桑田真澄

November 01, 2010 07:12

11/1沢村 相変わらずの裏工作が決まり、沢村の一本釣りに成功した巨人。沢村は大学時代にも付けていたエースナンバー「18」を希望。巨人の「18」はここ50年で藤田元司,悪太郎・堀内,桑田真澄と一時代を築いた3人しか付けていない神聖な番号であり、桑田の退団後は見合う選手が一向に現れない為に、現在、4年間空番となっている。「18」を背負うとなれば、長期に渡って、エースとして君臨し、背番号を守り続けなければならないとあって、沢村の希望に対して、巨人がどう出るのか注目していたが、実際に提示された番号は「15」。清武代表は永久欠番となっている沢村栄治の「14」を引き合いに、「沢村栄治を1つ越えると言う意味で『15』を背負って欲しい」などと上手い事を言ったつもりの様だが、最近の巨人で「15」をつけた選手と言うと…

2010年:木村正太…「15」をつけてからは一軍登板なし。
2006〜2008年:辻内崇伸…未だに一軍出場なし。
2005年:後藤光貴…シーズン途中、河原とトレードも殆ど二軍暮らしでオフに西武に逆戻り。
1995〜2005年:河原純一…輝いた年はあったが、巨人通算25勝で西武に放出。
1992〜1994年:小原沢重頼…僅か3勝でロッテ移籍。
1979〜1990年:山倉和博…何故かMVP捕手だが、数字的には特筆すべきものはなし。
1972〜1977年:横山忠夫…僅か12勝でロッテ移籍。
1962〜1971年:城之内邦雄…1年目から24勝し、通算141勝。引退後、ロッテで現役復帰。

…と、投手で実績があるのは、約40年前の城之内くらいで、あまり大成しないイメージの番号なのである。あと、何故か、ロッテ移籍者が妙に多い…。まだ「19」とかの方がいいんじゃないかと思うのだが、結局、「沢村栄治を1つ越える」と、無理矢理こじつけたいが為に「15」にした訳だよなぁ…。その理屈で言うと、背番号がでかい程、より沢村栄治を越える期待を抱かれている事になってしまうし、こういう理由で「15」を与えると言う事は沢村には沢村栄治を越えるまで(沢村栄治は実働期間が僅か5年と短く、球団創世記のエースで故人と言う数字だけでは語れない「伝説」の存在なので、どれだけ白星を積み重ねても越えられない…つまり、実質、半永久に)「15」で頑張ってくれ…とも聞こえかねないのだが、清武代表は一応、「『18』は力で勝ち取って貰いたい」と付け加えており、実績次第で将来的に「18」を与える可能性を示唆してはいる。藤田氏も悪太郎も共に1年目は「21」で、それぞれ17勝,16勝と結果を残して、2年目から「18」を獲得しているからだ。沢村もとりあえず、来年、新人王級の働きをすれば、もしくは…と言う所だろうか。こういう話を聞くだに、1年目から「18」を貰った桑田に対する評価と期待がいかに高いものだったかを改めて思い知らされる気がする…と言う、実は桑田プッシュの記事でありましたとさ。

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March 27, 2008 22:59

 桑田が突如の現役引退表明。にわかには信じられず、しばし呆然としてしまった。最初、この報せを確認したのが、「筑紫哲也NEWS23」の番組内で引退を示唆する様なコメントを残した…と言う小さな記事だったので、本当に引退するつもりなのかは微妙と言う印象だったのだが、残念ながら、それは事実であった。再起を懸けて臨んだ今年のオープン戦では5度の登板で5回を1失点、白星も1つ手にした。それでも開幕メジャーはギリギリ当落線上ではあったが、純粋な戦力以外の面でも高評価を受けていたし、開幕メジャーがダメでも長いシーズン中に桑田が頼りにされる時は必ず来る筈だと思っていただけに、このタイミングでの引退表明は正に、青天の霹靂だった。結局、決定的だったのは開幕メジャーが果たせなかった事らしい。「今年はそういう(マイナーからの昇格を目指すと言う)気持ちはなく、メジャー一本しか考えていなかった」との事なのだが、確か開幕マイナーでも現役続行と言うコメントも発していた筈…。あれは果たしてリップサービスだったのか、それとも心変わりしてしまったのか…。「僕は自然の流れにずっと任せてきた。流れと言うものに、逆らっちゃいけない」と言っているが、開幕マイナーと言う事実を引退への天命と受け入れたと言うより、心を折られてしまった様な印象を受けた。今年の桑田はオープン戦で打ち込まれた訳ではなく、力不足を痛感させられたとも思えないのだが、これ以上、マイナーで頑張り続ける気力を断ち切られたと言う感じ。「燃え尽きた。ここまで頑張ってこれたと言う感じ。開幕メジャーを目標にしてやってきたが、マイナーは若い選手がプレーする場所。思い残す事もなく、小さい頃から野球にいっぱい幸せを貰い、いい思いをさせて貰った。ちょっとゆっくりしたい」と言う引退会見のコメントがどこまで本心なのかは分からない。オフに手術を受けてまで再起を誓い、ここまで食らい付いてきた桑田だけに徹底的に足掻き、挑み続けて欲しかったと言う気持ちで一杯なのだが、よくぞここまで頑張った、お疲れ様…と言ってあげたい。ああ、これで現役藤田チルドレンは正真正銘の全滅か…。まさか破戒僧・清原より先に引退とは…。こうなると、川相と桑田が共に手を取り、巨人を立て直す日が来るのが待ち遠しいね。それにしても、桑田クラスの投手がこういう形でユニフォームを脱ぐのは寂し過ぎる。巨人は何らかのセレモニーの場を用意してあげて欲しいものだが…。

不惑 桑田・清原と戦った男たち
試練が人を磨く 桑田真澄という生き方 (扶桑社文庫 く 8-1) (扶桑社文庫 く 8-1)
投手・桑田真澄の青春
こぼれ落ちた一球―桑田真澄、明日へのダイビング
桑田真澄―ピッチャーズバイブル18
BBM桑田真澄伝説 2007 (2007)

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August 19, 2007 10:06

 パイレーツから戦力外通告を受け、去就が注目されていた桑田だが、正式に退団する事が決定した。ウェーバー公示され、獲得を表明する球団はゼロ。パイレーツ側は桑田の若手への影響力がプラスに繋がると考え、僅か3週間後に閉幕となるにも拘わらず、傘下の3Aインディアナポリスでのマイナー契約を打診したがープン戦で痛め、完治しきっていない右足首の状態が思わしくない事もあり、桑田は「右足首がいっぱいいっぱい。痛い状態で通用する世界ではない。今年はプレーしないと決めていた」と、治療に専念したい意向を示し、これを固辞。トレーシー監督は「桑田と言う人物は、グラウンドの外でも球団にとって非常に価値のある人だと思う」と語っており、守護神マット・キャップス投手を初め、桑田をよき先輩と慕う若手投手も多い。対日本のビジネス要素も加味し、現役か引退か、いずれを選んだとしても、桑田との繋がりを断ち切りたくないパイレーツ側は桑田の退団への固い意思を尊重しつつ、シーズン終了まで保有権の残る「制限リスト」登録を打診。今季残り42試合分の年俸約1440万円を返上する事で、プレーの義務を生じないこの提案に対して、桑田は快く合意した。現在、ピッツバーグに滞在中の妻子は19日に帰国予定だが、桑田も挨拶回りや身辺整理等を済ませた上で数日遅れて、帰国する模様。来季の去就については「今は何も考えていない。焦って決断することではない。まだ8月だし、時間はたっぷりある。日本に帰ってから、自分の体に相談しながら、ゆっくり考えたい。何らかの形で野球には携わっていくだろう」と結論を保留した。日米通算2000奪三振まで、僅か8と迫っているが、「大事なのは過程。達成したら偉いとか、作れなかったらダメというものではない」と、記録の為だけに現役続行する方針はないとの事だ。

