March 11, 2006 23:30
第8話「対立のハードトレーニング」 / 今週の「プレイボール2nd」
天才型の選手がはびこりまくる野球創作モノの中で、等身大レベルの選手が努力努力で這い上がる様がリアル…と、かつては謳われていたちばあきお作品(最近ではこういうタイプの作品も増えてきた)だが、実の所、そうでもない。いかに猛練習をこなしていると言っても、それを結果に繋げる速度,吸収力が尋常ではないのだ。「キャプテン」で谷口時代の墨谷二中が青葉学院の一軍に勝つのは、冷静に考えれば、やはり無理がある(丸井時代以降はそうでもない)。「ローマは一日にしてならず」と言う言葉はちばあきおの辞書にはないらしく、それはこの「プレイボール」でも同様の展開に…。いくら何でも試合前日に突然、始めた練習の効果が翌日に遺憾なく発揮されれば、苦労はないだろう…と言うツッコミはこの作品を見るに当たっては、するだけ野暮な話なのは分かっているのだが…。谷口の言う中学の時にやった効果的な練習…、てっきり剣道の防具をつけるのかと思いきや、いきなり生身丸出しの単なる至近距離ノック。しかも、硬球。流石の島田,加藤も恐れおののいてるよ。そもそも、この練習、外野手にとっても本当に効果的なの?と言うのは「キャプテン」の時にも思ったなぁ。実際、倉橋に「外野で補欠のお前にこの特訓続けたって意味がない」って言わせちゃってるけど、いいの? 外野のレギュラーだって同じでしょ。
で、これ以降、練習内容自体にさしたる変化はないものの、ストーリー的には完全にオリジナルなものへと発展。どうしても「2nd」は倉橋絡みで一騒動起こさずにはいられない様で、その為に必要以上にヘタレに描かれているナインが不憫でならない。半田と倉橋の絡みはなかなか良かったと思うが、倉橋の言動がナインのやる気を引き出す為…と言うのは、どうにもご都合主義的だ。ああもうまく事が運ぶ事を計算してやっているとしたら、それはもう神の所業である。それに、その為に半田をスケープゴートに仕立てて卑下するって、人間的にどうよ? 半田も了承の上の策略だったら分からないでもないが、半田の様子を見る限り、そういう訳ではなさそうだ。下手をすれば、特訓も行わない儘、倉橋抜きで専修館戦を迎える危険性だって十二分にあったではないか。半田がバッティングセンターに行こうと言い、しかも店の人から一緒に来る友人(=倉橋)の話が出なければ、ああいう展開にはならんかったろうし…。無茶な練習をやらされて納得がいかないナインのやる気を引き出す…と言う同じ意味合いのエピソードでも、「キャプテン」で抗議に向かったナインが谷口の神社特訓を目の当たりにして、刺激を受けた時と比べると、どうしても質が落ちると言わざるをえないなぁ。それにしても、バッティングセンターであまりの絶妙のタイミングで出てきた倉橋。サッサと帰った筈の倉橋が、あんなに遅くまで練習していたナインより、あそこに行くのが遅い事自体、違和感ありあり。絶対、こいつ野球部の練習を陰でこっそり覗いていて、バッティングセンターに行くとなったら、尾行を開始し、半田の話を聞いていて、ここだとばかりに登場するタイミングを窺ってたよなぁ(笑)。そうそう、すっかり忘れていた川北高と再び絡みがあったのはちょっと良かったね。「またチャンスがありますよ」って、「さん」付けしてるって事は、田淵は3年生なんじゃないの? もうチャンスないじゃん、酷いよ、谷口…。
プレイボール 2nd vol.1(仮)
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コメント一覧
「キャプテン」では、キャッチャーである小山までノック受けてたんですから。
確か、突き指3本でしたっけ?
それにしても、谷口自身の練習はどうしているんでしょうね。
内野手とは別の意義ある練習をすべきと思うのですがねぇ(^^;)。
谷口は勿論、部の練習終了後に父ちゃんと神社特訓ですよ!
「逆転のメッセージ」はかなりきましたのでいいのがかけると思うのですが。
でも百瀬の心が動きがちょっと雑すぎ。原作みたくもっと彼の心の動きも描いてやったらいいのに。と思いました。