キャプテン・プレイボール

April 02, 2006 12:25

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「ミート、ミートって、まるでお題目だなって…」

 百瀬のチェンジアップ(スローカーブ?)対策が見出せず、取ってつけた様な助言しか送れない事に苦笑いするなど、いつになく弱気な発言をしてしまう谷口の様子はいかに深刻な状況かを物語る。しかし、この状況を打開したのが、すっかりスコアラーとしてのスキルを発揮しまくっている半田と言うのが熱い。そもそも、川北高は百瀬対策はチェンジアップ(スローカーブ?)攻略が最重要課題である事くらい分かってた筈だろうし、解釈に戸惑う様なノートをただ渡すよりも、打者の立ち位置が攻略の鍵だと一言、教えてやりゃ済んだ話だよな…。因みに、背中から来る変化球に対して、投手寄りに立って死球の可能性を高めるってんならともかく、内に食い込んでくる変化球に対して、捕手寄りに立って、体に当たったとしても、ベースを通過した後だから、死球にはならず、ストライクと判定される筈なんだがなぁ…。と言うか、あれだけキレがあるんだったら、少々外から入ってくる球道で打者に当たらない様に投げても簡単には打たれないんじゃないの?>百瀬
 あと一人と言う絶体絶命の場面で二塁まで行けたかもしれない打球を放ちながら、一塁にヘッドスライディングかましてしまう太田が妙に可愛い。しかも、恒例のほんわかBGMまで流れてしまい、ついさっきまでの緊張感が嘘の様なほんわかムードに…。打球を追ってベンチに突っ込んでも平気な顔の不死身ぶり…と思いきや、実はあとでぶっ倒れる程のダメージを負っていた倉橋も熱かったのだが、その後、全然ダメージなど残っていないかの様に普通〜に打席に入って、普通〜にヒット打ってしまったのは釈然としないねぇ。これじゃ、あのぶっ倒れたシーン必要だったの?と思ってしまうではないか。最後の最後で決めたのは中山(谷口の本塁寸前の転倒の所為でおいしい所を持っていかれてしまった感はあるが)。谷口とのアイコンタクトで平常心を取り戻したり、今までの確執が嘘の様に倉橋から期待を寄せられる辺りも、燃える展開だった。それにしても、相変わらず、ちばあきおの主人公チームの疲弊度は凄まじい。野球って、こんなに全員が揃いも揃って消耗する様なスポーツじゃないんだけどなぁ(^^;)。先日のセンバツの早実−関西とか見ても分かる様に15回引き分けで翌日に再試合やっても、ぶっ倒れる選手なんかいない訳で…。練習しまくってる割には、一向にスタミナつかないよね、こいつら…。谷口もサッカー部時代に見せた無尽蔵のスタミナはどこに行ったんだろう?

プレイボール 第4巻 大飛球のゆくえの巻 (4)

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March 25, 2006 22:06

pb2nd_09.jpg WBC記事のトラックバック貼りに追われ(^^;)、すっかり放置状態だった「プレイボール」レビュー。流石に3話分も差をつけられる訳にはいかないので、ぼちぼち再開。試合開始早々、伝統芸「メガネ、メガネ…」をやってくれるイケメン中山。この時代にはコンタクトと言うものは存在しないのだろうか。外れたくらいで送球が出来なくなる程、支障があるなら、相応の対策は練っておけよ。因みに、私は視力0.1以下で乱視も僅かに入ってるが、草野球(と言うか、草ソフトボール)は普通〜に裸眼でやってるもんで、メガネが外れただけでこうなってしまう人って、一体どれだけ視力が悪いんだろう?といつも疑問に思ったりする。それはともあれ、今回は中山は守備面で大活躍。最早、すっかりサードの人になってしまった感じ…。しかし、ライナーや小フライで戻ろうとした走者を刺すのに悉く走者にタッチにしに行く辺り、例によって、スタッフは野球を分かってないね(+_+)。一夜漬け特訓で迎えた難敵・専修館戦だが、倉橋が毒舌を吐かなくなってしまい、墨高ベンチがギスギスしていないのに加え、相変わらずのほんわかBGMの所為で試合内容の割にはイマイチ、緊張感に欠ける展開。今回はいつになくほんわかBGMを多用していた気がするのは気の所為か? ああ、「キャプテン」のBGMはあんなに熱かったのに…。ところで百瀬の切り札は結局、「チェンジアップ」なのか、「スローカーブ」なのか、はっきりして欲しい。、倉橋は最初「チェンジアップ」と言ってたのに、以後、「スローカーブ」に訂正したかと思えば、終盤でまた「チェンジアップ」とか言い出した。でも、他のナインは一貫して「スローカーブ」。実際、思いっきりボールが曲がってるので、スローカーブにしか見えないんだが、百瀬の握りは全然カーブではなく、手首を捻っている風でもない。何より今回のサブタイトルは「混迷のチェンジアップ」なんだよなぁ(^^;)。

