October 01, 2005 23:34
第12話 「再会のドリームゲーム」 / 今週の「プレイボール」
東実との激闘に惜しくも敗れ、キャプテン・田所を初めとした4人の3年生の引退が決まった。新キャプテンは誰になるかと思えば、何とくじ引き。予算の会合や備品の管理やらと面倒な仕事の多いキャプテンは貧乏くじと言う事で墨高野球部では代々この方法でキャプテンを決めているのだと言う。日頃、くじには当たった試しがないと言う山本は今回も外すに決まっていると意気揚々と真っ先にくじを引くが、いきなり当たり。当たりくじを当てられない人はハズレくじは簡単に引き当ててしまう典型だ。かくして、新キャプテンは山本に決定した。最後の部活が終わり、グラウンドで過去の思い出に浸る3年生。「本当は谷口をキャプテンにしたかったんじゃないのか」と問われた田所だったが、まだ1年生の谷口には色々な重荷を背負わせず、もうしばらく自由に野球をさせてやりたいと谷口へ最後の気遣いを見せるのだった。新キャプテン・山本の下、再始動した墨高野球部。キャプテン業を面倒がっていた山本だが、女生徒から黄色い声援を浴びて、上機嫌。毎年恒例の3年生の送別会を何にするかと言う話題に谷口は気軽に出来る壮行試合を提案し、受諾されるが、言い出しっぺと言う事で試合相手のセッティングを任される事に…。どこの高校もキャプテンの代替わりで忙しく、既に、5つの高校に断られ、弱り果てる谷口に丁度、通りかかった丸井が声をかける。事情を聞いた丸井は墨谷二中との対戦を申し出る。中学生相手なら、のんびり気楽に出来ると、墨高3年生も快諾。草野球チームのキャプテンをやっていると言うタイヤキ屋の親父の協力で球場も確保。また、親父がビラを100枚も貼って宣伝しまくったせいで、スタンドも大観衆で埋まっている言うたかだか壮行試合とは思えない雰囲気に。気楽に臨んだ墨高ナインだったが、イガラシが勝つ為の戦略を着々と練り上げるなど、墨谷二中ナインは勝つ気満々。先攻の墨谷二中に対して、高木,加藤と連続三振に斬ってとり、調子づく中山だったが、丸井がライト前へクリーンヒットを浴びると、続くイガラシにはレフトスタンドへ軽々と運ばれて、2点を献上。山本の好守で事なきを得たものの、小室にもライトへの大飛球を浴びて、墨谷二中を甘く見ていた中山は顔面蒼白。一方、墨谷二中先発の近藤の快速球の前に墨高はいきなり三者三振に抑えられ、まさか中学生に負けてしまうのでは?と早くも焦り出す。動揺を隠せない中山は直後の2回、いきなり島田,西田と連打を浴びてしまう。だが、谷口に声をかけられた事で落ち着きを取り戻し、中学生とは言え、墨高を東実と渡り合える程に引っ張り上げた谷口の後輩と言う事で油断は禁物と気を引き締めると遠藤をサードゴロゲッツー,無茶振りの近藤を三球三振に斬ってとり、ピンチを脱出。その裏、墨高の先頭打者は四番の谷口。バッティングの汚名はピッチングで返上すると言う近藤は丸井やイガラシから谷口さえ抑えれば、勝てる確率が高いとハッパをかけられ、絶対に抑えると渾身の一球を投げ込むが…。
皆が山本のキャプテン就任に拍手を送っているのに、ただ一人谷口だけは拍手せず…。相当、この決め方に納得がいかない様だ。そりゃ、そうだよな…。でも、田所もくじで当たってキャプテンになった筈なのに、何だかんだでチームを引っ張っていた。地位が人を作ると言う事もある訳だ。田所達は山本は適任とか言ってるけど、微妙だねぇ。中山じゃダメ? 原作では谷口が田所の次のキャプテンを任されたのだが、あえて山本を挟んだのはどういう意図なのだろう。田所が谷口をキャプテンにしなかったいきさつを語るシーンはかなり良かったと思う。既に、制作が決定している続編だが、この儘だと、山本キャプテンで始動する事になってしまう。すぐに山本が音を上げて、キャプテンを降りる様な展開もちょっと嫌だし、山本キャプテンの儘、ず〜っと続いてしまうのも問題があるだけに、どう処理するのか注目したい。続編と言えば、その伏線的存在である倉橋がついに登場。声がやけに低くて、結構、カッコいいぞ。