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August 15, 2007 11:53

 ついに悪夢の時がやってきた。前日、5失点の大炎上となった桑田に対して、トレーシー監督が近日中のマイナー降格を示唆する様なコメントを残していたが、この日のメッツ戦の試合開始前、戦力外通告を下されてしまった。開幕直前に審判と激突するアクシデントに見舞われ、重傷を負いながら、驚異的な回復を見せて、メジャーに這い上がった桑田はここまで全てリリーフで19試合に登板。デビュー当初は得意のカーブに加え、トレーシー監督からも「ストライク・スローイングマシン」と称される程の制球力を武器にメジャー打線を翻弄する場面も見られ、対日本人野手は無安打に抑え込んでいたが、7月以降、生命線とも言える制球力に甘さが見え始めると、連打される場面も多く、0勝1敗で防御率は9.43の成績で白星を挙げる事は出来なかった。弱体先発陣が早めに崩れる事が多いなど、登板時期が読めない。連投を強いられたかと思えば、1週間以上も登板がなかったりと、登板間隔も不規則になりがち…。ずっと先発でやってきた桑田にとって、不慣れな中継ぎを続ける事は、調整に苦しみ、想像以上に体にも負担をかける事になっていた。桑田の経験を高く評価し、かばい続けてきたトレーシー監督だが「最初の姿に戻って欲しいと思ったが、悪循環に入ってしまった」と上位進出も望めないチーム状況で若手中心に切り替えざるを得なくなった事に顔を曇らせた。また、桑田の最大の理解者と言われるコルボーン投手コーチも「桑田はチームに多くのものを与えてくれ、私も特別な思いで接していた。どんな時でも彼の存在は私の側にある」と、別れを惜しんだ。この後、桑田は10日間ウェーバーにかけられるが、時期的に優勝を争う上位球団は勿論の事、下位球団もパイレーツ同様に若手主体の構成に切り替えるタイミングである事から、獲得に乗り出す球団は恐らく出てこないと思われる。他球団から獲得の申し込みがなければ、パイレーツとマイナー契約を結ぶか、自由契約となるかを選択する事となる。会見に臨んだ桑田は「(このタイミングでの戦力外通告は)時期的に9月もすぐだし、野球界ではどこでも起こりえる事。そういう中で22年やってきたし、仕方ない。ここまで投げさせて貰えて感謝している。ケガをした事で底辺も見せて貰ったし、3Aでマイナーの経験も出来た。もう十分です。何も悔いはない。6/30に最後の打者を打ち取って勝利した瞬間が最高の思い出。あとは鈴木一朗君と対戦した時。(去就については)家族が来ているので、しばらく時間を貰って相談し、週末くらいまでに決めたい」とコメントを残しており、200勝への夢を断ち切って、現役を退く可能性を匂わせた。尚、トレーシー監督は、桑田がコーチやスカウトとして球団に残る事に関心を寄せている事を明らかにしているとの事。個人的にはもう少し現役として足掻いて欲しい所だが、将来の巨人監督候補と目される桑田だけに、アメリカでの指導者としての経験を積む事も大いに意義のある事だろう。週末の決断が注目される。

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August 11, 2007 23:38

 桑田がサンフランシスコでのジャイアンツ戦で、3点ビハインドの7回に登板。ボンズとの対戦を楽しみにしていた桑田だが、先頭のデービスを歩かせると、続くビスケルにライト前へ弾き返され、一、二塁のピンチを迎えた所で早くも降板を命じられ、ボンズとの対決はならず。この後、代わったグラボゥがボンズに犠飛を許し、桑田の失点は1。皮肉にも、直後の8回、パイレーツ打線が大爆発し、6点を奪って逆転勝ち。この回をきっちり抑えていれば、メジャー初白星を得られた所だった

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August 04, 2007 10:16

 正念場が続く桑田だが、地元でのカージナルス戦に登板。3−3の同点で迎えた6回に2番手としてマウンドに上がった桑田は先頭のラドウィックを簡単に追い込み、見逃し三振に斬って取るも、続くモリーナにはファールで粘られた末に二塁打を浴びてしまう。マイルスをショートゴロに打ち取り、二死三塁となった所で、代打・エドモンズに敬遠を指示されると、続くエクスタインも歩かせて、満塁のピンチで打席にはハイツ田口。いつもなら、右対右で代打を送られるケースながら、日本球界のベテランである為、データを持っているだろうと、その儘、起用されたハイツ田口だが、リーグの違った桑田との対戦経験はオープン戦での僅か14打席(12打数3安打2犠打)に過ぎず、最後に対戦したのは9年も前の事とあっては、ハイツ田口の持つデータなど、さして効率的に働く筈もなかった。これまで日本人選手を悉く退けてきた自信か、徹底したカーブ攻めで立て続けに空振りを奪い、あっと言う間に2−0と追い込んだ桑田だが、メジャーでは先輩のハイツ田口はここからファールを連発して食い下がる意地を見せる。そして、カウント2−2からの7球目、桑田は一転して内角へストレートを投げ込むと、ハイツ田口は食い込まれ気味のスイングでライトへのフライを打ち上げ、三者残塁。その裏、パイレーツはポリーノに勝ち越しアーチが飛び出し、この瞬間、桑田にメジャー初勝利の権利が生まれたが、7回から桑田に代わって登板した3番手・チャコンが代わりばなプホルスに被弾し、悲願の初勝利の権利は僅か6分足らずで粉砕されてしまった。チームは延長の末、サヨナラ勝ち。桑田は「大ピンチでも楽しく自分の投球が出来た。もしかして(初勝利)と言うのはあったけど、まだ先でしょう。今日はその日じゃなかった」と苦笑いしながらも、重要な場面を無失点で切り抜けた事に満足した様子。一方、チャンスに凡退したハイツ田口は「(桑田さんのデータは)よく知らないと、監督にも一応、言ってあったんですが…」と、必要以上の期待に応えられず、ガックリしていたが、「自分を高めてくれる様な感覚はある。日本人投手の繊細さを感じる」と、桑田の投球を評価していた。

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July 29, 2007 20:52

 桑田がフィリーズ戦で15度目の登板。5−4と1点リードしているとは言え、5回無死満塁と言う大ピンチでマウンドに上がった桑田はホワイトソックスから移籍してきたばかりの井口といきなり初対戦。。「あの場面は外野フライでいい。気持ち良く打席に入った」と言う井口はカウント1−0からの2球目、センターへの同点犠飛を打ち上げら、最低限の仕事を果たした。桑田は続くコステに勝ち越しとなる3ランを被弾すると、二死後、ヒットと四球でピンチを迎えた所でロリンズには走者一掃のタイムリー三塁打を浴びて、この回、大量6点を献上。それでも続く6回には先頭打者を出しながら、2度目の対決となった井口をセカンドゴロゲッツーに仕留めるなど、無失点で切り抜けた。2回で3三振1併殺を奪ったものの、4安打3四球3失点と言う不本意な内容だった。

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July 27, 2007 12:30

 3試合連続失点でマイナー降格の噂も囁かれている桑田がメッツ戦で3番手として登板。背水の陣での連投を命じられた桑田は3点ビハインドの5回と言うまたまた負けている場面でマウンドとなったが、先頭の4番・デルガドをショートゴロ,5番・ロデューカをサードゴロとクリーンアップを次々と打ち取り、二死。続くアンダーソンは四球で歩かせ、二盗も許してしまったが、イーズリーをセンターフライに仕留めて、ピンチ脱出。1回を無安打1四球、4試合ぶりの無失点投球で何とか踏み留まった。メッツの先発はこの日で300勝にリーチをかけたグラビン。桑田は「グラビンには特別な思いがある。同じマウンドで投げられて楽しかった」と感慨にふけり、結果を残せた事もあって明るい表情を見せた。

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July 25, 2007 19:10

 桑田がニューヨークでのメッツ戦で1週間ぶりの登板。6−2の4点ビハインドとまたまた負けている場面での4番手としてマウンドに上がった桑田。いきなり先頭のロデューカにレフト前へ痛打されると、グリーンはレフトフライに打ち取るも、続くミレッジに対して「調子は一番いいぐらいだったけど、あの球は抜けてしまった。あれは自分が打者でも打つと思った」と言う真ん中高めに甘く入った失投を叩かれ、レフトスタンドへ痛恨被弾。この後、アンダーソン,レイエスと後続は内野ゴロに仕留めて、1回を2安打2失点。「調子は今までで一番良かったくらい」と語る桑田だが、制球力で勝負する桑田にとって短いイニングでの失投は微塵も許されない事を痛感させられた。シーズン真っ最中だと言うのに開催されたチャリティーゴルフに呼ばれたり、初のオフでPNCパークを遊覧船で巡ったりするなどして、緊張感が緩んでしまった訳でもないだろうが、これで3試合連続の失点。試合後、ニューヨーク在住のPL同窓生約30人から激励を受け、「励みになりますね」と笑顔を見せた桑田。マイナー降格の危機に立たされていると言っても過言ではない状況だけに、何とか気持ちを切り替えて、巻き返しを図って貰いたいものだ。

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July 19, 2007 06:30

 桑田がロッキーズ戦で13度目の登板。19日ぶりの連投となる今回は2−5と3点ビハインドで迎えた6回から2番手としてマウンドに上がった。6回はトレアルバ,ベーカーと立て続けに内野ゴロに仕留めて、簡単に二死を取ると、キャロルにはライト前に弾き返されるも、続くフォッグをサードゴロに打ち取り無失点。トップバッターからの打順となる7回には、いきなり先頭のタベラスに死球を食らわせ、無死一塁のピンチ。続くスピルバーグスは送りバントを狙ってきたが、インハイの直球でキャッチャーへの小フライを上げさせると、ホリデーをレフトフライに打ち取り、二死。4番・アトキンズの打席でタベラスに二盗を許すと、カウント1−3から内角に甘めに入ってしまった球をレフト前へのタイムリーとされ、6点目を献上。更に、この後、ヒットと四球で満塁のピンチを迎えたが、べーカーをサードゴロに抑え、何とか追加点は阻止した。エセネオエセ松井は不出場に終わり、2試合連続のPL対決は実現せず。この日は2回を3安打2四死球1失点と2試合連続の失点に桑田は「タベラスは足が速いですから…。100%打者に集中出来なかった」と、反省した。先発左腕のデュークの復帰が今月末に見込まれており、1枚加わる事で誰かが降格となるかもしれない状況。この所、ビハインドの場面での投球が続くなど、首脳陣の信頼感にやや陰りも見えるだけに、そろそろ失敗が許されない正念場を迎えていると言っても過言ではないだろう。