プレイボール 第3巻 逆転への足がかりの巻 (3)

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March 11, 2006 23:30

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 天才型の選手がはびこりまくる野球創作モノの中で、等身大レベルの選手が努力努力で這い上がる様がリアル…と、かつては謳われていたちばあきお作品(最近ではこういうタイプの作品も増えてきた)だが、実の所、そうでもない。いかに猛練習をこなしていると言っても、それを結果に繋げる速度,吸収力が尋常ではないのだ。「キャプテン」で谷口時代の墨谷二中が青葉学院の一軍に勝つのは、冷静に考えれば、やはり無理がある(丸井時代以降はそうでもない)。「ローマは一日にしてならず」と言う言葉はちばあきおの辞書にはないらしく、それはこの「プレイボール」でも同様の展開に…。いくら何でも試合前日に突然、始めた練習の効果が翌日に遺憾なく発揮されれば、苦労はないだろう…と言うツッコミはこの作品を見るに当たっては、するだけ野暮な話なのは分かっているのだが…。谷口の言う中学の時にやった効果的な練習…、てっきり剣道の防具をつけるのかと思いきや、いきなり生身丸出しの単なる至近距離ノック。しかも、硬球。流石の島田,加藤も恐れおののいてるよ。そもそも、この練習、外野手にとっても本当に効果的なの?と言うのは「キャプテン」の時にも思ったなぁ。実際、倉橋に「外野で補欠のお前にこの特訓続けたって意味がない」って言わせちゃってるけど、いいの? 外野のレギュラーだって同じでしょ。
 で、これ以降、練習内容自体にさしたる変化はないものの、ストーリー的には完全にオリジナルなものへと発展。どうしても「2nd」は倉橋絡みで一騒動起こさずにはいられない様で、その為に必要以上にヘタレに描かれているナインが不憫でならない。半田と倉橋の絡みはなかなか良かったと思うが、倉橋の言動がナインのやる気を引き出す為…と言うのは、どうにもご都合主義的だ。ああもうまく事が運ぶ事を計算してやっているとしたら、それはもう神の所業である。それに、その為に半田をスケープゴートに仕立てて卑下するって、人間的にどうよ? 半田も了承の上の策略だったら分からないでもないが、半田の様子を見る限り、そういう訳ではなさそうだ。下手をすれば、特訓も行わない儘、倉橋抜きで専修館戦を迎える危険性だって十二分にあったではないか。半田がバッティングセンターに行こうと言い、しかも店の人から一緒に来る友人(=倉橋)の話が出なければ、ああいう展開にはならんかったろうし…。無茶な練習をやらされて納得がいかないナインのやる気を引き出す…と言う同じ意味合いのエピソードでも、「キャプテン」で抗議に向かったナインが谷口の神社特訓を目の当たりにして、刺激を受けた時と比べると、どうしても質が落ちると言わざるをえないなぁ。それにしても、バッティングセンターであまりの絶妙のタイミングで出てきた倉橋。サッサと帰った筈の倉橋が、あんなに遅くまで練習していたナインより、あそこに行くのが遅い事自体、違和感ありあり。絶対、こいつ野球部の練習を陰でこっそり覗いていて、バッティングセンターに行くとなったら、尾行を開始し、半田の話を聞いていて、ここだとばかりに登場するタイミングを窺ってたよなぁ(笑)。そうそう、すっかり忘れていた川北高と再び絡みがあったのはちょっと良かったね。「またチャンスがありますよ」って、「さん」付けしてるって事は、田淵は3年生なんじゃないの? もうチャンスないじゃん、酷いよ、谷口…。

