September 13, 2005 23:36

第10話 「気迫のピッチング」 / 今週の「プレイボール」

pb10.jpg 5点ビハインドの4回表、無死満塁と言う絶体絶命のピンチに中山の負傷で急遽、マウンドに上がった谷口。つい、この間までまともに投げる事すらかなわなかった谷口の登板だが、これは決して奇策ではなかった。ノーバウンド送球特訓の際、少しでも速い球を投げられるように握り方を試行錯誤していた谷口は親指と中指で挟んで抜くのが効果的と言う結論に達したが、これがフォークボールと言う思わぬ武器を生み出す事に繋がったのだ。墨高の内野陣が谷口の送球をポロポロとこぼしていたのも、谷口の球が落ちていたからに他ならない。このボールがフォークである事に気付いた田所は対東実の秘密兵器として、谷口の投手として起用する事を提案する。負担の大きいフォークの連投で1試合もたせるには無理がある為、中山でいける所までいってから繋ぐ予定だったが、不慮の事故により、早くも登板を余儀なくされる事になってしまった。しかし、他に投手がいない上、コールド負けの可能性すらある状況でペース配分など考えていられない谷口は遮二無二フォークを連投。流石の東実もいきなりフォークに対応する事は出来ず、谷口はこのピンチを三者三振で切り抜ける。谷口の好投で意気上がる墨高は徐々に東実・稲尾の速球を捉え始めるが、一向に点が奪えない。谷口も気力の投球で追加点を許さずにいたが、フォークの連投による激しいスタミナ消耗で既に体力の限界に来ており、8回を投げ終えた所で倒れ込んでしまう。死力を尽くす谷口の投球に意気に感じた墨高ナインが奮起。太田,山口と連打を浴びせて、無死一、二塁。ここでフラフラになりながらも打席に入る谷口に対して、この日、一番タイミングが合っていると言う事で敬遠策を検討する東実バッテリーだったが、監督の「エースとしての誇りがあるのか!」と言う言葉に奮い立ち、一転、勝負に出る。しかし、初球、いきなりレフトポール僅かに左に切れる特大ファールを浴びて、すっかりビビってしまった稲尾はこの後、4球連続ボールで谷口を歩かせ、無死満塁。ここで田所はレフト前へタイムリーを浴びせて、ついに稲尾をKO。2番手として、竹内がマウンドに上がったが、稲尾と比べれば大した事のないボールを見て、余裕シャクシャクの村松がセンターオーバーの大飛球を放つ。ボールが転々とする間に、まず山口が返って、2点目。走者一掃は間違いないと大喜びで三塁を回った田所だったが、二塁走者・谷口が体力の限界から本塁ベース手前で再びダウン。谷口に気を取られていた田所は背後からタッチされると、気力を振り絞って、本塁に飛び込んだ谷口も憤死。更に、打った村松までが二、三塁間で挟まれて刺される最悪のトリプルプレーを喫してしまう事に…。今度こそ、棄権せざるをえないと思われたが、谷口は限界を通り越した体に鞭打って、最後のマウンドへと上るのだった。東実はファールで粘って谷口を潰す作戦に出るが、フォークはカットするのも容易ではなく、さして球数を投げさせられない儘、連続三振で二死。ここで東実の監督は代打を投入し、バントの構えで谷口を走らせる事で体力を奪う作戦に変更。2−0と追い込んだ谷口だったが、執拗な揺さぶりに三たび倒れてしまうのだった。

 中山が原作通り、KOされてサードに入るのではなく、負傷降板となったせいで、田所の「谷口のタマがそうやすやすと打たれる訳ねぇだろ」と言う台詞を聞いた東実が唖然とするシーンがなくなってしまったのが残念。久々に見た谷口の投球フォームが、松下同様に墨谷二中時代のものを投影していたのが嬉しかった。私は墨谷二中の面々では谷口のフォームが一番好きなのだ。しかし、例のボールはやはり、何のアレンジも施されずにフォークと言う事になり、ガックリ。はっきり言って、あの指の状態なら、わざわざ挟んで抜くより、普通に握った方が速い球が投げられると思うのだが…。それにしても…

「俺も長い事、高校野球をやっているが、あんなに鋭く落ちるフォークは初めて見た」

と、甲子園常連校・東実の監督にここまで言わせる辺り、谷口のフォークは超高校級と言う事になる訳だが、そんな凄いフォークなのに、田所がキャッチするのは全部ど真ん中辺りの位置ってのは、どういう事よ!? 凄い落差があるなら、もっと低い位置で捕る様なボールになる筈。あの位置で捕る様なフォークでは当てられる可能性も高いし、実際、あまり落ちている様に見えず、とても超高校級のフォークには思えない。落ちるポイントが打者に近過ぎるのもいただけない。相変わらずの事だが、こういう描写がダメだと萎えるねぇ。あと、これを言ってしまうと、完全に話に水を差す事になってしまうのだが、野球の試合であんなに疲れる事って、まずありえないよね。「キャプテン」でも丸井キャプテン時の青葉戦とか(投手はともかく野手が何故あんなに疲れる?)、毎度毎度イガラシが死にそうになったりとか…。攻撃中は休んでいられるスポーツなんだし、筋肉の持久力は必要だが、心肺の方はそんなに持久力がなくても結構、何とかなったりする。しかも、谷口の体力が人並み外れている事はサッカー部在籍時にまざまざと見せつけられたではないか。いくらフォーク投げ過ぎたって、握力が落ちてボールが握れなくなったり、腕が上がらなくなる可能性はあったとしても、あそこまでハァハァ言う事はちょっと考えられない。東実が谷口の体力を奪いに来たのもようやく9回になってからだし…(遅過ぎるだろ! もっと早い回に対処しろ!)。これはもう、ちばあきお作品の個性の一つと見るしかない。そう考えて、余計な事を気にしなければ、演出的には盛り上がるのだし…。それにしても、今回、原作と比べると、かなり途中経過がハショられてしまっていたのが惜しまれる。点は取れずともジワジワと東実を追いつめる墨高打線や、東実のベンチワークなど、結構、見所が多い試合なので、あっさり9回まで行ってしまった感じで実に勿体ない。残り3話もあるのに、今回、これほど、ハショる必要があるの?と思ったら、公式サイトを見ると12,13話は完全オリジナルストーリーなんだそうで…。かなりファンサービス的なストーリーらしく、それなりに楽しみではあるけれど、それの為に今回、ハショられたのかと思うと、どうにも釈然としない。やる事ちゃんとやってからにして欲しいなぁ。13話まできっちりやって、ボーナスステージで2話つけてくれっての。

プレイボール (10)

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1. プレイボール  [ ゼロから ]   September 17, 2005 17:52
あと2回で終わってしまうなんて、プレイボール面白かったのに残念。

コメント一覧

1. Posted by わんだーサク   September 14, 2005 20:37
か・悲しい…。すっかり録画する事を忘れていたことと、谷口くんの投球フォームを見られなかったのが悲しい。再現できるんならもっと他にも気を配ってほしかった…と思って悲しい〜。
谷口くんのフォームは美しいと思います。佐野とはまた違った美しさ。谷口くんの性格のまんまのような、癖のない素直な、そしてどこにも無駄がないきれいな動き。いいですよね〜。はぁ見たかった。

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