今回の最大の目玉である墨谷二中との対戦はやはり、熱い。この作品は「プレイボール」だけれど、「キャプテン」の方に思い入れの強い私は、ついつい墨谷二中に肩入れをしてしまう。谷口が墨谷二中を訪れる場面では、丸井やイガラシは勿論の事、遠藤や小室が出てきただけでも興奮してしまった。試合になってからも、次々と出てくる墨谷二中ナインの懐かしい姿に釘付け。いかん、ファンサービス企画に思いっきり乗せられている…。20年以上の時を経て、全てのキャストが変わってしまったものの、ただ一人、こいつだけは変更なしの可能性もあるんじゃないか?と期待したのが未だに現役バリバリのベテラン声優・中尾隆聖氏が演じていた近藤だったのだが、しっかり変わってしまい、残念。近藤と言えば、楽しみなのが、丸井とのどつき漫才。今回も丸井の跳び蹴りが見事に炸裂! アニメ技術の進化も手伝って、丸井の蹴りの演出もパワーアップした感じ。丸井特製のアヤしげなスタミナドリンクから、身を呈して、墨谷二中ナインを守ったのに可哀想な近藤…。ホント、野球シーンさえなければ、安心して見ていられる作品だなぁ…と、つくづく思うのだが、野球アニメなんだから、それじゃ、まずいだろ(^^;)。それにしても、この両者の戦力比較、高校生と中学生と言う身体能力の差はあっても、墨谷二中の方が強そうな気がしてならない(そもそも、硬式と軟式のどちらでやっているのか?)。まぁ、丸井が朝日高に進んで、胸を貸した時は墨谷二中は完敗してるんだが…。谷口効果を受けた期間を見ても、墨高は予選の1回戦の試合中からだから、僅かに1ヶ月足らず(推定)。谷口の送球をキャッチする特訓くらいしかやってないし、東実戦は出来過ぎの感がある。それに比べて、墨谷二中の谷口効果は1年以上も長く、日頃の練習時間も尋常ではない上、実戦経験や修羅場をくぐってきた数が段違い。散々スローボール呼ばわりされた中山の球を速いとか言って驚いてるシーンは違和感ありありだ。半年以上もブランクがあった谷口がいきなりメッタ打ちにした事を考えても、中山の球が墨谷二中に通用するとはとても思えない。佐野よりは球威はない…が、そう大差はないなんて、スタンドで見ている佐野が聞いたら、気ぃ悪くするんじゃないか。近藤の投球フォームはそれなりに前作のイメージでやっているのだが、少々大人しくなってしまった感じ(例によって、腕の振りや体重移動が甘いからだよな!)。しかも、投げた直後にお馴染みのあのポーズをやってくれないのは大きなマイナス点だ。
「谷口さんさえ抑えられれば、俺達が勝てる確率はぐんと高くなる。頼んだぞ、近藤」(イガラシ)
「何でみんな、そないに谷口はんにこだわりはるの?」(近藤)
「それだけ怖い人なんだよ、谷口さんは」(丸井)
松下の時もそうだったが、かつてのチームメイトが敵に回した谷口をこの上なく警戒している描写がやけに嬉しい。散々念を押されても、谷口を知らない近藤は全然ピンと来ない様子なのが、何とも対照的だ。また、身近に谷口の恐ろしさを肌で感じた者同士と言う事で墨谷二中に対する認識をいち早く切り替えた中山も良かった。ところで、終盤になってから出番が増えてきたタイヤキ屋の親父(声:元近鉄監督・梨田昌孝氏)はここに来て、ついに主審を務める事に! 出張り過ぎだろ(^^;)。相変わらず、台詞は棒読みだが、主審役はちょっとサマになってるかも…。
プレイボール vol.1
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ちなみに硬式か軟式かですが、多分軟式でやってると思います。
ボールのラインが「赤」じゃなく「青」でしたから。