プレイボール 2nd vol.1(仮)

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March 04, 2006 21:03

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「君…、もう俺に2度とそれを蹴らせないでくれよ…」

 上のシーン、結構、楽しみにしていたのだが、非常〜に地味だった。原作だと思いっきり蹴り飛ばしているのだが、アニメではチョンと爪先で弾いただけ。西田の度重なる妨害行為を観客に対して隠しているとも解釈出来るが、走塁線上にないからと言っても、あんな中途半端な所にマスクを転がされると、走者としては嫌な感じだと思うし、原作くらい遠くへ弾き飛ばしてくれた方が助かる気が…。試合終了時と言い、西田のおかげでこの主審は色々とおいしい役だったね。結局、妨害行為は監督が入院した事で責任を背負い込み、追い込まれていた所為らしいが、それって、許されるに値する理由か? 墨高はずっと監督なしでやってきて、谷口は2年生なのに必死でチームを引っ張ってきてるのに…。

「頼むぜ、谷口! うな丼が待ってるぞ!」

 谷口にこんな事言ったって、そんなに躍起になったりはしないぞ>田所。まぁ、結果的にサヨナラ打は打ったが、うな丼効果でない事は明白。谷口にやる気を出させるには、やはり、タイヤキしかあるまい! みんなこれくらい安上がりな後輩なら田所も苦労はしないんだろうがなぁ。元々、社会人一年目でナイン全員にうな丼おごるなんて、酷な話。何事もなく、カツ丼で誤魔化せて良かったね。

プレイボール 第2巻 ひるむな谷口の巻 (2)

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February 25, 2006 23:18

pb2nd_06.jpg 二死でセンターオーバーの打球が飛びながら、二塁から本塁でタッチアウトと言う大失態を演じた倉橋。相手捕手・西田への抑止力や主審への注意力を促す為に挑発めいた発言をしていたのは分かるが、その意図を味方に隠すと言うか、あえて言わない理由が分からない。3点ビハインドで、身を持って分からせないとダメ…なんて事を悠長に言ってられる状況でもなかろうに、チームに不和を引き起こしかねない行為は理解に苦しむなぁ。ちゃんと伝えていれば、中山がマスクを蹴り飛ばす事もなかったのでは? 松川に対する甘えを許さない厳しい言動など、確かに倉橋は計算した上で動いている事が多い。下手な弁解はせずに、自らのプレーで皆を引っ張ろうとする考え方も決して悪い事ではないが、試合中にそれがプラスに働くとは限らないし、何となく都合よく事が運んでいる様に思えてしまう…と言うのは、ひねくれた見方だろうか。一方、まずいプレー,弱気なプレーに対して、内心では文句を言いながら、上辺では、にこやかな態度の聖陵・西田。思った事をはっきり口にして、決してお茶を濁さない倉橋とは正反対。倉橋がナインからだんだん理解を得ていくのに対して、西田がナインからだんだん信頼感を失いつつある展開も対照的で面白い。今回の試合、勝利への支障となるものが「西田の妨害行為」だったり、「倉橋と三年生の不和」だったり、ストーリー上、間違いなく試合中に解決するだろう…と言うものばかりで、シード校相手に序盤から大劣勢…と言う苦しい試合展開とはあまり感じられず、何となく緊迫感に欠ける気がするなぁ…。それにしても、一塁ベンチ付近へのファールフライを右手でダイビングキャッチし、その儘、空中で反転し、一塁へストライク送球でゲッツーを取ると言う倉橋の超ファインプレー(しかも頭っからベンチに飛び込み、全くの無傷)はアストロ超人もびっくりの神業だな。あまりにもありえないスーパープレーはこの作品でだけはやっちゃいけないと思うぞ…。ところで、聖陵のピッチャー・岩本がずっと誰かに似てる気がすると気になっていたのだが、ようやく分かった。こいつ、キュラソ星人だよ…(^^;)。

