中村紀
March 30, 2007 22:09
◆YB2−3G◆
7年連続開幕投手の上原が左太腿裏痛で離脱した巨人は昨年のチーム最多勝・内海を初の大役に任命。一方、横浜は4年連続6度目となるハマのチンピラがマウンドに上がったが、過去5戦5敗と開幕戦は鬼門中の鬼門であり、その不安はいきなり的中。何と巨人新1番のマッスル千代の富士がセ・リーグ史上初となる開幕初球本塁打をぶち込んだのだ。これでマッスル千代の富士は3年連続5本目の開幕アーチと、ハマのチンピラとは正に対照的な開幕戦での強さを見せつけた。折角、先制して貰ったと言うのに、内海は立ち上がりから制球難でピンチを作り、鈴木なおのりに同点タイムリーを浴びると、3回には吉村に痛打され、勝ち越しを許してしまう。しかし、4回、李の同点弾に続いて、「素行の悪くない巨人直輸入助っ人をとりあえず応援してみる会」会員の当ブログが推奨する新助っ人・ゴンザレスが来日初アーチを叩き込み、逆転に成功。続く5回には二死一、二塁のチャンスで回ってきたゴンザレスだが、泡食ったハマのチンピラがよりにもよってゴンザレスの左手首をスナイプ! ゴンザレスはしばらくの間、昏倒し、アナウンサーが「嫌な音がした」だの、「モロに当たった」だの、「メジャーでも手首を痛めていた」だのと散々脅しまくるもんだから、まさか開幕戦で消えるんじゃあるまいな…とヒヤヒヤさせられ通しだったが、一旦、ベンチに退いたゴンザレスは無事に復帰し、一安心。このゴンザレスの一打による1点のリードを内海−林と必死に繋ぐと、最後は復活を期す守護神・豊田が三者三振と言う圧巻のピッチングで締め括り、開幕戦白星スタート。ソロ3発で3点と言う茂雄暗黒政権を思わせる試合展開は少々気になる所だが、投手陣の方は先発・リリーフ共に噛み合いそうな期待を抱かせた。一方、一発攻勢に沈んだハマのチンピラは史上83人目の2000投球回を達成したものの、これで開幕戦6連敗。メモリアルと言えば、小坂も史上10人目の250犠打を達成。勿論、1位は世界の名手・川相の533犠打。小坂にして、まだ川相の半分にも満たないとは、川相の偉大さを改めて痛感させられる。相変わらず、ケガに弱いニックンがいない事を幸いとばかりに小坂が開幕ショートに入ったのは実に景気のいい話なのだが、7番ってのはかなり不満。川相が本領発揮出来ない様にシメるべく、7番に置きまくった茂雄の嫌がらせが思い出されるなぁ。ところで、7回、1点差の場面でありながら、代打を送られた李に何があったのか、気になる所。この非常事態にレフトスタンドは凍り付いていたが、代打で出てきたのが、元横浜の小田嶋とあって、反対のライトスタンドからは暖かい拍手が送られていたのは何だか微笑ましかった。
◆D7−3S◆
世界一の技術に全く衰えを感じさせず、余力を十二分に残しながら、名手・川相が引退に追い込まれた事により、早くも連敗へ赤信号の灯っている中日。福留の2点二塁打で先制するも、打線を繋ぐスキルが最も高い川相が試合に出られない為か、拙攻続きで追加点を奪えない。そうこうしているうちに粘り強く投げていた人斬り抜刀斎が8回、リグスに2ランを被弾し、形勢逆転。しかし、その裏、名手・川相の背番号「7」を受け継ぐ男・李の二塁打を皮切りに、史上最安値スラッガー・中村のタイムリー二塁打で追いつくと、育成選手上がりにいい所を持っていかれる訳にはいかないと、代打・立浪が勝ち越しタイムリー。更に、代打・沢井,井端と連続タイムリーが飛び出すなど、この回、一挙5点のビッグイニングで試合を決定付けた。尚、今季限りでの引退説を打破したい中井美穂の旦那は開幕マスクでフル出場と意欲を見せたが、9回のラストチャンスにゲッツーとは面目丸潰れだった。
◆T1−4C◆
2000安打を目指す求道者・前田がまたもや足をやっちまって、開幕スタメンから外れてしまうと言う悲劇に見舞われた広島だが、昨オフ、ファンの声に応える形で残留を決めて男を上げたエース・黒田が6回まで散発2安打無失点の力投を見せる。一方、井川の国外亡命により、エース不在の阪神は開幕から下柳を投入せざるをえない苦しい展開。立ち上がりは踏ん張っていた下柳だが、中盤から捉えられ始め、3回に梵の犠飛,6回に倉のタイムリーを許して2失点降板。上位打線からさっぱり快音が聞かれない阪神は7回に矢野のタイムリーでようやく1点を返したのも束の間、8回、広島は途中出場の尾形がタイムリー二塁打。更に、黒田を下げてまで起用した代打・森笠にもタイムリーが飛び出して、一気に突き放した。その裏、河内,上野の3連続四球で満塁と言う場面で登場した守護神・永川はこの大ピンチを見事に切り抜けると、9回も3人でピシャリと締める快投で阪神の反撃を断ちきった。
◆M4−1H◆
4連勝で早くも単独首位を爆走するソフトバンク。しかし、ここで昨年、壊滅的な不振に苛まれた渡辺俊が立ちはだかった。松中,小久保の両主砲、昨夜は劇的サヨナラ弾の柴原,新助っ人・ブキャナンと続く中軸打線を完璧に抑え込み、付け入る隙を許さず、自責点0の無四球完投勝利。04,05年を思わせる安定した内容で今季の巻き返しを大いに感じさせる素晴らしい投球だった。打っては2回に相手のバッテリーミスに付け込んで先制した後、竹原の二塁打,青野の2ランで一気に4点とワンチャンスを見事にものにした格好だ。ソフトバンク先発・神内は3回以降はノーヒットの快投を見せただけに、何とも悔やまれるイニングだった。
◆F2−2L◆
悪の温床・楽天・田中が6失点KOと火だるまに遭った事でルーキー白星一番乗りのチャンスが巡ってきた岸。何とか援護したい西武打線は金子誠のタイムリーエラーで先制すると、ベンちゃんが「理由は言えないけれども、今日は打たなきゃいけない日だった」と言う不気味なコメントを残しつつ、2号ソロを叩き込む。リードは2点で十分とばかりに岸は走者を出しながらも要所を締める粘りの投球で7回を無失点と上々のデビュー。しかし、土壇場9回、守護神・小野寺が28日に続いて、またも背信投球。連打でピンチを作った後、ルーキーの代打・金子洋,劇団ひちょりとタイムリーを浴びて、岸のプロ初登板初勝利を無惨に粉砕。結局、延長に入ってからも両軍決め手に欠き、12回既定でドロー。昨年、12球団で唯一、引き分けのなかった日本ハムだが、これで早くも今季3度目。ダルビッシュは9回を14三振と言う力投を見せながら、またも白星を掴めなかった。
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