June 22, 2006 21:36
オーメン
「エミリー・ローズ」を見た際の予告編で戦慄を覚えた「オーメン」のリメイク版を見てきた。6月6日に見たいのはやまやまだったが、いかんせん平日では無理であったよ(今頃、レビューを書いてるが、実際に見たのは10日)。さて、見終わって、まず思った事だが………
最初の予告編が一番怖ぇ〜っ!
以下、多少のネタバレありなので注意。
公開間際の本格的な予告編ではなく、ただダミアンがブランコに乗ってるだけのヤツなんだが、これが本当に怖かった。無表情で黙々とブランコをこいでいたダミアンが突然、カメラ目線になる。うわっ!こっち見るな、ダミアン、怖ぇよ!と、背筋が凍ったものだ。子供の頃に見た所為もあって、「オーメン」は私にとって怖い映画トップ2の一角として長年刷り込まれており、リメイクがオリジナルを越える可能性は極めて低いと思いながらも、あのダミアンを見て、それなりに期待してしまった訳だ。だが、残念ながら、あの予告編の怖さは凌駕出来なかったんだなぁ。ただ、ブランコ乗ってるだけより怖くないなんて、全然怖くないのか…と言うよりは、一体どれだけ怖いんだよ、その予告編は!…と解釈して貰いたい所だが、私が思う「オーメン」の怖さって言うのは、大きい音とか、いきなり何か飛び出してくるとかで脅かす様な、そういう怖さじゃない筈なのだ。視覚,聴覚を刺激してではなく、直接、精神を凍り付かせる怖さと言うか…。いきなり大きな音が鳴るとか、何か飛び出してくるとか、そういうのは「オーメン」的怖がらせ方ではないと思うんよね。ああいうのって、怖がらせているんじゃなくて、驚かせてるだけでしょ。まぁ、そういう面もあったね…と言うだけで、決してそういう脅かしばかりだった訳ではないのだが、リメイク版をさほどに怖いと思えなかったのは、果たして、作りが悪かったからなのか、オリジナルを見ていた事で大筋を知ってしまっていたからなのか、大人になって怖さに対する耐性がついてしまったからなのか…。オリジナル版ももう10年以上見てないんで、今、見たら、案外怖くなかったりするのだろうか。今度、改めて見てみた方がいいのかも…。でも、もし本当に怖く感じなかったりしたら、かなり落胆しそうでちょっと心配だ。
そんな中、それなりに怖かったのは、やはり、ダミアンとベイロック夫人。ダミアンはもう無表情なだけで十分怖いんで…。予告編であった二階から落下するケイトに対して、ダミアンが「バイバイ」と呟くシーンが何故かカットされていて残念。このシーン、結構、重要だと思うのだが、予告でやっておきながらカットされた意図がイマイチ分からない。一方、ベイロック夫人は「ローズマリーの赤ちゃん」のヒロインであるミア・ファローと言う何とも作為を感じるキャスティングな訳だが、年老いた彼女はどうにも「米製・岸田今日子」に見えて仕方なく、うおっ、ムーミン怖ぇよ〜、アヤしいよ〜と思いながら、堪能していた。もう怖がってるんだか、面白がってるんだか分からん(^^;)。登場時からアヤしさ大爆発だったが、ケイト暗殺時の冷たい狂気っぷりと、ロバート襲撃時の熱い狂気っぷりは圧巻だ。この映画はベイロック夫人を堪能する映画なのか? ストーリーは先述の通り、オリジナル版を長らく見ていないので細部の比較に自信はないのだが、かなりオリジナル版に忠実だった様に思えたし、それ故に悪い出来だとは思わなかったのと同時に、強烈なインパクトをもたらさなかったのも事実だろう。忠実過ぎて、リメイクと言うより、コピーに近い印象。オリジナル版もリメイク版も未見の人は、オリジナル版を予習として見るよりは、リメイク版を見てからオリジナル版を見てみた方がいい様に思う。
ところで、てっきり、2006年6月6日の6時がダミアンの誕生日だとばかり思っていたのだが、2001年なんだね。じゃ、2006年の6並びの日は一体、何が特別なの? あの誕生パーティで若い乳母が自殺してる辺りから察するに、ダミアンに悪魔の力が覚醒し始めた日って事? 個人的に生誕年が2006年であって欲しかったなぁと思ってしまうのだが…。あと、ブレナン神父はダミアン出生の現場を目撃していたくせに、何故、5年も経ってからやってきたのかがよく分からない。また、バチカンの連中もあんなに早々と悪魔の子の誕生を予見し、大わらわだったくせに、以降、全く行動を起こしていないのも、不可解極まりない。今の所、ロバートに忠告しに来たのはブレナン神父一人だけで、しかも、彼もバチカンからの指示とかではなく、あくまで個人の意志で来たに過ぎないしなぁ。ダミアンが生まれたのは分かったが、居所を掴めてなかっただけ? ダミアン派の人達(ダミアン出生時に関わった病院の人とか、ベイロック夫人とか)は全員見えない力に操られてるのか、ダミアンが生まれる前から反キリストの誕生を待ち望んでいた組織とかがあって(属している人は普通の人間)、そいつらが仕掛けている部分もあるのかが謎。ベイロック夫人なんか、組織から送り込まれてきた刺客だったりしても、全然違和感ないけど…。