プレイボール 第1巻 野球への決意の巻 (1)

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February 17, 2006 21:48

pb2nd_05.jpg 相変わらず、倉橋の毒舌が冴え渡る。エースナンバーをつけながら、全然ピッチャーをやらせて貰えず、前回はサード,今回はレフトとすっかり便利屋と化してしまった中山はおかんむりの様子。しかし、谷口なら倉橋が言わんとする問題点くらい、事前に気付けるだろうし、倉橋のキツい発言が飛び出す前に自らやんわり指摘してやるべきではなかろうか。上級生だから、気を使っているのだろうが、今の谷口は下級生であろうともキャプテンなのだ。前回でも分かる様に、谷口は言うべき時にはどんなにキツい事でも言える男なのだし、その言葉には否が応でも従わなければならない気にさせる説得力もあるのだから…。1,2年生には谷口&倉橋のアメとムチ的な接し方でいいと思うが、最早、3年生は倉橋の指摘を理性的に受け止められない状態な訳で…。もう1年も一緒にやってるんだから、いい加減、雨降って地固まれよ!って感じだけどなぁ。田所のリーゼント七三分けが爽やかかどうかはともかくとして、イマイチ、ピンと来なかった「昨年と比べて墨高ナインがどれくらい成長してるのか?」と言う点を分からせるには一役買った様だ。谷口はいつの間にかシュートなんか覚えてる様だが、結局の所、フォークはどうなったのか、気になる。ところで、谷口はどうやってシュート打ちの練習したんだろう?
 さて、聖陵戦。攻守を間違えて応援する田所&谷口の父ちゃんがイタ過ぎてまいった。応援団の連中も長い事、放置し過ぎ…。1フレーズ目で教えてやれよな(^^;)。倉橋の本塁生還阻止へ、聖陵の捕手・西田は走塁ライン上にマスクを落とすと言うあざとい事をかましてきたが、それ以前に二死でセンターオーバーの打球が飛んだのに、二塁走者が本塁でクロスプレーって、どういう事よ? (1)無死ないしは一死だと勘違いしていた→(2)その上でセンターに捕られるかもしれないと言う判断ミスによりギリギリまでタッチアップの構えでいた…なんて事でもない限りはあり得ない。はっきり言って、中山達は今までの恨みとばかりに、倉橋に対して大いに文句を言っていい! 実際の所は製作スタッフがしっかりしろよ!って話なんだろうけどね。センター前ヒットでいいものを、何故、わざわざセンターオーバーにするかねぇ。

プレイボール O.S.T. 2005

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February 12, 2006 00:15

pb2nd_04.jpg 三年生が慢心しまくって、先制を許す嫌な立ち上がり。谷口の厳しい叱咤により、2回表にして早くも正気に返ったと言うのに、0−1の儘、あっと言う間に9回まで引っ張るとは予想外の展開。早々と気の緩みを取っ払った事で、地力の差を見せつけてコールド勝ちを収めた原作とは、もう完全に別物だ。それにしても、たかだか三回戦進出くらいであんなに慢心するかねぇ? そんなダメ三年生に対しての谷口の叱咤が熱い!

