2015 プロ野球

October 24, 2015

 若大将・原監督の退任により、新監督就任の要請を受けていたマッスル千代の富士だが、この要請を受諾し、現役を退く事になった
 巨人フロントにとって、今季、チームが2位で終わった事は僥倖だったのかもしれない。マンネリ打破の為に若大将を解任したいのが本音ながら、優勝されると今季で契約切れとは言え、契約延長に傾かざるをえないからだ。3連覇の後の2位ですら普通のチームならば、引責など考えられないのだが、常に優勝を求められるチームである不文律に乗じ、若大将に対して、いつまで経っても続投の要請はおろか、契約延長しない旨すら話し合おうとはしない事で、単なる契約切れにも拘らず、暗に、若大将の自主退職を強いる方向に持っていき、あくまで球団主導の退任ではないと言う流れを作る狡猾なやり口だ。
 となれば、とっくの昔に若大将が退任する方向で動いていなければならないにも拘らず、次候補には全くアテがなく、球団史上例のない監督不在の空白期間を作ってしまう事になる大失態。散々噂にだけは挙がった阪神OBの江川氏だが、しょっちゅう東京ドームに来ているにも拘らず、一向にグラウンドに降りては来ず、個性を出そうとして奇をてらった結果論解説に説得力がないなど、現場からの評判は最悪。実際の所は分からないが、江川氏本人によるとオファーなど来てもいないらしい。今夜の松井さんは当面、(怨敵・ナベツネが存命なので)アメリカの野球に関わっていたい(と言う事にしておきたい)らしく、ハナから候補にすら挙げられない始末。めぼしいOBもいない為、マッスル千代の富士が引退するまでの繋ぎとして、名手・川相ヘッドか、斎藤投手コーチの内部昇格の可能性が有力視されつつあったが、実際に動いたのは、マッスル千代の富士への緊急就任要請だった。一体このドタバタ感は何だろうか…。
 幹部候補生として期待されていたマッスル千代の富士が将来的に監督の座に就くであろう事は自明の理であったが、まさか今オフにそういう事態に陥ろうとは誰が予想しえたであろうか。そもそも、マッスル千代の富士自身、来季の現役続行に意欲満々だった。今季は4割近い代打成功率をマークするなど余力は十分に残しており、壊滅的貧打に泣いた巨人において、来季の戦力としても必要な存在だった筈だ。巨人の監督を選手兼任で務めるのは困難とあって、「要請受諾=現役引退」を意味する事を悟り、返答を渋っていたマッスル千代の富士だったが、茂雄には「次の監督はマッスル千代の富士しかいない」などと無責任な事を言われて(フロントに言わされた可能性もあるが)外堀を埋められてしまい、父親の借金を肩代わりして貰う事により、確実視されていたヤクルトの逆指名から急転、巨人入りを決めた…と言う経緯もある以上、どれだけ現役に未練があろうとも、球団に盾突く事など出来る筈もなかったのだろう。
 かくして、マッスル千代の富士はマッスル千代の富士と言う代打の切り札を失う形で来季の指揮を執らされる事となった。しかも、よりにもよって、野球賭博問題の渦中と言う最悪の状況下で矢面に立たされる事になろうとは何とも気の毒だ…。更に、野球賭博報道と言う逆風下、華のある指名で無駄に目立ちたくないからなのか、先日のドラフトはどの球団も2位クラスと評価していた桜井(立命大)の1位指名を筆頭に有名選手絶無の地味な指名が続き、果たして、来季の戦力として使える人材がいるのかと早くも不安視されている。若大将の続投なら、高校の後輩である甲子園V投手・小笠原(東海大相模)の指名も十分に考えられたが、若大将カラーの余韻を残さない為かすっかり立ち消えてしまった様だ。とにもかくにも可哀想なマッスル千代の富士なのである。
 ただ、個人的にはマッスル千代の富士の引退以上に残念なのが、これにより、名手・川相ヘッドの監督就任の可能性はほぼ永久になくなってしまったのではなかろうかと言う事だ。名手・川相ヘッドの手腕はフロントにも評価されており、今季は若大将がインフルエンザで倒れた際には、代行として指揮を執り、4勝1敗の好成績。OBの広岡氏には「若大将より何倍も監督らしい」と言わしめた。とかくスター選手を監督にしたがる巨人において、名手・川相の存在はいかにも地味過ぎるのは確かだが、この有力候補不在の状況は茂雄と王さん、王さんと茂雄の繋ぎとして藤田元司氏が就任した時と酷似している。藤田氏と言えば、名手・川相の力を引き出した恩師であり、藤田野球の申し子である名手・川相がこのタイミングで監督に就任するのは正に運命的であった筈だ。にも拘らず、この期をむざむざ逸してしまった。果たして、マッスル千代の富士政権が何年続くかは分からないが、退任を余儀なくされる頃には、今夜の松井さんないしは阿部辺りが後任候補として挙がってくる事だろう。名手・川相監督誕生の最大にして最後のチャンスはマッスル千代の富士の無理矢理就任劇により、途絶えてしまったと思わざるをえない。名手・川相政権下で、息子・拓也が一軍に昇格する親子鷹の実現はこのまま夢と消えてしまうのだろうか…(正直な所、拓也の方は一軍昇格どころか支配下登録も厳しいのが現実ではあるのだが…)。
 ともあれ、名手・川相監督の目がなくなった事も、マッスル千代の富士が引退する事も極めて残念ではあるのだが、フレッシュな新監督が誕生する事はそれなりに楽しみではある。結果的に、藤田氏就任のケースよりも、むしろ長期政権を握っていた川上氏から現役引退即就任した茂雄に禅譲された時と同じケースになってしまった恰好だが、茂雄は茂雄と言うカリスマ選手を失ったチームを指揮する羽目になり、結局、初年度は球団史上初の最下位と言う最悪の結果を生んでしまっている。あの時の二の舞にならない事を祈るばかりだ。不安材料は多いものの、マッスル千代の富士新監督には逆風に立ち向かって結果を残してくれる事を期待したい。

 

追記:マッスル千代の富士の監督就任発表から一夜明け、何と井端までが現役引退を表明。マッスル千代の富士同様、大いに余力を残しており、2000本安打まで僅かに88本と迫っていた事もあり、来季の現役続行に疑問の余地はないかに思われた井端だが、「(大学時代からの知り合いである)マッスル千代の富士より先に辞める事はあっても長くやる事はないと思っていた。マッスル千代の富士が辞めた時は一緒に辞めようとジャイアンツに来た時から思っていた」とコメントしており、つまりは、マッスル千代の富士がこういう事にならなければ、現役続行していたと言う事。悪夢の監督人事が更なる職人喪失に繋がってしまった訳だ。今季の巨人はただでさえ貧打に喘いでいたのに、バント成功率は壊滅的で、進塁打すらまともに打てない有様。こういう野球がきっちり出来る貴重な存在であり、内野ならどこでもこなせる井端の引退は多大なる損失と言えるだろう。新組閣で内野守備走塁コーチに就任すると言う噂も挙がっているが、裏方としてではなく、貴重なバイプレーヤーとして、マッスル千代の富士政権の苦難の1年目を支える道を選択して欲しかったと思わずにはいられない。



ritzberry at 01:47コメント(0)トラックバック(1) 
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