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July 18, 2007 00:25

 桑田の後半戦初登板はロッキーズ戦。8−9と1点ビハインドで迎えた6回、3番手としてマウンドに上がった桑田は先頭のタベラスをショートフライに打ち取るも、これをショートが落球する不運に見舞われ、無死二塁のピンチ。ここでPLの後輩であるエセネオエセ松井と初対決。試合前に対面を済ませ「年齢的には下だけど大リーグでは先輩。対戦を楽しみにしている」(桑田),「小さい頃から桑田さんに憧れてPLに入った」(エセネオエセ松井)と語り合っていた二人。フィールディングのいい桑田を相手に、エセネオエセ松井は初球のチェンジアップをいきなりセーフティーバントで揺さぶる小細工をかますが、三塁線に切れるファール。続く2球目のカーブもファールを打たせて、2−0と追い込んだ桑田は3球目を低めの速球でセカンドゴロに打ち取り、先輩後輩対決を制すも、一死三塁となった所で3番・ホリデーにセンターへ犠飛を打ち上げられ、左のヘルトンを迎えた所でお役御免。2/3回を無安打、自責点は0ながら、1失点の内容に桑田は「自分なりの投球は出来た」と納得の表情。エセネオエセ松井との対決に関しては「(打ち取られても)ああやって一塁や二塁のいい所に転がす(進塁打とした)のはいい仕事。3割以上打っているし、いつか(僕からも)打ちますよ」と、後輩にエールを送った。

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July 09, 2007 00:10

 桑田がカブス戦で11度目の登板。5試合ぶりのマウンドは1−7と6点ビハインドで迎えた8回と言う敗戦処理的な起用だったが、前回、7失点KOの大炎上となっただけに、信頼を取り戻す為にも大事なマウンドである事は桑田も十二分に承知していた。しかも、三塁塁審にはオープン戦で悪夢の衝突をかましてきた巨漢・ベル審判がいると言う不吉な状況ではあったが、桑田は意に介さず、先頭のセリオと対峙。0−2とボールが先行するも、ここから低めに集める投球で追い込むと、高めでファールを打たせてから、最後はピッチャーゴロに仕留め、まず一死。続いて、「(レオンには)プロ入りして間もない頃に声をかけて貰った事を覚えている。(その息子と対戦出来るとは)感慨深いものがあった」と言う横浜・ヤクルト時代に対戦経験のあるレオン・リーの息子デレク・リーとの対決では1−1からショートゴロに打ち取った。レオンとは力と力の勝負をした桑田だが、息子には技で勝負。してやられたデレク・リーだが「父と戦った人と対戦するなんて素敵だね」と、感激していたと言う。そして、4番・ラミレスも同じくカウント1−1からショートゴロと、全て内野ゴロに抑えての三者凡退と、汚名返上の好投を展開。試合後の会見で「悪い時は誰にでもある。うまく切り替えないといけない。またチームに貢献出来る投球をしていきたい」と語った桑田は「今日はいい投球だった」と興奮気味に何度も繰り返した。冷静な桑田のいつにないテンションの高さは今回の登板がただの敗戦処理ではない事を実感させるものだった。トレーシー監督は「速球を低めに集めていたので、高めのカーブが生きた」と桑田の投球を評価しており、今後も重要な場面を任される事が増えそうだ。

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July 04, 2007 06:59

 桑田がブルワーズ戦で10度目の登板。同点で迎えた7回、2番手としてマウンドに上がった桑田はきっちり抑えれば悲願の初白星を手にする可能性も期待出来る状況に緊張した訳でもなかろうが、自慢の制球が定まらず、ボールが高く浮き、先頭のグラファニーノにセンター前へ弾き返されると、ビヤヌエバの犠打の後、ハートに勝ち越しタイムリー二塁打,続くハーディにもタイムリーを浴び、2点を献上。続くブラウンは得意のカーブで三振に斬って取ったものの、阪神時代に対戦のあったセシル・フィルダーの息子プリンス・フィルダーに対しては敬遠を指示され、二死一、二塁。ここからホールの完全に打ち取った当たりがライト前にポトリと落ちるタイムリー二塁打となる不運に見舞われると、またも一塁が空いた為にジェンキンズには敬遠を強いられ、満塁となった所でミラーにはレフトスタンドへ叩き込まれて、KO。日本でも21年間で1度しか経験していない満塁弾を浴び、1度も経験した事のない1イニング7失点と、正に悪夢のマウンドで桑田は初めてスタンドからブーイングを浴びる事となった。結局、この7点が致命的となり、チームは敗戦。桑田は初白星どころか、逆に初黒星を喫する事に…。短いイニングしか投げられないリリーフの宿命か、一度の炎上で防御率も2.53から一気に7.94まで跳ね上がってしまった。「知らないうちにやられてしまったと言う感じ。自分ではボールは走っていたと思うが、何故か甘く甘く入ってしまった。中盤に追いついて、さぁこれからと言う時の出番だったんで、しっかり僕があそこを抑えないといけなかった。(首位との)大事な試合なので勝ちたかった」と反省する事しきりの桑田は試合終了後、ナインが全員引き上げても、一人ベンチから立ち上がる事が出来ずにいたと言う。しかし、トレーシー監督は「彼の役割は変わらない。ここまで非常に信頼出来る働きをしてきた。今日は甘い球が幾つかあり、悪い日だっただけ。こういう事は誰にでもある」と、信頼に揺らぎがない事を強調している。主審の判定が辛かった事もあり、内側へボールを集めなくてはいけなかったのも桑田にとっては逆風だった。キレやスピードだけで勝負出来る力は足りないだけにストライクゾーンが狭められると厳しいのは確かだが、それを抜きにしても、今回の桑田は悪かった。一塁が空く度に敬遠を指示されまくるのも、何だかリズムを狂わされている様な気がする。ともあれ、次回は気持ちを切り替えて、きっちり抑えて欲しいものだ。

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July 01, 2007 21:30

桑田070630 桑田がナショナルズ戦で10度目の登板。5点リードで迎えた8回一死一塁の場面で先発・ゴーゼラニーからバトンを受け取った桑田はジマーマンを初球、ピッチャーゴロに打ち取り、素早く二塁へ転送。ショートが一塁へ投げやすくなる様に二塁方向へシュート回転をかけると言う恐るべき送球で見事にゲッツーを完成させ、僅か1球でピンチを脱出。リリーフ陣の負担を軽減すべく、9回も続投となった桑田はリーグ打率3位のヤングをファーストゴロに仕留めると、続くカーンズをレフトフライに打ち取り、二死。チャーチはフルカウントからの際どい球をボールと判定され、歩かせたものの、続くロペスを空振り三振に斬って取り、ゲームセット。ホールドもセーブも、勿論、白星も付かなかったが、初めて勝ちゲームで最後まで投げきった桑田はベンチに引き上げながら、ナインと喜びを分かち合った。
 相変わらず、コーナーワークが冴える桑田。何とかうまい事、白星が転がり込んで来ないものかと、200勝を期待してしまうファンとしては思ってしまう。それにしても併殺を狙いやすい様に回転をかけた送球と言うのは、普段、あまり耳にしないのだが、プロの選手はこういう技を普通に駆使しているものなのだろうか。だとしても、妙に「桑田的」なものを感じてしまうなぁ。桑田がやると、凄ぇ!とか自然に思えてしまうと言うか…。

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June 30, 2007 00:45

 昨日に続いて、桑田がマーリンズ戦に登板。2度目の連投となる今回は7回一死から4番手として登場。まず、キャロルに初球を打たせて、ライトフライに仕留めると、続くトレナーも3球揺さぶりをかけた後の4球目にセンターフライに打ち取り、僅か5球で被弾した前日の雪辱を果たした。試合は両軍合わせて27安打の乱打戦の末、マーリンズが勝利。桑田の好投がなかなかチームの白星に繋がらないのは少々気がかりではある。チームもそうだが、何より桑田自身に全く白星がつかない。リリーフでの起用が続く限り、日米通算200勝は苦しいと言わざるをえないだろう。トレーシー監督は「短いイニングの方が、彼の持ち味である緩急が生きてくる筈だ」と、今の桑田の適性をリリーフ要員と見ている様だが、パイレーツの不安定な先発陣を見るに、あながち桑田に先発のチャンスがないとは言いきれない。桑田には長いイニングも行けると言う所をアピールし、是非とも、先発起用のチャンスを掴んで欲しいものだ。