「負けますよ! この儘では…、確実に負けます。去年、僕達が三回戦まで残れたのは勝ちたいと思って力を尽くしたからです。墨高なんかに負ける訳がないと思っていた強豪校相手に一つ一つ必死に点を取ってきたんじゃありませんか! 勝ったのはまぐれなんかじゃありません。今の言問は去年の僕達と同じです!(中略)僕達にとって、今一番の敵は気の緩みです。半田の偵察を無駄にしない様にしましょう!」

 どんなに劣勢でも勝利を諦めない谷口にして「負けますよ」と言わしめた事が事態の深刻さを物語っている。しかし、これは偵察結果報告会の時に言っておくべきだったな、谷口よ…。あそこまで初回の1点が重くのしかかるなら、三年生の慢心ぶりは試合中盤以降まで引っ張っても良かったんじゃなかろうか。おかげで、折角の谷口の叱咤が効果覿面に感じられなくて、ちょっと勿体なかった。あれでは初めからまっとうな精神状態で戦っていたとしても、それなりに互角の展開になっていた気がするし…。そんな中、地味に半田がフィーチャーされてるのが、これまた熱い展開。半田の偵察報告は悉く的を射ており、谷口もそれを分かっている所がいい。土壇場でナインが諦めかけている中、まるで谷口の様に試合を捨てずに、相手を冷静に分析出来る半田は果たして、こちらの道に進むべきなのか? さて、今回のサブタイトルは「緊迫のスクイズサイン」な訳だが、それにも拘わらず、スクイズやらないとは思わなんだ…。スクイズ読んでるんだったら、サードにダッシュさせるより、とりあえず、ウエストしろよな>言問バッテリー。最終的にナイン全員が勝てたのは半田のおかげと素直に認める展開もグッときた。ところで、指の手術後、フォーク一辺倒ではなくなった筈なのに、未だに谷口がエース扱いされてる事に何となく理由付けが足りない気がする。それでいて、エースナンバーはしっかり中山が付けてるんだよねぇ…。

プレイボール vol.4

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January 31, 2006 06:37

pb2nd_03a.jpg 前回はカッコ良かった上級生が、今回は一気にヘタレモードに突入。力のある新入生にレギュラーの座を脅かされ、相乗効果でチーム力もアップ…と思いきや、気を引き締めていたのは、あくまで対内的な話だった。対外的には昨年の三回戦進出ですっかり慢心しきっている様子。それでも、弱小・言問高に対する偵察の必要性や、五回戦進出を目標とする事を谷口に言われて、気を引き締めたかと思いきや、全く効果はなかった様子。中山,山本がヘタレているからと言って、偵察しなければいけないと自覚していた鈴木だけでもちゃんと見ておけよ! 中山達ばかりか、太田や山口らもロクな偵察はしてこなかったり、そのくせ、この日は偵察だけで練習しないと思っていたり、上級生のヘタレぶりに倉橋が激昂するのも当然。これだけ大モメしたにも拘わらず、何ら解決させないで試合に突入してしまったが、それでいいのか、谷口? キャプテンなんだから、あそこで上級生をなだめてちゃダメだろ。まぁ、次回でそのしっぺ返しは受ける様だが…。昨年、自分達がどうやって勝ち進んでいったかを考えれば、こんな所で慢心してるってのは変な話。しかも、昨年、弱いチームが一人の選手によって大きく変わる事だってあるのだし…。そう、昨年の墨高の様に…。川北高戦が途中で切られたり、城東高との練習試合が飛ばされたりしてるから、余計に違和感が伴うんだなぁ。

「一回戦でつまずいたら、最後まで勝ち残るったって、それまでですからね」
「えっ、最後まで…って、甲子園の事を言ってるの、お前?」
「い…、いや、例えばですよ。例えばの話…」

