが、ゲーム6の存在意義がさっぱり分からない。ゲーム6でわざわざ1,2位決定戦をやらずとも、ゲーム4の勝者が1位,ゲーム5の勝者が2位でいいと思うのだが…。この試合の所為で韓国との余計な対戦を2度も強いられた訳であり…。大いに盛り上がったWBCだが、次はいよいよペナントレース。WBCで高まった野球熱がペナントレースを盛り上げてくれる事を大いに期待したいのだが、WBCで燃え尽きて、盛り下がりそうな嫌な予感がありありだったりする…(^^;)。
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October 03, 1998 23:30
◆吉村、涙の引退! 最終打席は二飛!
7回裏に桑田の代打として打席に立った吉村は、あわや150号か!?と言う大ファールを飛ばしたが、最終的にはセカンドフライに倒れ、節目の記録は飾れなかった。試合後、ナイン全員による胴上げと握手攻めで迎えられた吉村は「(指導者として)また帰ってきたいと思ってますので、その時には感動して喜んで頂ける様なチームにしたいですね」と豊富を語った。また、この日、試合展開次第では、引退登板が危惧されていた川口も無事に登板を行った。金本を直球で三振に切って取り、有終の美を飾った。
◆今夜の松井さん、34号! 2年連続100打点!
7回裏、黒田から34号3ランを放った今夜の松井さんは、8試合連続打点と言う猛チャージで、巨人では王さん以来20年ぶりの2年連続100打点の大台に乗せた。同時に100得点、100三振、100四球も記録しており、4部門で3桁に乗せる日本球界では初の偉業(?)を達成! これで全日程を終えた松井さんは、6本差つけた江藤、8打点差つけたローズらの結果待ちで、二冠王を狙う!
◆熾烈新人王争い! 高橋3割、川上13勝!
高橋が全日程を終えて、目標の20本塁打には届かなかったものの、巨人のルーキーでは茂雄以来40年ぶりの3割をキープ! 一方、ライバル・川上は、7回1失点の好投で13勝目をあげ、防御率も2位の野口に0.11差と肉迫した! また、坪井も川上から2安打を放ち、打率を,325まで上げ、新人の球団最多安打記録に王手をかけた!
◆彦野、引退表明!
中日を支える乱闘要員の一角・彦野が引退を表明し、この日、引退試合を行った。1番センターでスタメン出場した彦野は最終打席、ショートゴロに倒れ、現役生活に別れを告げた。
◆鈴木一朗、8年ぶり代打安打!
エセネオエセ松井に7本差と迫られ、最多安打V5へ赤信号の鈴木(一)が、この日代打として登場。マットソンのナックルを叩き、15日ぶりのヒットを放った。球団マスコットの「ネッピー」として長年活躍してきた島野氏の引退に花を添えるべく、プリアムの2ホーマーなどの活躍で近鉄を下したオリックスは、ついに3位に浮上! 奇跡の逆転優勝へ夢を残した!
◆またも首位いじめ! 横浜、地元Vへ黄信号!
終盤、横浜戦に嫌がらせのごとくエース級を送り込んできたヤクルトが、横浜の地元Vを阻止すべく、この日も、伊藤がマシンガン打線を散発3安打に抑える快投で下した。これで横浜の地元Vはこの後、3連勝しかなくなった。厳密には、9日からの中日戦と言う可能性も残ってはいるが、それはあくまで中日が連勝、横浜が連敗を続けたらの話。明日の先発は最多勝を狙う川崎が有力視されており、ヤクルトの首位いじめは、まだまだ続く!
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September 25, 1998 23:30
◆鈴木一朗、最多安打V5へ赤ランプ
佐々木近鉄の容赦ない内角攻めで、腰痛に陥った鈴木一朗は、連続試合出場更新の為だけに無理矢理、守備要員として出場し続けているが、そうこうしているうちに、エセネオエセ松井が12本差、クラークが10本差と猛追。特に、エセネオエセ松井は15試合も残しているだけに、この儘、鈴木一朗が打席に立たない儘だと、逆転の可能性は非常に高くなってきた。
◆茂雄、ラクダ槙原の名球会入り阻止へ!
茂雄がラクダ槙原に「年齢的に先発はもう無理」と、永久ストッパー指令を出した。これに対しラクダ槙原は「名球会入りへの道が絶たれた」と愕然。とは言え、現在、155勝で、200勝への道は、まだまだ遠く、先発なら200勝を確約出来るまでいかない為、徹底抗戦出来ないとか…。
◆ササキ様、胴上げ投手内定
権藤さんは「優勝決定の試合は、10−0でも、20−0でも、ササキ様で締める」と公言。今まで完封目前投手をことごとく葬ってきた権藤さんだけに、さして驚くべき発言ではない。こういう時に限って、8回二死までパーフェクトなんて展開になったりしても、迷う事なく、ササキ様に替えてしまいそうだ。
◆元メジャー・橋本(偽)、ついに一軍昇格!
メジャー初勝利を挙げた時に茂雄に「凄いですね、橋本は」と間違われた男・ノリダー柏田の一軍昇格が決定的になった。左ヒジに「ネズミ」を飼っている岡島が検査の為、二軍降格した為。
◆ウイルソン解雇
名前が「ウイルソン」と言う事で、4打席連続ホーマーなどの大爆発が期待されたデジー・ウイルソンだったが、全くの期待外れで解雇が決定した。これで、今季の阪神助っ人の解雇は、郭李、パウエルに続いて3人目。因みに、ハンセンは、辛うじて残留が決定した。
◆若松新体制、早くも新助っ人獲得へ
人事にかけての手際の悪さで毎年、ノムさんを苦しめてきたヤクルトのフロントだが、ノムさんが去ると決まった途端に、手際良くメジャー通算10勝の、ジェイソン・ハッカミー投手を獲得した。来季ローテの中心として期待されているが、アイケルバーガー、バニスター、ドリスキルなど、変な名前の助っ人投手は大ハズレのジンクスから、果たして、逃れられるか?
◆ヒゲの藤本、ついに戦力外通告
右の代打として、ダイエーから緊急トレードされたヒゲの藤本が戦力外通告を受けた事が明らかになった。他に戦力外となったのは、7年目の徳本、元巨人組の高田、四条の3選手。これに引退を決めているヨシ佐藤を加えてオリックスの戦力外選手は5人となった。
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