November 10, 2005 20:04

ドリームボール、ジャンケン野球の前に轟沈! / 今週の「ドカパロSS」 1

 全国読者の予想と寸分違わず、山田必殺のジャンケン野球の前に水原必殺のドリームボールはあえなく打ち込まれました。以上!



……と、この程度で終わらせて十分と言える今週の内容だが、これではあんまりなのでもう少し詳しく…。山田は「野球狂の詩」をよく知らない読者の為に、ドリームボールの握り方,変化の仕方,そういう球が投げられる水原の資質等を懇切丁寧に解説。必ずどこかでドリームボールを投げてくるのは分かり切っていると言う事で山田は初球にヤマを張る。「もうダメだ、山田がヤマを張った以上、間違いなく、初球にドリームボールで満塁ホームランだ!」と、この瞬間、誰もが悲鳴をあげた事だろう。少しでも水原の勝利の可能性を信じられた人(いるのか?)はある意味、幸せ者だ。

 ここで、一旦、メッツ視点の「モーニング」のレビューに移る。鹿島は「ホームラン打者はヤマを張ってくる事が多い」とヤマに頼ってばかりと言う山田の適性をズバリ見抜くのだが、水原は「それは普通の打者の事で、山田はどんなボールにでも対応出来る」などと、これを否定してしまう大チョンボ。確かに山田は「どんな球でも対応出来る」が、その前にあくまで「ヤマが当たれば」と言う枕詞がつく事に気付けなかった様だ。しかし、鹿島は「ドリームボールは狙わないと打てない」と、あくまで「山田はヤマに頼る打者」である事を強調。ちゃっかりドリームボールも凄いと持ち上げる言葉巧みな鹿島の誘導にハマった水原はようやくドリームボールの投げ所を考え始める。ドリームボールで決めに来ると山田は読むだろうと睨んだ水原は初球に来る可能性だけは読んでこないと思い、これで山田の読みのリズムを狂わせてペースを握り、全球ドリームボールで挑む事で話がまとまった。鹿島もこの配球に納得するのだが…。

 こんな浅はかなやり取りの末、水原は山田の読んでいたドリームボールを不用意に投げ込んでしまう。山田は待ってましたとばかりにいともあっさりとライトスタンドへグランドスラムを叩き込み、一気に試合は振り出しに…。初球を読まれた事,読んだからと言って簡単にホームランした事に対して、メッツ陣営は呆然。水原は「ケタが違う」とまでぬかしてしまい、この対決が全然「夢の対決」などではない事を自ら吐露してしまうのだった。野球人生最大級のショックを受けた水原だったが、続く土井垣をドリームボールで空振り三振に斬って取る。こんな所でもきっちり無様に凡退する土井垣の相変わらずのインケツぶりが素敵だ

 試合はこの後、膠着状態と言う名の省略モードと化し、でかせぎくんや隼が必死こいて準備していたが、里中はこいつらの事など全く信用していないので、当然、出番など回って来る筈もない。4−4の儘、土壇場9回へ突入となったが、結局、痛み止めの注射は切れる事なく、ここまでもってしまい、土井垣も里中を続投させる気満々。来年は延々リハビリモードに陥るのはほぼ確定か!? 地味にサチ子が里中をプッシュしているが、岩鬼×サチ子は出来レースなので、こんな事で読者を攪乱しようとしても全くの無駄である事は言うまでもない。

 いよいよ残り2回となった「EVE〜new generation〜」発売決定記念マルチサイトシステム企画の今後の予想。9回裏を同点で迎える様では東京のサヨナラ勝ちは確定的とバレてしまうので、9回表に里中の痛み止めが切れる事に端を発して、メッツが1点を勝ち越し、来週は終了。最終週は最後の最後で鉄五郎がマウンドに登る訳だが、その時の打者が果たして、山田なのか、岩鬼なのか。5回に5番で終わっているので、3人ずつで攻撃終了していくと、9回は6番からで順当にいけば、チャンスに回ってくる岩鬼が締める可能性が高い。山田は鉄五郎が対決を望んでやまない相手として描かれていた訳だが、だからと言って、無理矢理打順を回した挙げ句、また山田が水原に続いて、鉄五郎をも粉砕してサヨナラ勝ちという展開ではあまりにも寒い! 寒過ぎる! 十万石饅頭! 岩鬼には初回の一発が幻だった事,その時に鉄五郎がホームランを認めてもいいと言った事,サチ子の差し入れたサンマなど、数々の伏線がある為、やはり、岩鬼の一発で終わると見る。鉄五郎が自分に対しての闘争心を失わせるとかほたえていた作戦が裏目に出てしまったと言うオチだ。まぁ、水島氏は伏線を張るだけ張って、張りっ放しと言うのが十八番なので、伏線があると言う事は強い根拠にはならないのだが…。鉄五郎と山田が対決しないと言うのも、ある意味、寒いオチではあるだろう。第1戦後にダイジェスト的に描かれる残りの試合でチョロっと触れる可能性もないではないが…。

野球狂の詩 (3)

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