桑田真澄―ピッチャーズバイブル18

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June 29, 2007 06:26

 桑田がマーリンズ戦で7度目の登板。5−3と2点リードで迎えた7回、3番手としてマウンドに上がった桑田だが、「どういう意味か分からないですね。僕はレインボーが好きなんです。なぜなら虹の先には幸せがあるって言うでしょ? カーブを投げた先に、抑える幸せがある訳だからね」と、得意のカーブが「スシ・ボール」などと名付けられてしまった事にショックを隠せないのか、昨年の新人王・ラミレスに対して、ボールになってもいいつもりで投げた筈のカーブが真ん中に入ってしまい、レフトスタンドへ運ばれた。しかし、これで気持ちを切る事なく、続くアグラをサードゴロ,カブレラをライトフライに打ち取り、3ホールド目をマーク。デビュー戦以来、6試合ぶりの失点,被弾に「本当に初歩的なミス。何年やってもこういうミスをするんだな」と反省しきりの桑田はトレーシー監督に頭を下げたが、トレーシー監督は「彼らしいね。謝る必要なんかないのに。その後、非常にいい打者に対して、2アウトを取った。スペシャルな事だよ。簡単な事ではなかった」と語り、桑田への信頼感が揺らぐ事はなかった。この日は息子のミドルネームに「クワタ」と名付けた事で有名な元巨人・ガリクソンが家族を引き連れ、観戦。今回は失点してしまったが「こっちも緊張した。2点差のいい打順と言う場面で起用されていると言う事が素晴らしいし、嬉しい」と、かつての盟友の活躍に喜びを表した。

こぼれ落ちた一球―桑田真澄、明日へのダイビング

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June 26, 2007 06:48

 桑田がエンゼルス戦で6度目の登板。2−3と1点ビハインドで迎えた7回にマウンドに上がった桑田だが、この日の主審はストライクゾーンが狭い事に定評のあるマルクスとあって、得意のコーナーワークを駆使しきれず、またデビュー戦以来となるデーゲームに苦しんだ。前回のデーゲームは曇天だったが、この日は晴天。「光の関係か、練習の時から高めにしかいかなくて、アジャストするのに時間がかかった」と言う桑田はいきなり先頭のフィギンズを歩かせると、続くカブレラにはセンター前へ弾き返された。ゲレロをサードへのファールフライに打ち取った後、クインランに対しては0−2とボールが先行し、この間に二盗を許して、一塁が空いた為に敬遠を指示され、一死満塁の大ピンチ。しかし、ここからが逆境に強い桑田の真骨頂。敬遠を指示された際に投げた2球のボールに「感覚を取り戻そうと、凄く集中した」と、フォームや制球をアジャストさせた桑田は「コーナーは取ってくれないから、スピードの変化しかない」と、奥行きを使った揺さぶりでケンドリックをあっさり2−0と追い込み、最後はツーシームで空振りの三球三振。続くモラレスも低めに決まるカーブでセカンドゴロに打ち取り、見事にピンチを切り抜けた。続く8回も簡単に二死を取り、お役御免。敬遠のボールすら無駄にしない仕事人ぶりを見せつけ、5試合連続の無失点投球だ。盟友の破戒僧・清原が左膝の検査の為、渡米したばかりだが、桑田の投球に励まされたと言う破戒僧・清原に対して、桑田は「青春時代の楽しい時、辛い時を共に過ごした仲間。僕が頑張ってる限り、彼は大丈夫。苦しんでいると思うが、いい方向に進んでいて貰いたい。とにかくもう一度だけ背に立つ姿を見たい。頑張って欲しい」と熱いエールを送った。ところで、桑田のカーブは虹の様な軌道を描くとして「レインボーボール」→「レインボール」と呼ばれていた筈だが、地元紙ピッツバーグ・ポストガゼットのデジャン・コパセビック記者が「どう見てもあれは普通のカーブじゃない。鈴木一朗が三振した特別な球。名前が必要だ」として、何を血迷ったか「スシ・ボール」などと命名。26日付の紙面で特集記事を組み、これを発表する意向を示したとか…。アメリカ人の日本人に対するこういう発想は何とかならんものか…。寿司とあのカーブの関連性が一体どこにあるのやら…。「レインボール」だと「虹球」ではなく「雨球」じゃないのか?といつもひっかかるので、普通に「レインボーカーブ」とかでいいと思うのだがなぁ…。あるいは「レインボースパークボール」でも可…って、童夢くんか!

桑田真澄―ピッチャーズバイブル18

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June 24, 2007 10:04

 96年、右肘のリハビリ中に訪れた思い出の地・アナハイムのエンゼルスタジアムで桑田がメジャー初となる連投。4−0とエンゼルスをリードしていたパイレーツだが、6回、先発・デュークが一発を浴び、なおも、一死一、二塁のピンチを迎えた所で桑田にお呼びがかかった。「まさかここでメジャーの選手として投げられるとは想像もつかなかった」と感激もひとしおの桑田はまずケンドリックをインハイの直球でレフトフライに仕留めると、続くヒレンブランドは得意のカーブで空振り三振に斬って取り、僅か7球でこのピンチを脱出。4戦連続無失点で2個目のホールドをマークした。試合は3番手以降が捕まり、延長の末、サヨナラ負けを喫したが、「1点を取られた後で流れを切りたい所。1点もやれない場面でいい結果を出せた」と自分の仕事をきっちり果たした桑田は満足気。この日の試合前、ミミズ食い男として名を馳せた元ヤクルトのハドラーと再会。エンゼルスの専属解説者を務めているハドラーは「あのカーブがあれば、メジャーでもやっていける。巨人戦は桑田のカーブと斎藤雅のスライダーが苦手で、2人が投げる時はノムさんに『休ませてくれ』とお願いしたくらいだ」とジョークを交えつつ、桑田のカーブにお墨付きを与えた。ハドラーの評価がどれほどアテになるかはともかくとして、この日の桑田の投球に対し、トレーシー監督は「取った2つのアウトは大きかった。(抑えのキャップスの出場停止処分が解けたが)桑田を重要な場面で使っていく事に変わりはない」と大きな信頼を寄せている。

投手・桑田真澄の青春

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June 23, 2007 10:08

 桑田が前回に続いて、マリナーズ戦に中継ぎ登板。0−3と3点ビハインドで迎えた6回、2番手としてマウンドに上がった桑田はまずは先頭のベルトレからメジャー初の空振り三振を奪うと、続くセクソンも簡単に2−0と追い込んだ末にショートゴロに打ち取る。ピドロにはショートへの内野安打を許したものの、続きベタンコートは低めに集める丁寧な投球でまたも空振り三振。そして、2イニング目となった7回、前回はお預けとなった鈴木一朗とのメジャー初対決がいよいよ実現。95年のオープン戦以来、実に12年ぶりの対戦だ。「色々駆使しないと打ち取れないですよ。一番いいバッターだから」と鈴木一朗を警戒する桑田は、幸いにも6回を9番で終わらせた事により、7回の攻撃中に捕手のドーミットと配球の打ち合わせを済ませ、ポンポンと小気味良く投げ込んだ。初球は内角高めのボールで体を起こすと、2球目はチェンジアップを対角線上の外角低めに決める。3球目はきわどく内に外れるスライダーで空振りを奪い、2−1と追い込むと、4球目は得意のカーブを外角低めへ。大きく緩急をつけられた鈴木一朗はボールコースに外れるこの球に振らされ、そのバットは空を切った。「(前回は抑えて欲しいと言う気持ちがどこかにあったが)打ち取って頂こうなんて全く思っていない。打つ気満々でいった」と感傷を捨てて勝負に臨んだ鈴木一朗だが、巧みなコーナーワークに翻弄され、ボール球を立て続けに振らされての完敗。「参りました。どのボールにも意図がある。それは感じました。昔の(全盛期の)自分ではない受け入れている。それはなかなか出来る事ではない」と、桑田の投球に脱帽した。桑田はこの後、ロペスを外角低めのスライダーで見逃し三振に斬ってとり、これで3者連続三振。そして、続くイパネスをピッチャーゴロに仕留めて、2回を4三振無失点の好投でお役御免。全26球中21球がストライクと、「ストライク・スローイングマシーン」の異名に恥じない素晴らしい制球力だった。コルボーン投手コーチも「今後、投球機会は増えていくだろう」と桑田の評価は高まる一方で、状況次第では先発登板のチャンスもあるのではないかと囁かれているとの事だ。

