January 12, 2008 18:17
大差での盗塁が野選に…
今季から点差が大きく開いた場面で選手が盗塁を企て、守備側が全く警戒せず、捕手も送球をしなかった場合、盗塁とは記録されず、野選扱いになるとの事…。また、同じく大差がついた場面で走者がいる際、セーフティバントを仕掛け、アウトになった場合、犠打はつかず、凡打として扱い打数として計算するとの事。これらはメジャーや韓国で採用しており(メジャーは盗塁と記録しないケースはあっても、明文化されていない不文律だった気がするが)、国際基準を意識しているんだとか…。大量点差に関しては、具体的な定義付けはなされていない。規則委員会は「国際試合では7点差がついたら普通、盗塁はしない」などとぬかしているが、昨年のメジャーでは3点差でもこれが適用されたケースもあり、記録員の匙加減一つである模様。
アホくさっ!
個人的には、このルールをプロ野球で適用する事には大反対だ(アマなら何ら問題ないが)。日本とアメリカでは文化が違うんだから、何でもかんでも安易に真似する必要などないのだ。国際基準云々を言うなら、まず使用球を統一しろと言いたい。これは最後まで勝ちに拘る姿勢や、全力プレーを否定しているとも言えるのではないか。野球はサッカーやバスケ等と違い、タイムアップがなく、時間には縛られない。3アウト取られるまでは、何点でも取る事が可能な訳であり、たとえ8回までに109点差つけられても(笑)、9回に一気に逆転勝ちしうるスポーツなのである。逆に言えば、109点差つけても、逆転負けする可能性を秘めている。つまり、本当の意味でのセーフティリードと言うのは、野球には存在しないのだ。流石に、109点差は非現実的であるにしても、1イニングに7点入るケースなど、年に何度も起きているし、2〜3イニングでの7点差逆転なんて今や珍しくもない。サッカーでロスタイムに入った状態で7点差などと言う絶望さとは、訳が違うのだ。となれば、勝っている側が逆転されない様に手を緩めずに点を取りに行く事は至極、当然の事。下手をすれば、立場は入れ替わるのだから、立ち上がる筈もない死者に鞭を打っている訳ではない。昨年、11点差で盗塁した石川に逆ギレした中井美穂の旦那や、7年前に7点差がついた9回の打席で全力疾走した藤井に大ブーイングを浴びせた巨人ベンチなど以ての外で、正に愚の骨頂なのである。この状況で死者に鞭を打つ様な真似をするなとぬかすのは、勝てる可能性が残されているにも拘わらず、勝つ事を放棄した負け犬の戯言でしかない。万一、まかり間違って、勝つ事を放棄した筈のチームが追い上げて、一打逆転の場面を掴んでしまったりした場合、そこでわざと凡退して、勝ちを譲ってくれるのかね? そこまでしてくれるなら、文句を言う資格もあるのかもしれないが、そんな訳はあろう筈もないのである。大体、セットポジションしておきながら、走者完全無視っておかしいだろ。本当に無警戒なら、ワインドアップで投げろっつーの。
たとえ試合を投げようとも、野球は9回の攻撃が終わるまでは続行される。しかも、その間の記録は手を抜いていようがいまいが、しっかり残るのだ。そんな状況での消極的なちんたらプレーの記録が認められて、仮にリスクを伴わない(=失敗しても大局に影響を及ぼさない)状況だからと強引な記録稼ぎに走っているだけだったとしても、積極的な全力プレーの記録が認められないと言うのはおかしいのではないか? また、これ以上点差を広げても意味がないと盗塁を認めなくても、パカパカと二線級投手から打ち続けて、点差を広げる分には全然構わないと言うのも矛盾している気がする。そもそも、客に高い金払わせておきながら、試合を投げる事自体、プロとしては許されない行為ではないか。試合を投げておきながら、意味もなく続けるくらいなら、サッサと放棄しろと…。あるいは、コールドゲーム制でも採用しろと…。無論、9イニングに満たない分の料金は返金だ。
仮に、勝つ事を諦めたとしても、ワンサイドゲームとなった状況でのプレーにもそれなりの意義は持てるものだ。そういう状況だからこそ思い切って試せるプレーや采配と言うものはある。その中には盗塁やセーフティバントも含まれるだろう。日頃、出番の貰えない代打や代走の選手がアピールする場にもなる。負けている方も敗戦処理くらいでしかチャンスのない投手など、こういう機会で結果を残して活路を見出していくもの。クイックや牽制に課題を残す投手やスローイングに不安のある捕手が走者に警戒を強める事にも意味はある筈だ。実戦練習と言う絶好の機会をむざむざ放棄して、盗塁した側に難癖をつけるってのはお門違いだ。長いシーズンでこれ以上、無駄に投手を使いたくないとか言う状況なら、野手を投げさせるのもファンサービスの一貫としてアリではないか。個人記録を稼ぐ事とて、プロ選手のアピールの1つとして間違ってはいないと思う。とにもかくにも、プロは金を貰ってプレーしている事を忘れてはならない。大局が決した状況であっても、最後までファンを楽しませる義務があるのだ。
状況に応じて、記録になるべきものがならないと言うならば、シーズン終盤の敬遠合戦こそ記録として扱うなと言いたい。そう言えば、10年前に小坂とエセネオエセ松井の間で愚劣な盗塁王争いが行われた事があったが、今回のルールが適用されると、逆転可能な点差でも盗塁阻止の為にあえて守備側がシカトする…などと言った手に出る事も考えられそうだ。下手すれば、3点差程度でも適用されるのだから…。逆に、盗塁を稼ぎたい方は大量点差がつきそうになったら、わざと失点して点差を詰めるとか…。実現されたら、まさにみっともない事この上ない展開だ。大差かどうかの判断を求められる記録員も気の毒と言うしかないが、こんなヘタレルールの為に、無駄にモメ事が起きない事を祈るばかりである。盗塁1個につき車椅子1台を寄贈すると言うシャア少佐のボランティア活動も阻害される事になるのか…。
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これ、
大差つけられて負けてる側の、あまり力のない敗戦投手がホームランを打たれても、抑える意志がチーム側になかったので本塁打記録にならない
…くらいのと同等のことを言っている気もします