 それにしても、墨谷二中出身者同士の会話はどうしてもニヤリとしてしまう。ここでようやく丸井が墨高をすべった件が露呈。谷口はああは言っているものの、まさか本当に転入してくるとは思っていないかも…。谷口と言えば、五回戦進出を目標に掲げたものの、本音は甲子園出場なんだろうなぁ。いや、今からそこまで先の事を考えている訳ではないのだろうけど、ここまで進んだから満足とか、流石にあそこには勝てないだろうとか…そういう諦めの発想は断じてしない男なので、勝ち上がる度、次も勝つ事を目標に…とやっているうちに、気付いたら甲子園に行っちゃったりしそうなタイプだね。

「あ〜あ、約一名、一年生効果のないのが戻ってきました〜」
「鈴木は草野球やっていた半田よりもずっと飲み込みが早いしな」
「しかし、あれ程、進歩のない人物も珍しいねぇ」
「まぁ、確かに半田がいない方が練習ははかどるってモンだ」

 相変わらず、執拗な半田バッシングを続ける倉橋。前回、谷口に「野球が出来るだけで幸せと思える奴だっているんだ!」と怒鳴られたばかりなのに、まだこういう事を言わせるか。あれは完全オリジナルのエピソードだったけど、ああいう話を挟んだ以上、その後の倉橋の態度はある程度、改めさせた方がいい様に思うのだが…。中山達への失言はプラスに働けば(結構、マイナスにも働いてる事も多いが)、発奮してくれる可能性もあるのだが、半田への失言は単なる嫌味や皮肉では済まないだろ。少なくとも、半田は手を抜いたり、気を緩めたりしている訳ではないのだし…。その半田、一年に刺激され、不甲斐ない自分に悔しさを見せたり、抽選会や上級生が手を抜いた偵察に行く事を買って出たりと頑張ってはいる。この辺りの行動が果たして、「逃げ」と見られるか否か…。谷口もそんな半田を気にかけている様子なので、やはり、今シリーズでは鍵を握る存在になりそうだ。

プレイボール vol.3

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January 22, 2006 23:12

pb2nd_02a.jpg まさか本当に没収試合になるとは…。半田絡みのトラブルどころか、川北戦そのものが完全に袖にされるとは予想外であった。結局、肩の問題は前振りで、真の問題はあくまで指の方。完治する可能性を示唆されるも、手術成功率が極めて低く、一生ボールが握れなくなるかもしれない…。手術をしないで、この儘、フォークを投げ続ければ、右肩は壊れてしまう。この指の手術に関するやり取りに関しては、原作よりも遙かに良かったと思う。これくらいリスクのあるものでないと、あれ程、野球を愛している谷口が一時は諦める決意をした事の重さに説得力が感じられない。診てくれた医者が田所の知り合いの町医者ではなく、名門川北高校の監督の友人でスポーツ医学に詳しい人…と言うのも説得力に輪をかけた感じだ。実際の所、あの指の手術の難易度、今で言えば、どれくらいのものなんだろう? 約30年前の話だから、あれくらいの成功率でも不思議ではないのかな。ただ、フォークの投げ過ぎは肩ではなく、肘に来る筈なんだけど…(^^;)。

「面白いとか、面白くないとかじゃない。野球をやってるだけで幸せだと思える奴だっているんだ!」

 倉橋の失言に、思わず語気を荒げる谷口。文字通り「野球をやってるだけで幸せと思える」谷口のこの言葉は重い。そんな谷口は実際、1度野球を諦めている。その苦しさ,悲しさは身をもって体験しているのだ。そんな辛い想いに再び見舞われるかもかもしれない。しかも、今度は正真正銘、再起不能を通告されている。想像するだけで、その絶望感は計り知れないものがあるだろう。