こぼれ落ちた一球―桑田真澄、明日へのダイビング

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June 21, 2007 06:43

 日を追う毎に評価を上げている桑田が鈴木一朗,J.マッケンジーらを擁するマリナーズ戦でメジャー3度目の登板。敗戦処理的な登板が続いていたが、信頼を高めたおかげで、この日は2点リードで迎えた8回二死一、二塁のピンチと言う重要な場面でのマウンドとなった。前触れもなく、いきなり登板指令を受けながらも、ピンチでの起用に意気に感じた桑田は代打・ブロサードと対峙。ネクストバッターズサークルにいる鈴木一朗から「立っているだけでも重圧を感じる。見えない力で攻撃してるんだな。それで崩れる投手もいるんだな、と考えながら投げていた」とプレッシャーを感じつつも、得意のコーナーワークで揺さぶりをかけると、4球目のツーシームでファーストゴロに仕留め、見事にピンチを脱出。日米通じて初のホールドをマークした。これを間近に見ていた鈴木一朗は「桑田さんがブルペンから走ってきた時、いいもんだなと思いました。僕らは勝つ為にあそこで打たないといけなかったですけど、どこかで抑えて欲しいと言う気持ちがあった。あの場面で丁寧に投げるのは当然でしょうけど、周りにいる人はたくさん学ぶ事があるでしょう」とコメント。自分の仕事にクールに徹する鈴木一朗をして、勝敗を越えた想いを抱かせる桑田のプレーはやはり熱い。トレーシー監督も「キーポイントの場面でいい仕事をしてくれた。制球力には完全に自信を持っているね」と、セットアッパーとしての仕事を果たした桑田に高い評価を下しており、今後も大事な場面での起用が増えそうだ。

桑田真澄―ピッチャーズバイブル18

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June 16, 2007 07:04

 悲願のメジャーデビューを果たした桑田がレンジャース戦で3番手として2度目のマウンドに上がった。クローザーとしての起用も噂されながら、この日は0−6での9回と言う敗戦処理ではあったが、「子どもの頃は、勝ってても負けてても出番が来たら嬉しい。『よし、俺の出番だ』と言う気持ちだった」と言う桑田は見事、三者凡退に斬って取る好投を展開。11球中9球がストライクで、2球のボールのうち1つは意図的に外した球と、持ち味の制球力の高さをまざまざと見せつけられたトレーシー監督は「素晴らしい仕事。ピンポイントの制球力だった。ストライク・スローイングマシンだ」と絶賛した。桑田の制球力に対する高評価を見る度に、3球連続ど真ん中へ投げ込む事など地区大会レベルの高校生ですら容易く出来るかの様に描く水島ワールドがいかに非現実的かを思い知らされる。
 桑田は投げるだけでなく、バッティング,フィールディングでも高い評価を受け、若手の生きた手本として敬意を表されていると言う。3AではDH制だった為、バットを握る事はなかったが、昇格後、初のバント練習では巧みなバントを次々に決め、バッティングコーチからは「(バント)チャンピオン」の称号も貰った。巨人時代も世界に君臨するバントの神様・川相を除けば、投手ながらチームで最もバントの上手かった男なのだから、このくらいは当然だろう。桑田の走攻守に渡る総合力の高さ,センスの高さは海を渡っても健在。今後も投げるだけでなく、様々なプレーで魅了して欲しいものだ。

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June 11, 2007 23:18

 実質上、巨人に捨てられ、分をわきまえない悪の温床・楽天にまで無体な言われようで突っぱねられ、日本球界に居場所を失った事で、海を渡り、かねてよりの夢に邁進する事となった桑田がついに悲願のメジャー初登板を果たした。39歳2ヶ月でのデビューは勿論、日本人最年長だ。審判3人制と言う人外魔境ルールにより、三塁のバックアップに行ったら、主審に激突すると言う訳の分からない事故に巻き込まれ、開幕メジャーを逃した桑田。しかし、これはメジャーデビューを背番号「18」で飾る為にもたらした神のいたずらだったのか!? しかも、相手はかつての盟友・今夜の松井さん擁するヤンキースときたもんだ…。
 2点ビハインドで迎えた5回裏からリリーフ登板した桑田は持ち味のコーナーワークが冴えて、三者凡退に斬って取る上々の滑り出し。続投となった6回も簡単に二死を取ったが、ここでアブレイユを歩かせ、初の走者を許すと、ロドリゲスには甘く入ったスライダーをライトスタンドに放り込まれ、2失点。そして、ファン待望の今夜の松井さんとの対決は意識し過ぎたのか、ストレートの四球と拍子抜けの結果となったが、続くカノーを打ち取って、ここでお役御免。記念すべき初登板は2回1安打2四球2失点と言う内容に終わった。
 手放しで誉められる内容ではなかったが、ケガをする以前から、とうに限界でメジャーなど無理だと叩かれ、ましてやケガをした際にはこれで選手生命は終わったとまで言われた事を考えれば、僅か2ヶ月でここまで這い上がってきた桑田の逆境パワーには感服するしかない。「85マイルでも成功した投手はいる。コントロールが大事。20年の経験があるし、やるべき事は分かっている」(トレーシー監督),「急な昇格で「なかなか話す機会がなかったが、相手の情報があればもっと良くなる」(コルボーン投手コーチ)と首脳陣も桑田の投球に手応えを感じており、以降も積極的に起用されると見て良さそうだ。今後の桑田の活躍に大いに期待したい。

投手・桑田真澄の青春
オールド・ルーキー 特別版

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March 27, 2007 07:10

 基本的に国外亡命組…いわゆる日本人メジャーと呼ばれる面々に対する日本マスコミの対応に非常に不満がある事もあって、彼らに対する報道は無関心に近い淡泊な目で見ているのだが、この男=桑田真澄だけは別だ。茂雄の陰謀に対して、反旗を翻した造反五人衆も昨年、名手・川相が世界一の技術に全く衰えを見せていないにも拘わらず、大いに余力を残しながら、理不尽にも引退に追い込まれた事により、最早、桑田を残すのみとなった。造反五人衆最後の一角と言うよりも、最後の藤田チルドレンと言った方が健全だろうか。あのチーム力でありながら、獲得を拒否すると言う悪の温床・楽天の血迷った方針により、日本での行き場を失い、かねてからの夢であり最後の希望であるメジャーに全てを懸けた桑田。亡命したからと言って…、いや、亡命したからこそ、最も好きな投手であるこの男を応援せずにいられようか。
 その桑田がこの日、ブルージェイズ戦で5度目のオープン戦登板に臨んだ。表面的な数字では桑田を上回る選手が次々とマイナー落ちしていく中、日本での素晴らしい実績と経験に加え、精密な制球,巧みな投球術,華麗な守備が評価されて、ここまで残っていた桑田にとって、開幕メジャー・最後の1枠を懸けたラストチャンスだ。ここまで全て中継ぎ登板の桑田はこの日も7回から2番手としてマウンドへ。まずは三者凡退で抑える好投を見せたが、悪夢は続く8回に起きた。一死から四球を出した桑田は次打者にセンター前へ弾き返される。センターからの好返球で一気に三塁を狙った一塁走者は刺されたものの、この際、素晴らしい動きで三塁のバックアップに走った桑田はあろう事か球審と激突して転倒すると、右足首を捻って、担架で運ばれる事となったのだ。病院でX線検査を受けた結果、骨には異常がないものの、3段階のうち最も重いとされる「グレード3」の捻挫と診断され、開幕メジャーは絶望的…。あのアクシデントがなければ、2回無失点で切り抜けた可能性も十分にあっただけに、何とも悔やまれる激突だった。
 まったく何だってあんな所に「球審」がいるんだよ!と思わずにはいられない。オープン戦と言えども、通常は審判4人制で行われるのだが、よりにもよって、この日は3人制でやっていたと言うのだから、何と不運な事か…。しかも、この審判118kgと無駄に巨漢。約30kgの体格差で桑田は重傷。審判は全くの無傷だったとは皮肉な限り…(天罰か、この後、この審判はファウルチップで骨折する事になるのだが…)。巨人での晩年も桑田は捻挫の所為でいい流れを自ら断ち切ってしまう事が度々あった訳だが、渡米してから、これで早くも2度目の捻挫(靱帯断裂らしい)。これも茂雄の呪いなんじゃないかと思いたくなるツキのなさだ。だが、開幕メジャーがならなかったからと言って全てが終わった訳ではない。シーズン途中でのメジャー昇格を目指して、マイナーで結果を出し続ける事を期待したい。ここで諦める様な桑田では決してない筈だ。きっと這い上がってくる。そう信じたい。その為にも、まずは足を完治させる事に専念して欲しいものだ。もう開幕に合わせて焦る必要はなくなったのだから…。

