捻挫

March 27, 2007 07:10

 基本的に国外亡命組…いわゆる日本人メジャーと呼ばれる面々に対する日本マスコミの対応に非常に不満がある事もあって、彼らに対する報道は無関心に近い淡泊な目で見ているのだが、この男=桑田真澄だけは別だ。茂雄の陰謀に対して、反旗を翻した造反五人衆も昨年、名手・川相が世界一の技術に全く衰えを見せていないにも拘わらず、大いに余力を残しながら、理不尽にも引退に追い込まれた事により、最早、桑田を残すのみとなった。造反五人衆最後の一角と言うよりも、最後の藤田チルドレンと言った方が健全だろうか。あのチーム力でありながら、獲得を拒否すると言う悪の温床・楽天の血迷った方針により、日本での行き場を失い、かねてからの夢であり最後の希望であるメジャーに全てを懸けた桑田。亡命したからと言って…、いや、亡命したからこそ、最も好きな投手であるこの男を応援せずにいられようか。
 その桑田がこの日、ブルージェイズ戦で5度目のオープン戦登板に臨んだ。表面的な数字では桑田を上回る選手が次々とマイナー落ちしていく中、日本での素晴らしい実績と経験に加え、精密な制球,巧みな投球術,華麗な守備が評価されて、ここまで残っていた桑田にとって、開幕メジャー・最後の1枠を懸けたラストチャンスだ。ここまで全て中継ぎ登板の桑田はこの日も7回から2番手としてマウンドへ。まずは三者凡退で抑える好投を見せたが、悪夢は続く8回に起きた。一死から四球を出した桑田は次打者にセンター前へ弾き返される。センターからの好返球で一気に三塁を狙った一塁走者は刺されたものの、この際、素晴らしい動きで三塁のバックアップに走った桑田はあろう事か球審と激突して転倒すると、右足首を捻って、担架で運ばれる事となったのだ。病院でX線検査を受けた結果、骨には異常がないものの、3段階のうち最も重いとされる「グレード3」の捻挫と診断され、開幕メジャーは絶望的…。あのアクシデントがなければ、2回無失点で切り抜けた可能性も十分にあっただけに、何とも悔やまれる激突だった。
 まったく何だってあんな所に「球審」がいるんだよ!と思わずにはいられない。オープン戦と言えども、通常は審判4人制で行われるのだが、よりにもよって、この日は3人制でやっていたと言うのだから、何と不運な事か…。しかも、この審判118kgと無駄に巨漢。約30kgの体格差で桑田は重傷。審判は全くの無傷だったとは皮肉な限り…(天罰か、この後、この審判はファウルチップで骨折する事になるのだが…)。巨人での晩年も桑田は捻挫の所為でいい流れを自ら断ち切ってしまう事が度々あった訳だが、渡米してから、これで早くも2度目の捻挫(靱帯断裂らしい)。これも茂雄の呪いなんじゃないかと思いたくなるツキのなさだ。だが、開幕メジャーがならなかったからと言って全てが終わった訳ではない。シーズン途中でのメジャー昇格を目指して、マイナーで結果を出し続ける事を期待したい。ここで諦める様な桑田では決してない筈だ。きっと這い上がってくる。そう信じたい。その為にも、まずは足を完治させる事に専念して欲しいものだ。もう開幕に合わせて焦る必要はなくなったのだから…。

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