July 30, 2005 23:53

第4話 「意外なピンチヒッター」 / 今週の「プレイボール」

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 いよいよ始まった夏の予選一回戦・京成高戦。勝とうと言う意欲も感じられず、相手の情報も全く仕入れていない状態に不安を募らせていた谷口はいてもたってもいられず、田所に京成高のエース対策を進言。それが奏功し、ヒットで出た太田だが、100m11秒台の俊足を過信し、捕手が強肩である事を調べていた谷口の制止も聞かずに二盗を仕掛けて、憤死してしまう。谷口の情報の価値を認めた田所は相手打者の苦手コースを巧みにつくリードで京成高を翻弄。4回二死まで内野安打1本に抑え込む好投に酔いしれ、絶好調と勘違いした中山は4番相手に調子に乗って田所のリードを無視し、あわや長打と言う打球を浴びる。激怒した田所は好投の原因は谷口メモにある事を明かして戒めるも、逆にナインと田所、そして谷口との軋轢を生んでしまう事に…。
 それでも谷口メモの効果で、押し気味に試合を進める墨高だが、3併殺を食らうなど、雑な攻めであと一本が出ない。5回無死一塁の場面で、事態を重く見た谷口は手堅く送る事を進言。渋々バントを決める村松だが、打ち気満々だっただけに谷口に不満をぶつける。ギクシャクしたムードを一掃したい田所だったが、ショートライナーでゲッツーを食らい、自らチャンスを潰してしまう。7回にも無死一、二塁のチャンスを掴むが、ここでまたも打席には村松。再びバントを進言する谷口に憤懣やるかたない村松は指示を無視して、強攻策に出て凡退。更に、キレのいいカーブを捨てていく墨高の狙いがバレたのか、突然、カーブ主体に切り替えてきた京成高バッテリーの前に田所は三振に倒れて、二死。これに気付いた谷口は佐々木に対して、カーブ打ちの極意を伝授するも、一度にたくさんの事を言われて理解出来ない佐々木はぶちキレて「それだけ分かってんなら、お前が打ちゃいいだろ!」と言い放つ。勿論、谷口への嫌味のつもりだったのだが、田所はそれこそが最善策と気付き、谷口を代打で送り込むのだった。
 
 大筋は原作と変わらないながらも、本質は大幅に変わっていた今回。決定的に違うのは谷口が思いっきり憎まれ役に貶められてしまった事だ。良かれと思ってしている谷口の進言は(田所以外の)全てのメンバーに煙たがられ、反発されてしまった訳だが、原作では谷口の勝利への意欲,野球への真剣さに対して、温度差があり過ぎるナイン達が戸惑いを隠せず、空回りしてしまった印象が強かった。「今までそんな細かい野球はやってなかったから、いきなり要求されても難しいよなぁ」と言う原作に対して、アニメでは「今までそんな細かい野球はやってなかったんだし、一年生ごときの進言なんかに囚われずに、いつも通りの野球がしたい」と言う感じ。村松はまだしも、第3話から引き続いている中山の谷口への印象の悪さがどうにも具合が悪い。プライドだけが無駄に高い傲慢で狭量な人間に映って仕方がない。入部当初は伝説のキャプテンとしてチヤホヤされ、噂通りの打撃も見せつけた筈の谷口なのだが、実際には、中山の態度に代表される様に谷口の力も野球への姿勢もはあまり評価されていないのだ。
 そして、決定的に違う部分が、佐々木の「お前が打ちゃいいだろ」。自分の無能さを棚上げし、本気では微塵も思っていないあてつけの台詞である。これでは佐々木がただの嫌なヤツにしか見えない。原作では、説明しても埒があかない佐々木の困惑した様子に谷口が申し訳なさそうに「僕が打ちましょうか」と自ら申し出ており、この違いはあまりにも大きい。アニメの流れで谷口がタイムリーを打った所で果たして、ナインは素直に喜べるのだろうか。ナインに納得され、期待もされる格好で送り出された原作と違い、半ば田所の独断によるゴリ押しで決まってしまった谷口の代打起用には恐らく誰も納得していない筈。結果を出されては文句も言えないが、内心は決して面白くないのではなかろうか。加えて、まだ2イニングも守備が残っている段階でボールが投げられない谷口を使ってしまう事に関して問題はないのか?と言う重要なやり取りが全てカットされてしまっているのも痛い。一時は諦めていた野球に再び舞い戻った谷口が待望の初打席に向かうシーンを丁寧に描くのは悪くないのだが、幾ら何でも時間をかけ過ぎた。ここにこれ程、時間を割くのなら、もう少しベンチでのやり取りを入れられたんじゃないかと思わずにはいられない。ただ原作通りに進めるのではなく、アニメなりにアレンジを入れる事に関して、今まであまり否定的な態度は取らずにきたのだが、今回は流石に強い難色を示さずにはいられないアレンジだった。
 また、前回心配していた野球の動きに関しても、やはり、不満が残った。振っている経過を省いて、振り終わった後の絵ばかりだったり、全身図を省いて上半身ばかりだったりと言うバッターの動きは相変わらず。内野手の動きにも違和感が残り、打球や送球にもイマイチ、スピード感がないなど、首をかしげてしまう部分が多々あって、「キャプテン」と比べて、何とも爽快感がない。あと、今頃になって気付いたのだが、あのBGMが頂けないのだな。「キャプテン」のBGMは試合を盛り上げる効果が絶大で実に良かったのだが(私はむしろ、DVD−BOXよりも、サウンドトラックの方を出して欲しいくらいで…)、日本一スピード感のない野球アニメ「H2」程ではないものの、「プレイボール」のBGMはどうにもほんわかし過ぎていて、緊張感やスピード感を削いでいる気がしてならない…。今回は色々と批判めいたレビューになってしまい、申し訳ない。
 
 
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トラックバック一覧

1. プレイボール  [ ゼロから ]   July 31, 2005 22:08
代打、谷口登場! で今週は終わってしまいました。 次週、期待しているよ!
2. プレイボール 第4話「意外なピンチヒッター」  [ Precious Prize Platz -Annex- ]   August 06, 2005 19:04
脚本   大浜誠 絵コンテ 三田浩士 演出   白石道太 作画監督 鵜飼一幸 意欲のない野球部。谷口の不安をよそに京成高との試合が始まる。 相手ピッチャーはスピードの割りに球質が軽いから、大きいのを狙うよりコンパクトに当てたほうがいいと進言する谷口。 進言+ショ

コメント一覧

1. Posted by わんだーサク   August 04, 2005 11:13
いえいえ、愛ゆえの批判だと思います。
私も野球の動きに関しては強くそう思います!
手抜きと思われても仕方ありませんよ〜。なんか「愛」がないし自分たちの仕事に対する「プライド」もない感じ。
BGMに関しても手っ取り早く作ったような感も否めません。
20年前出来た事がなぜ今出来ないと、訝しく思います。
ファンにとってさみしい限りです。
いろんな噂がありますが、アニメになっただけでも良かったと思わなくちゃ、と自分を慰めています…。

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