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October 11, 2006 21:13

 巨人を退団する事が確実視されている桑田だが、移籍先として大本命視されていた悪の温床・楽天が何と桑田獲得に乗り出さないらしい。米田球団代表は「桑田はないよ。育成していく方が大事。何でもかんでも悪の温床・楽天じゃ困る」などとほたえ出したのだ。育成していく事が大事ならばこそ、桑田の様な人材を確保しておく事は重要だと思うのだが…。幹部候補生としてのパイプを形成しておく事も若い球団である悪の温床・楽天には損はない筈だ。「何でもかんでも悪の温床・楽天じゃ困る」の言い分は分からないでもないが、桑田は「何でもかんでも」に含まれる様なただのロートルではないだろうに…。所詮、この球団は悪の温床に過ぎないのか…。この調子では、川相が落合監督の幽閉策に耐えかねて退団する様な事になっても、ここのフロントはまた同じ様な物言いで動かないんだろうな…。くじ運と助っ人だけでチームを浮上させようなんて甘いんじゃ! 「プロ中のプロ。選手の鑑になってくれる」と評して、ドラフト1巡目で獲得した田中(駒大苫小牧)の教育係として任命する様な事をぬかしていたノムさんも「あれはリップサービス」などと発言を翻したのにも幻滅させられた。リップサービスどころか、単に桑田ファンの心情を逆撫でしただけではないか。それにしても、よりにもよって、本拠地ラストゲームでの登板を辞退し、桑田が完全に退路を断ってしまった当日と言うタイミングでこういう動きを見せるかね? チームを出ていこうとする桑田に対して、移籍阻止で引退に追い込むべく、巨人から根回しがあったんじゃないかと言う疑惑もある様だが…。某週刊誌では桑田の移籍先の本命は実は横浜であると言った事が書かれていたが、今の所、スポーツ新聞ではそういう類の報道が全くされておらず、信憑性は何とも微妙な所だ。果たして、国内に受け皿となるチームは現れるのか? メジャー挑戦で日米200勝を目指すのか? 幾ら何でも後者は厳し過ぎると思うのだが…。

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September 25, 2006 21:19

 ジャイアンツ球場にて、巨人でのラスト(?)登板を終えた桑田。HPであの様なコメントを残したその真意はどこにあったのか?

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「今年6月から2軍でスタンバイしていて、登板がないと言う事は、チームの戦力じゃないと言う判断を自分でしました。来年も難しいですし、恐らく(巨人での登板は)最後になるだろうと…。ファンには伝えなくてはいけない義務がありますし、全試合が終わった後だったら、申し訳ないと言う事で今年試合で投げるのは最後だとアナウンスさせて頂いた」

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 果たして、HPに桑田のコメント掲載を最終的に許可したのが清武代表なのかは不明だが、とりあえず、現場はともかくとして、フロントとの話し合いの上で、桑田は来季の戦力外である事を匂わされていたのはほぼ間違いない。日程的に二軍での登板は間違いなく今回が最後な訳だが、移籍してでも現役を続けたいと言う意向がある以上、引退試合をやる理由もなく、となれば、一軍での最後のお披露目の機会を貰える保証はない。となれば、今回が巨人のユニフォームを着てのラスト登板となる可能性は大いにあった訳だ。若大将に一言もなかったのは問題だとは思う。借金問題の事もあり、桑田のやった事は義理を欠くと言う声も多いが、先走った行動であったにせよ、本当にこれがラスト登板となるならば、ファンとしてはとても有難かった。「終わった後だったら申し訳ない」と言うのは正に、その通りで、あのメッセージがなければ、私もジャイアンツ球場に急遽向かう様な事はなかっただろうし…。

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 「(球団とは)喧嘩したとか、嫌になったとかじゃない。言葉じゃ言い尽くせない程、感謝の気持ちで一杯です。子供の頃から好きで、ジャイアンツに入りたくて野球を頑張ってきた。21年間お世話になって、育てて頂き、感謝している」

  「原監督には原監督なりの野球観があるし、自分の野球を貫く事は大事だし、誰も悪い人はいない。ただ、原監督の野球に自分はそぐわなかったのかな、と言う思いはある。まだまだ元気なので必要とされる所で行くべきだと自分で思うう」

  「今後の事は白紙なので、球団の皆さんと相談させて頂いて決めていきたいと思う。(巨人で戦力と考えて貰えるなら)喜んで(プレー)させて頂きます。でも、今年3〜4か月待っても、声が掛からなかった訳だから、恐らく戦力には入っていないと思う」

  「ジャイアンツの18番を汚さない様に自分を鼓舞してきたし、精一杯頑張ってきた。ベストを尽くして18番を守って来られたと思うし、後悔はない」

  「(あと27勝と迫る200勝については)目標に向かって努力していく姿勢が男の美学だと思う。達成出来なくて辞める可能性もあるかもしれないが、僕はそのプロセスを大事にしている。今までそうやって生きてきた。今後どうするかは、これからよく考えたい」

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 これを見る限り、100%退団な訳ではなく、一応、移籍,引退以外に、残留のカードも持ち合わせている様だ。と言っても、今年の扱いを見る限り、巨人が桑田を現役選手として契約してくれる可能性は限りなく低いと見ていい。若大将の事は表向き批判はしていないものの、暗に起用法に不満を漏らして確執を生んでしまった感もある訳で、やはり、桑田の残留は難しいだろう。一方、リップサービスや建て前ではなく、入団時から語っている200勝へのこだわりは今なお全く薄れていない事が分かる。桑田自身、恐らく、それが至難の業である事は自覚しているだろうが、可能性はゼロではない。しかし、諦めたら、可能性はゼロになってしまう。心が折れていない以上、200勝へ近付く為に足掻けるだけ足掻きたいと言う姿勢を見せてくれた事は、個人的にはとても嬉しかった。ノムさん曰く、選手の引き際には「野村型」と「茂雄型」があるらしい。余力を残し、惜しまれつつ引退するのが「茂雄型」、全ての球団からいらないと言われない限り、ボロボロになるまで現役を続けるのが「野村型」。桑田は「野村型」の道を歩もうとしいる。言うまでもなく、私も「野村型」の方に好感を抱くクチである(巨人退団時に見事な「野村型」っぷりを見せてくれた川相にも、落合監督の幽閉策に屈したりせずに、とことん「野村型」であり続けて欲しいものである)。さて、巨人を退団した場合、一体移籍先はどこになるのか?

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【中日】
落合監督は「それ(HPでコメントした事)、ちょっとおかしいんじゃない? そういう事は球団と話をして決める物。第三者は何とも言えない。やりたいようにさせてあげるのがいいんじゃないか?」と、名手・川相を理不尽に飼い殺している茂雄の様な真似をしているだけに、川相と同じく元・造反五人衆の一角・桑田にかける温情など微塵もなかった。井手編成担当も「名前も挙がっていないし、考えた事もない」と、全くノーマークの模様。

【阪神】
沼沢球団代表は「今の所、全く関心はない」とコメント。岡田監督は「二軍で投げたんやろ。現役続行? フフ…」と小馬鹿にした態度。現役時代から桑田を目の敵にしている岡田監督が指揮を執っている以上、獲得に動く可能性は皆無と見ていいだろう。

【ソフトバンク】
角田球団代表は「ウチは100%ない。若いチーム作りをめざしているし、絶対にない」と完全否定。100%ないと言われてしまった以上、可能性はゼロだ。

【日本ハム】
巨人OBの高田GMは「実績、練習態度や知識、そして故障からの復帰への努力などどれを取っても申し分ないと思うが、日本ハムの投手陣は若手中心だから…」と、桑田の実績を讃えながらも、獲得には消極的な態度。ヒルマン監督も「個人的に知らないし、思う所は特にない」と、日本球界に造詣のない外国人監督らしく、日本球界屈指の大投手に対して、淡々とコメント。

【偽バファローズ】
2年ぶりのKKコンビ復活が期待される偽バファローズだが、小泉球団代表は「(退団が)正式なものじゃないのでコメントのしようがない」とお茶を濁したが、球団内ではここ2年で1勝しかしていない為に期待度は低く、今回の行動に疑問符をつける関係者も多いとの事で獲得に動く可能性は低いとの事。

【ドジャース】
元巨人の小島スカウトがこの日の二軍登板を視察。タンパリングに抵触する恐れがある為、この日はノーコメントを貫いた。

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 桑田と旧知の間柄である小島氏とは言え、ドジャースから視察が来るとはびっくり。一応、今は日米通算200勝でも名球会入り出来る訳だから、桑田はメジャー行きも選択肢と考えているのだろうか? しかし、獲得に動いてくれるものやら…? 国内球団はどこもかしこも否定的な態度を見せている訳だが、そんな中、唯一、好意的なコメントを残したのは、やはり、あの球団だった。

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【悪の温床・楽天】
ノムさんは「あれだけ野球に理念を持ってるやつはいない。幾らでも必要とする所はある。指導者としても十分な素質がある。辞めるのなら巨人は手放しちゃいけないよ。1年でも2年でも長くやりたいのが選手の気持ち。人生悔いのない様にやって貰いたい」と、自らと同じくボロボロになるまで現役に拘る桑田の心情を理解し、高く評価。球団サイドも、若く未熟なチームにとって模範的な存在になりうる桑田に興味を示していると言う。

