February 07, 2006 23:56
「戦国自衛隊・関ヶ原の戦い」
前半戦としては、それなりに楽しめた第一部の後、どうやって収拾をつけるのかと期待していた第二部だが、何とも凄い超展開だった。勿論、悪い意味で…。色々な意味で中途半端だったねぇ。第一部の展開からして、伊庭隊と嶋村隊が東西に分かれ、自衛隊同士の直接対決と言う展開になるのかと思っていたのだが、とにもかくにも伊庭隊が日和見過ぎた。伊庭は部下ほっぽって単独行動取り過ぎ,小早川以上に日和見し過ぎ,弾薬限られてるのに威嚇で無駄弾打ち過ぎの三拍子揃っていて、あまり感情移入出来なかったなぁ。歴史には絶対介入してはならない…と言う確固たる信念も感じられなかった。おりん惨殺と言う展開で小早川軍を言葉責めしまくった末、東軍につけとか進言してるのも何だかなぁ。それでいながら、「嶋村隊を助ける!」とか言って、東軍殺しまくり。で、折角、助けられる状況までこぎつけたのに、「生きろ!生きるんだ」と、ほっぽって行っちゃうし…。あんな所に置いてかれたら、生きたくても助かりっこないよ、嶋村…。「現代に帰ろう」とか言ってる割にはどうやって帰るのかに関しては全くの無策。元祖の映画では(これまた根拠はないものの)歴史を狂わせば、揺り返しが起こって現代に戻れる筈…と考えていたし、リメイクの「〜1549」に至っては意図的に時空震を引き起こす術があったのに…。「根拠はないけど、きっとまたプラズマが起こって帰れるさ」的な運任せかよ! なら、とりあえず、生き残る事を最優先事項に最前線から離れろよ! 結局、ヤツは何がしたかったのだろうか。小早川も徳川の動きに気付いたのなら、たくさん兵士連れて来いよ! 一人で来るにしても、せめて馬で来いよ! ちんたら走ってくるから、全然手遅れなんだよ! おまけにあそこで死んだ必要性もさっぱり訳が分からない。短銃と刀だけで敵を全く寄せ付けない無敵ぶりを発揮していた伊庭もここに来てあっさり死亡。あと5秒車の後ろに隠れていれば良かったものを、完全に小早川は犬死にとなってしまった。まぁ、神社で死亡フラグを立てていたから、伊庭が生還出来ない事は予想出来たが…。プラズマが再び起こった時、深見だけ現代に帰還したが、あの近辺にいた徳川兵達は何でタイムスリップしないのだろう? 折角帰ってきたのに、深見はすっかりカミーユ=ビダン状態だし、町中で悟り開いちゃったりして、さっぱり訳が分からない。あれじゃ、戦国時代で全滅した方がずっと良かった。結局、妻子にいびられまくってた現代を捨て、戦国時代で暖かい家庭を築く道を選んだ宮下だけが勝ち組だった様だ。
伊庭に比べると、嶋村の方が遙かに信念は感じられた。余命一年で現代に帰れる保証もないとなれば、ああいうイっちゃった行為に走るのも分からないでもない。しかし、「生きた証を残す!」と張り切っていた割に、戦略が滅茶苦茶。三成をぶった斬った後、圧倒的な説得力で西軍諸将を抱き込むのかと思ったら、誰一人抱き込まず(抱き込めなかったのではなく、ハナから抱き込もうとしてないし)、引き連れてるのは最後まで自衛隊の数人の部下だけ。知将・左近も無駄に殺しちゃうし…。小隊長のくせに実戦での指揮が行き届かず、ヘリも戦車も非常にあっさり撃破される体たらく(あんなヘッポコな有様で「これが戦国時代か」の名台詞を言わせるなよ〜)。補給車近辺に見張りくらいつけとけよな。よく知らないけど、現代戦車はあんなに耐火性ないもんなのだろうか? あと、小早川が裏切るのは歴史が証明してるんだから、伊庭が乱入してきたからと言って、あんな中途半端な脅し方で寝返りを期待するより、むしろあそこで強引に討っておくべきだったのではなかろうか。小早川の存在が関ヶ原の雌雄を決したとするならば、伊庭が「おりんを殺ったのは家康だ!」と小早川を抱き込み、嶋村と結託すれば、西軍を勝利に導けた訳で、その方がみんな救われた気がしてならんのだが…。当然、歴史は変わってしまうが、家康が古狸と言うより、あまりにもゲス野郎過ぎて、太平の世を築いてくれるなどと言う夢をとても託せないよ。それにしても、向こうの連中は弓も銃もかなり的確に当ててくるねぇ。凄ぇや! それに比べて、自衛隊はすぐ激情に駆られて、不用意に体を剥き出しにして、撃たれまくり。いくら多勢に無勢とは言え、果たして、本物の自衛隊はあんなに脆いものなんだろうか。やっぱり第一部で、たっくんがファイズに変身する間もなく無駄死にしてしまったのが悔やまれるね。あえて良かった所を挙げると…
・「おい…、全然似とらんぞ!」
・「freeze…」
以上。とりあえず、この2つには大笑いさせて貰った。あとは、家康が嶋村に撃たれたと見せて影武者だった…と言う展開の所を、実は津川雅彦が影武者で、長門裕之が真の家康と言う超展開にしてくれたら面白かったのに…。わざわざこの二人をこういう形で使ったのは、そういう意図があるんじゃないかと期待していたのに、残念。まぁ、酷い展開ではあったが、別の意味で一応、楽しめる作品ではあったかもしれない。
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読ませてもらいましたが全くもってその通りですね(笑
自分もいっそ自衛隊が東西に別れて戦った方がよかったのにと思いました。
どうせお金掛けるならもうちょっとなんとかなりそうだったに残念!
TB、ありがとうございました。
第1部、伊庭さんが撃った持っていた銃、あれは6発しか銃弾が込められないような気がしたのですが、8発撃っていたのが気になっていたり、といろいろありましたね。
ホント、東西にわかれて現代兵器で打ち合ったら、面白かったでしょうね。
お返しのTBをさせていただきます〜。
ヘリで家康の本陣を襲えばカタがついたのに・・・。
>小早川の存在が関ヶ原の雌雄を決したとするならば、伊庭が「おりんを殺ったのは家康だ!」と小早川を抱き込み、嶋村と結託すれば、西軍を勝利に導けた訳で、その方がみんな救われた気がしてならんのだが…。
私もそうなることを期待していたんですがね・・・。あんなガックリ展開になるなんて・・・。冷えていないビールを飲まされたようなもの(笑)。
>当然、歴史は変わってしまうが、家康が古狸と言うより、あまりにもゲス野郎過ぎて、太平の世を築いてくれるなどと言う夢をとても託せないよ。
本物の家康なんて、あんなだったと思いますね(笑)。西軍が勝利していれば鎖国などやらなかったでしょう。だからこそ、フィクションの中であれ、家康を粉砕してもらいたかったですね(^〜^)