「これは谷口だけの問題じゃないでしょうが! あいつはエースピッチャーでキャプテンなんだ。それを投げられなくなったりしたら…」
「俺達はこの事に絶対口出ししちゃならないんだ。あいつ自身が一番大切にしてる野球の事なんだからよ。
それにたとえ球が投げられなくなったとしても、俺達のキャプテンは谷口だ。それだけは俺ら、変えるつもりねぇから…」

pb2nd_02b.jpg 谷口が手術をするか否かと言う件について、谷口の様子がおかしい事に最初に気付いた倉橋が谷口個人ではなく、チーム全体の利害に関わる問題…と現実主義的な発言に終始したのに対し、何も知らずに谷口の問題を軽く考えていた山本らの方が谷口自身の決断を尊重しようとした。この両者の考え方の違いは逆にする事も出来た筈だが、こういう展開にしてくれたのは、かなり嬉しかった。また、谷口の両親も暖かく見守るだけで、最後の決断に関しては決して口を出そうとはしない。相変わらず、谷口と両親の絆の深さはグッとくるものがある。実際の所、谷口はフォークしか投げられない訳ではない。速い送球を投げる為に模索した末の結論がフォークの握りで投げる事だっただけの話で、球速は落ちるものの、ゴロ送球に戻せば、肩の故障を気にする必要はなくなる。フォークを投げまくった末に右肩を壊したとしても、再起当初の様に代打屋として生きる道もある。決して絶望的な状況な訳ではなかったが、結局、谷口は騙し騙し不完全な状態で続ける事より、恐怖を乗り越えて、リスクの高い手術に挑む選択肢に賭け、進級と同時に復活を果たす。

 正直、期待半分,不安半分で待っていた今回だったが、期待を大幅に上回る出来でかなり満足している。今シリーズはライトなレビューを…と言っていたのに、思わず、つらつらと書いてしまったなぁ。何だかんだ言っても、前シリーズだって、人間描写やストーリー面では満足度の高い作品だったっけ。野球しているシーンさえなければ、紛れもなく良作アニメと言っていい………のだが、野球アニメなんだから、それで満足しきる訳にいかないのが歯痒い所だねぇ…。


プレイボール vol.2

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January 15, 2006 21:50

 いよいよ始まった「プレイボール」の第2シリーズ。2ndのレビューを始めるに当たり、まずはお断りを。1stの時と比べると、若干、モチベーションが落ちている事に加え、丁度、話が盛り上がるであろう頃に繁忙期にさしかかる自身の仕事の都合上、今シリーズは、感想メインのライトなレビューでいこうと思っております。1stの様な濃密なレビューをご期待されている方には申し訳ない限り…。

pb2nd_01.jpg 新OPはまたまた「君は何かが出来る」のカバー。う〜ん、1stのアレンジの方が良かったかなぁ。タイヤキ屋のシーンは、相木&今野だったのが、倉橋&田所に置き換わっていたけど、倉橋と田所が一緒にタイヤキ屋に来るシチュエーションが謎…。やっぱり、サッカー部コンビはもう出てこないのかなぁ。それにしても、ラストのナインが勢揃いの所で、島田,加藤はいるのに、丸井がいないのが気がかり…と思っていたら、EDではしっかり出ているので、どうやら丸井が加入する所までやってくれるみたい。とりあえず、2ndで一番気になるエピソードになりそうなので、感動的に仕上げて欲しいものだ。
 3年生が引退、谷口新キャプテンの下、始動した新チーム。いきなり川北戦の真っ最中からスタートとは思わなんだ。早速、観戦に来る田所がイガラシキャプテン時代の丸井みたいでいい。1stで処理済の倉橋に続き、新たに加わった鈴木,半田の入部経緯は説明的な台詞で処理されてしまったが、とりあえず、田所のあのポスターはきっちり出てきたのでよし。ここから始まった事で谷口の右肩痛も川北戦前から川北戦中へと移行した様だが、この流れは不自然さがなくて良かった様に思う。でも、こんな中盤で谷口を故障させてしまって、試合の結末はどうなる事やら…。まさか棄権じゃあるまいな…。鈴木がずっとスタベンで、半田をいつまでも使い続けているのも、原作と大きく違う点だが、今シリーズ、半田がキーマンだったりするのだろうか。EDを見ても、そんな雰囲気だし…。ところで、倉橋が「君の指の加減でフォークが投げられたからこそ、どうにか(東実に)勝つ事が出来た」とかぬかしとったけど、おいおい、勝ってないってば…。
 さて、ついに次回は谷口の指の話…なのか? 1stで散々文句たれた要素である、曲がった儘の指が曲がらない儘に改変されてしまった件を、果たして、どう処理するのか見ものである。…と言っても、曲がらない儘の指でフォークを投げまくっている段階で既に説得力皆無なので、下手に期待すると落胆が大きいかもしれない。ただ、原作では、そんな簡単に?と言うくらい呆気なく問題が解決してしまい、野球との決別まで考える程、苦しんでたのがバカみたいな展開だった訳で、何やら色々と葛藤がある気配の予告編にやっぱり期待してしまうのである。まさか指の事ではなく、右肩の事で葛藤するんじゃあるまいな…と言う一抹の不安もあるにはあるが…(^^;)。