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 名手・川相が中日にもたらした様な効果を桑田に期待している部分もある様だ。それは確かにあるだろう。ただ川相と違い、桑田は自分の記録(=200勝)への拘りが強い為、川相程、余裕を持ってチームメイトに構ってはいられるかどうか…。自分の技術や経験を後輩達へ伝える事が自分がそのチームにいた証…と達観するには、まだしばらく時間がかかるやも…。ただ、現段階でも巨人の若手投手陣の桑田への信奉ぶりは、桑田のプロとしての姿勢が紛れもなく糧になる事を示している訳だから、いらぬ心配か…。個人的には悪の温床・楽天と言う球団にいい印象を抱いていないので、複雑な気分ではあるが、唯一、手を差し伸べてくれるのがここだとすれば、行ってくれと言うしかない。ノムさんと桑田のタッグと言うのは、ちょっと興味深くもあるし…。心配なのは、ノムさんがボン野村の育成を桑田に委ねようとして、桑田登板時にはボン野村にばかりマスクを被らせる事だなぁ。ただでさえ、悪の温床・楽天であと27勝なんて途方もない道程なんだから、それは勘弁願いたい…。

桑田真澄―ピッチャーズバイブル18

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September 24, 2006 22:46

昨日の桑田の衝撃のコメントが公開され、イースタンとは言え、桑田が巨人のユニフォームを着て投げる最後の試合になるかもしれないと言う事で急遽、ジャイアンツ球場へ向かう事に。ジャイアンツ球場のキャパシティは2000席ちょっとの為、悠長にはしていられないと、10時開場へ向けて出発するも、小田急の各停など日頃乗り慣れない事もあって、ちょっと油断している隙に向ヶ丘遊園まで行ってしまう不覚。急いで戻ろうにも、通過するわ、急行が来るわと、一向に各停が来ず、イライラさせられたが、そんなチョンボを犯しながらも、無事入場する事に成功。一塁側スタンドはほぼ埋まっていたものの、バックネット裏の真ん中辺りと言うそこそこの位置をゲットする。さて、ここから試合開始までは3時間弱。炎天下、全く日陰がない為、これはキツかった。巨人の練習は見られたものの、別メニューの桑田はなかなかグラウンドには現れない。

060924辻内
球拾い要員の辻内。早く上に上がってきてくれ〜。

そうこうしているうちに、フレッシュオールスターの時しか見る機会のない社会人っぽいユニフォームのチームの練習が始まってしまう。取材なのか、はたまた例によって職権濫用のプライベートトークなのか、徳光氏がマンツーマンで桑田にくっついていたらしいの報が入ったが、まぁ、それはさておき、試合開始30分程前になって、ようやく姿を見せた桑田に対して、スタンドは盛大な「桑田コール」と拍手で出迎えた。巨人は桑田−村田と言う豪華バッテリー。また湘南の先発は吉見であり、桑田 vs 吉見と言うイースタンにしては贅沢な顔ぶれの対決となった。この頃にはスタンドは超満員。何とジャイアンツ球場史上最多となる3495人(+入場出来ずに球場外から強引に観戦していた人多数)が集まったそうだ。

060924スコアボード1060924スコアボード2
三浦が4番かよ!

いよいよ試合開始。先頭の野中にグラブを弾かれる強襲内野安打を浴びるも、二盗を仕掛けた野中を村田が刺して、桑田を盛り上げる。続いて打席に入ったのはPLの後輩・田中一。スタンドからは「先輩を立てろよ〜!」と野次が飛び、笑いが起きる。その野次に応えた訳ではなかろうが、田中一はセカンドゴロ。更に、3番・桑原は鋭く落ちるカーブで空振り三振に斬って取る上々の立ち上がりを見せた。

060924桑田01
相変わらず、カッコいい桑田のワインドアップ

すると、その裏、亀井がいきなりライトスタンドへ先頭打者アーチ。攻守に渡ってチーム一丸で苦保田を盛り上げている…と思えたのは、残念ながらここまでであった。続く2回、桑田は一死から内藤にライト前へ弾き返されてしまう。続く北川をファーストゴロに打ち取ると、素晴らしいダッシュで一塁ベースへカバーリング。流石、フィールディングのキレの良さは一向に衰えを感じさせない。しかし、続く石川にセンター前へ痛打される。三塁止まりかと思われた内藤は一気に本塁へ突入。刺せるかと思われたが、センター・三浦の捕球から送球までの動きがワンテンポ遅れてしまい、間一髪、生還を許し、試合は振り出しに。

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2回、石川に同点タイムリーを許すが、後続をきっちり断ちきる

3回、桑田は吉見を軽く三振に斬って取ると、野中をセカンドゴロ。そして、またしても「先輩を立てろよ〜」と野次を飛ばされてしまった田中一をファーストゴロに打ち取って、この回も無失点に抑え、颯爽とベンチへ引き上げてくる。

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帽子を取って声援に応える桑田(嘘)。実は、単に汗拭いてるだけ…

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3回を三者凡退に仕留めて、ベンチへ戻ってくる桑田

この辺りからスタンドのムードが殺気立ち始める。イースタンリーグと言う事で桑田が何イニング投げる予定なのか観客には全く想像がつかないからだ。しかも、前日の桑田のコメントでは「短いイニングだが」とあったし…。村田の打席でネクストバッターズサークルになかなか桑田が現れない。打順が回ってくるこの回で代打を出されてしまうのでは…!?と言う不安に駆られながら、桑田コールが巻き起こる。観客の視線は一塁ベンチに集中し、全く見て貰えない村田が何だか可哀想だった。しかし、その不安は杞憂に終わり、桑田がヘルメットを被って姿を現すと、またまた歓声が巻き起こる。皆、桑田に続投して欲しいだけでなく、桑田のバッティングも堪能したい様子だ。お馴染みバットを極端に短く持ち、食らい付く様なスイングを見せた桑田だが、残念ながら空振り三振。だが、スタンドは桑田のバッティングが見られて大満足だ。

060924桑田04060924桑田05060924桑田06
コンパクトなスイングで食らい付くも、無念にもバットは空を切る

4回のマウンドに上がった桑田は桑原,小田嶋,内藤のクリーンアップを全て内野ゴロに仕留める持ち前の巧みなピッチングを展開。5回には一転して、全て凡フライを打ち上げさせるなど、絶妙のコーナーワークが光った。

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4,5回ときっちり3人で仕留める桑田。絶妙のコーナーワークが冴える

5回裏に入り、再びスタンドがざわめき始める。まだ同点ではあるが先発投手として最低限の責任投球回数を投げきった事で、この回限りで交代してしまうのでは?と言う不安からだ。この回、2人出れば桑田に回ってくる。続投しない事になっているなら、打席が回ってきたとしても、代打を送られる可能性は高いと見るのが普通なのだが、とにかく桑田のプレイをまだ見たいと言う気持ちから、何としても桑田に回せと言う雰囲気に包まれる。そんな中、先頭の山本が四球で出るも、続く元・川相幽閉策刺客の長田がセカンドゴロゲッツーに倒れる最悪の展開。悲鳴にも似た声があがり、長田には罵声が飛び交った。続く黒田も倒れて、結局、三者凡退。果たして、桑田は6回のマウンドに上がるのか!?と言う所でグラウンド整備が開始し、散々じらされたものの、桑田は6回もマウンドに立った。野中のピッチャーゴロを軽快なフットワークで捌くなど、華麗なフィールディングで観客を魅了した。

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6回、野中をピッチャーゴロに仕留める。華麗なフットワークは今なお健在

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6回を終わって、3安打無四球の1失点。ここで交代しておけば…

その裏、またまたスタンドにざわめきが起こる。村田の打席にまたもやなかなか桑田が姿を現さないからだ。今度こそ代打を送られてしまうのか!? 2打席続けて全く見て貰えない村田が実に可哀想。しかし、桑田は再びヘルメットを被って登場。完全にシカトぶっこかれた村田がセンターフライに倒れた後、大歓声に迎えられながら打席に入った桑田だが、久しく一軍投手の生きた球を打っていない影響はやはり大きいのか、ここも無念の空振り三振に倒れてしまう。

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再び打席に入った桑田だが、無念の2打席連続三振

6回まで3安打無四球の1失点と言う桑田。ここまでは文句なしの好投だ。元々は3回で降板する予定だったらしいが、観客の続投を熱望する空気に吉村監督が気を利かせてくれたのか、7回表も桑田はマウンドへ駆け上がった。しかし、この回に悪夢が訪れる。いきなり桑原,小田嶋と連打を浴びると、続く内藤にはツーストライクまで追い込みながら、最後にバントを決められ、一死二、三塁の大ピンチ。ここで石川にレフト線へ走者一掃のタイムリー二塁打を浴びて、ついに勝ち越し点を献上。ここで内野陣が桑田の元に集まり、香田投手コーチもマウンドへ。

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7回についに捕まった桑田。マウンド上にナインが集まり、檄を飛ばす

ここは続投となったものの、二死後、武山,代打・田中充と連続二塁打を浴びる火だるま状態。悲壮感漂う桑田の投球にたまりかねたスタンドは「桑田コール」を大絶唱。ここで野中に初の四球を与えてしまったが、続く田中一を打ち取り、ようやくスリーアウト(序盤であまりにも田中一がPLの後輩である事が強調されたモンだから、こういう所で田中一で終わるのは何だか複雑な気分だ)。後の報道によると、この回、桑田は中指のマメを潰していたらしい。

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 7回、悪夢の4失点。これが桑田の巨人での最後の1球になるのか?