全員操られてるんだとすれば、わざわざ若い乳母を自殺させてからベイロック夫人を送り込むなんてまどろっこしい真似はせず、直接、乳母を操れば良かったんちゃうの?と言う気もするし、その辺がイマイチ分からない。こういう諸問題は、旧作の続編で明かされたのか否か、完全に失念しているのだが、どうだったっけ? それにしても、ロバートは普通〜に屋敷を出ていれば、ダミアン抹殺は成功してたよなぁ。ベイロック夫人が怖過ぎるもんで、すっかりパニクってしまった…と言う意味では、ベイロック夫人の貢献度は素晴らしかった訳だ。しかし、いくらあんなに派手に飛び出してきたからと言って、あの警察の対応は素早過ぎ…。しかも、全く状況分かってないくせに、迷う事なく射殺かよ…。オリジナルとほぼ同じラストだったけど、続編もリメイクするつもりなのか? 「最後の闘争」は忠実には作らないで、あっと驚かせて欲しい所だけれど…。
今回、見に行ったのはTOHOシネマズ川崎だったのだが、ここの館内の雰囲気が素晴らしい! 「オーメン」を見るなら、超お勧め! 正に、リメイク版「オーメン」を上映する為に用意されている様な舞台なのだ。
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ただ、惜しむらくは、「オーメン」の上映は6番スクリーンではなく、8番スクリーンである事…。折角、ここまでお膳立てしたのだから、6番で上映するくらい気を利かせて欲しかったなぁ。いや、別に「オーメン」の為にこういう雰囲気にした訳じゃないんだけどさ。
オーメン〈特別編〉
オーメン2/ダミアン
オーメン/最後の闘争
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コメント一覧
>6番で上映するくらい気を利かせて欲かった
そういえば、そうですよね(笑)私が行ったところは、一番小さな1番スクリーンでした。
ところで、あやまってTB2つも飛ばしてしまいました。申し訳ありません。お手数ですが、ひとつ削除してください。
本家サイト(http://www.yawarakacinema.com/)も、よろしくお願いします。
TBありがとうございました。
>年老いた彼女はどうにも「米製・岸田今日子」に見えて仕方なく
・・・それは言えてますねぇ!(笑)
私は彼女の微笑が怖かったです。
家政婦のベイロック婦人は確かに怖かったです。
あの方に一番びびっていたかもしれません(笑)
この映画って続編があったんですね。
機会があれば見てみようと思います。
TBありがとうございました。
残念ながら劇場での予告編は未見です。リメイクの本編が怖くなかったので観てみたかったなぁ〜。
あわせてコメントも頂けたらもっと嬉しかったです。
リメイク版オーメンの記事楽しく拝見しました。私はまだ観ていないので
近いうちにと思っているこのごろです。
獣の数字の新説・・・どう思われますか〜?
TBありがとうございました。
予告編の内容はイマイチ憶えていないのですが、
私も予告を観て、あの「オーメン」がリメイク!?これは見逃せない!!!
・・・と思ったものでした。
・・・・・・。ダミアンは終始ブスッと無表情でしたね。
ある意味怖いんだけど、無邪気な子供が序々に悪魔の片鱗を表す。みたいな演出がならなかったのが残念・・・。
ドカンと音で怖がらせるのなんてオーメンではありえない。そんなのありふれたホラー映画の常套手段ですよ。
コメント&TB有難うございます。
>shakeさん
わざわざ6月6日に合わせて、異例の火曜封切りにしたくらいの作品ですし
複合映画館は6番スクリーンで見せるくらい、粋な事をやって欲しいですよね。
>やわらか映画〜おすすめDVD〜さん
本家の方も拝見させて頂きました。
また共通するネタがありましたら宜しくお願いします。
>冨田弘嗣さん
金や時間をかけなくてもいいものは見せられると言う見本でしょうか。
あのシンプルさが却って恐怖心を煽ってくれた感じでした。
>sabunoriさん
ベイロック夫人はあまりにもアヤしいので
笑顔の裏にも含む所があるのがバレバレで怖かったですね。
>れもサン
続編は「2」はそれなりに怖かったのですが
「最後の闘争」はイマイチだったと記憶しています。
因みに「4」もあるのですが、これはこのシリーズとは別物と考えた方がいいかも…。
公式サイトで「作品情報」をクリックすると、そこへの導入部として
予告編で使われていたダミアンのブランコシーンが挿入されています。
やはり、怖い!
>ぶんたろうサン
「666」でなく「616」と言うのは、ちょっとショックですよね。
見た目悪いわ、語呂は悪いわで…。これはもう知らなかった事に…(^^;)。
>ぽたますサン
私もあの予告を見なければ、劇場で鑑賞していたかどうか微妙でした。
それだけ魅きつけるものがあった予告編でしたね。
本文でも書きましたが、やはり、音で驚かすのは「オーメン」の正道ではないなぁと思います。