初回の亀井の先頭打者アーチ以降、全くヒットが出ない巨人。何とか桑田の黒星を消したい所だったが、その裏の攻撃も山本に久々のヒットが出たものの、得点に結びつける事は出来なかった。そして迎えた8回、「桑田を完投させろ!」と言うスタンドの声も虚しく、入団前かに名手・川相を信奉していたナイスガイ・真田がマウンドに上がり、ついに桑田は降板となってしまった。

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8回、2番手として真田がコールされた瞬間、悲鳴が起こる

9回に梅田に一発が飛び出したものの、時既に遅し。いかんせん3安打では勝ちようもなかった。試合後30分以上してから、桑田は握手会を行ったそうなのだが、そこに至るまで一向にそういうアクションを起こす気配がなかった為、私は不覚にも撤収してしまっていたのだった。無念…。

PS.この日の桑田の会見や今後の動向に関する話は、また明日…。

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September 23, 2006 18:49

 巨人の公式サイトに掲載されている桑田のエッセイコーナーから、この日、こんなコメントが公開された。

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友へ

今年は、たくさん話をするつもりだったけど、全くできなくて本当に申し訳ないね。
2月に、人生の師、藤田さんが他界され、直ぐに祖母ともお別れをしなければいけなくなった。
別れが多い1年かもしれないね。

このページも、2000年から続けてきたけれど、今年でお別れになると思うし、
何より、明日、ジャイアンツのユニホームでマウンドに立つのは、おそらく最後になるだろう。
21年間、大きく育てていただいた、ジャイアンツに心より感謝している。
明日は、短いイニングだけど、友への感謝の気持ちを胸に投げたいと思う。

桑田真澄のたった一度の野球人生を、大切に、そして誠実に生きたい。

長い間、ありがとう

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 ここまで直接的な内容である以上、桑田は今季限りで巨人を去る意向なのだろう。来季も現役続行の意向を示していたし、その為なら移籍も辞さない覚悟も明らかにしていたから、この結果にはさほどに驚いてはいない(時期的に早いかなとは思ったが)。桑田と言えば、ここ数年の不振がありながら、それに見合わない破格の年俸を貰えたりして、例の借金問題がまだ続いている事を匂わせていたのだが、その件はどうなったのだろう? このコメントの公式サイト掲載は清武代表が容認したらしい。一軍の試合後の取材で清武代表は「彼らしい悩みが書かれている。今シーズンで最後になるかもしれないという気持ち、それが高じて書いたのではないか。それ以上でも、それ以下でもない。(エッセイのタイトルに「お別れ」と書いた事については)そうは思わない」などと、お茶を濁した様が、あんなコメントの掲載を許しておいて、お別れとは思わない…とか言われてもなぁ…。来年も契約する気なら、掲載許可なんてしないだろ、普通…。若大将も試合が終わるまで知らなかったらしい。こんな重大事を知りながら、監督に伝えないなんてどうかしている。まぁ、桑田も監督には一言あっても良かったんじゃないかとは思うが…。まだ戦力外通告を受けた訳でないのかもしれないが、来季、選手としての残留を許して貰えない雰囲気を感じ取ったのか、今季最後の登板になりかねない明日を控えて、先んじて意思表明せずにはいられなかったのだろう。とにもかくにも、桑田は紛れもなく功労者である。巨人での最後の試合をイースタンリーグで済ませる様な事は断じてあってはならない。若大将は長年、共に戦ってきた戦友なのだし、消化試合であれ、何とか一軍登板の機会を設けてやれないものか? 
 ともあれ、川相の時と同様に、巨人から出る事により、出場機会の増加に繋がるならば、それは歓迎すべき展開である。桑田にはまだまだ現役でやって貰いたい。正直、200勝達成は難しい様に思うのだが、桑田のフィールディング,バッティングにはまだまだ光るものを感じる(ピッチングは?)。今年だって、野手としてなら桑田は十二分に戦力になったと思うんだが…。あながち冗談ではなく…。まぁ、桑田は投手としてのプライドを重んじているだろうから、野手専念で結果が出せる自信があっても、野手転向なんて事はしないだろうけどさ。さて、移籍するとして、果たして、それはどこになるのかね? やはり、戦力的に考えても、悪の温床・楽天が本命だろうか。偽バファローズで破戒僧・清原と再び同僚になる可能性もあるか? セ・リーグだと、どうも候補が見当たらないなぁ。個人的にはノムさん率いる悪の温床・楽天へ川相と共に移籍する展開が熱いのだが…。

…とか書いてたんだけど、まさか移籍じゃなくて引退なんて事は…ないよね? まだ引退は早いぞ、桑田!

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April 27, 2006 19:25

 600日ぶりの白星をあげた試合で右足首を捻挫すると言う間の悪さで二軍に落ちていた桑田だが、捻挫も癒え、復活の先発登板。前回、白星を飾った広島相手とは言え、黒田が先発とあって、そうそう点をやれない展開となる事は予想出来た。初回、いきなり先頭の東出に痛打されるも、続く森笠をきっちりゲッツーに仕留める巧みな投球は健在で、嶋も打ち取って3人で攻撃終了と上々の立ち上がり。しかし、2回に早くも悪夢が訪れる。先頭の新井にレフト前へ弾き返されると、続く求道者・前田にライトスタンドへ2ランを叩き込まれて、先制点を献上。更に、二死後、打撃不振の梵にプロ初アーチを許してしまう失態でこの回、3失点。続く3回には東出,森笠と連打を許すと、嶋にライト線へタイムリー二塁打を浴びた所で、無念のKO。この後、2番手・野間口が桑田の溜めた走者をしっかり全員生還させてくれたおかげで、桑田の自責点は大量6点にも上ってしまった。今回は制球に苦しんだ訳でもないが、変化球のキレが甘かった印象で、広島打線に悉く捉えられてしまった感じ。背信投球が続くと、いつ落とされるか分からない訳で、次回は巻き返しを大いに期待したい。

桑田真澄―ピッチャーズバイブル18

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April 14, 2006 23:59

 600日ぶりの白星をマークした桑田だが、翌日、一軍選手登録を抹消されてしまった。どうやら、ベースカバーに入った際に右足首を捻挫していたらしい(報知は走塁に際に…と書いてあるけど、どっちが本当?)。成程、5回で早々と降板したのは、下柳戦法ではなくて、こういう訳だったのか………って、そっちの方が余計まずいわ! キャンプから好調を持続していたかと思えば、藤田氏の追悼試合で体調を崩し、初勝利でローテ定着を決定付けたかと思えば、ケガで二軍落ち…。何とも巡り合わせの悪い今季の桑田である。いや、巡り合わせの悪さは白星消されまくってた昨年もそうだったか…。川島チーフトレーナーによると「そんなにかからないと思う」との事で軽症の様だが、休んでいる間に若手にローテを奪われかねない訳で、うかうかとはしていられない。とりあえず、カリメロよりは早く帰ってきてくれ!

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April 13, 2006 20:49

 前回の登板では好投しながら、バックに足を引っ張られ、無念の降板となった桑田が今季2度目の先発登板。初回、一死から一死から求道者・前田に左中間を破られ、いきなりピンチを背負ったものの、落ち着いた投球で新井,嶋を連続三振に仕留めて、見事にピンチ脱出。その裏、李のタイムリーでリードを貰った桑田は2.3回と単打を1本ずつ許したものの、危なげのない投球を展開していたが、4回、嶋に一発を叩き込まれて、ついに同点。何とか桑田に勝たせたい巨人はその裏、矢野,川中のタイムリー二塁打で再び2点を勝ち越し。そして、5回、桑田は簡単に三者凡退に斬ってとり、勝利投手の権利を獲得。まだまだ余力十分に見えた桑田だったが、6回、若大将は何と桑田を下げて、久保にスイッチ。その久保がいきなり求道者・前田に対して、四球。昨年も悪太郎のヘッポコ継投策により、何度となく白星を粉砕されているだけに何とも嫌な予感が漂ったが、久保は続く新井をショートゴロゲッツーに仕留めて、ピンチ脱出。終盤に打線が繋がり、大きくリードを広げ、終わってみれば、9−1のワンサイドゲーム。勿論、勝利投手は桑田だ。実に600日ぶりの白星である。長かった…、実に長かった…。5回降板とはいささか早過ぎて、物足りなさも残るのだが、贅沢は言ってられない。とにかく、桑田には1個の白星が必要だったのだ。この日の桑田はいい投球内容だったし、嫌なイメージを残さずに勝った事で次回の登板にも繋がると期待したい。今季の巨人はリリーフ陣がまずまず安定しているし、昨年の下柳の様な起用法が奏功したりするんだろうか。しかし、夢の対決「川相 vs 桑田」を見る為には、そんなに早く退けられてしまっては困るのだ。中日戦では1回でも長くマウンドに残っていて欲しいものである。とりあえず、これで200勝に一歩近付いたぞ!

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