プレイボール vol.1

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October 09, 2005 11:28

pb13.jpg 谷口を抑える事が勝利に繋がると何度となく念を押され、意気揚々と立ち向かう近藤は立て続けにど真ん中への快速球で2−0と追い込む。球筋を見極めていた谷口を手も足も出ないと勘違いして、調子に乗った近藤は3球目も同じ所へ投げ込むが、谷口はこれをいとも簡単にレフトスタンドへ運んでしまう。動揺冷めやらず、制球も乱れてきた近藤だが、「お前の球は誰にでも打たれる球じゃない」と言う丸井の檄に気を良くし、後続を三者三振に斬ってとる。すっかりメンタル面では立ち直った近藤だったが、この直後、試合前に全部飲み干してしまった丸井特製スタミナドリンクで腹を下してしまい、体調面では一気にどん底へ…。一方、中山は谷口の指示により、サードに打たせて取る投球に切り替え、高木,加藤を抑える。谷口の作戦に気付いたイガラシは次打者の丸井に対策方法を伝えるも、逆に、イガラシの指示に気付いた谷口の指示により、丸井もサードゴロと凡退。その裏、下痢でへろへろになってしまった近藤はメッタ打ちを食らい、一挙6失点で形勢逆転。これで一気に墨高ペースになると思いきや、4回、東実戦での左足の故障が突如、再発した中山は制球が乱れて満塁のピンチを作ってしまう。ここで打席に入ったのは下痢の近藤。早くトイレに駆け込みたい近藤は火事場のクソ力で満塁弾を放ち、全速力でベースを一周すると、笑顔で迎える丸井をふっ飛ばして、その儘、トイレへ直行。足の痛みが増す一方の中山は高木,加藤,丸井と3連打を浴びると、イガラシには押し出し四球を与えて、試合は振り出しに。限界の中山に代わって、マウンドへ上がった谷口はフォークの連投で小室を空振り三振に斬って取り、ピンチを脱出。その裏、二死満塁のピンチを迎えた近藤は下痢である事をつい口走ってしまい、交代を命じられる。当然の様にイガラシがマウンドに立とうとした時、スタンドで見ていた佐野が自分に投げさせろと名乗りを上げる。谷口との対戦を楽しみにしていた筈のイガラシだったが、あっさり佐野の登板を認めてしまう。その真意は来年、高校に上がり、対戦する可能性もある佐野の球を谷口に見せておこうと言うものだった。投球練習に入った佐野の剛球を捕れずに音を上げる小室を見て、今度は倉橋が自分が捕手を務めると名乗り出る。ストレートを2球続けて谷口を追い込んだ佐野は、3つ続けるのは危険とカーブを要求する倉橋のサインを無視して、3球目もストレートを投げ込みながら、谷口をサードへの凡フライに打ち取る。以前対戦した時よりも球が速くなっており、キレのいいカーブもある事から攻略は容易にはいかないと分析する谷口だが、それでは困ると墨高ナインはムキになる。さっきまで気楽に取り組んでいた墨高ナインが急に勝敗に拘り出した背景には倉橋が墨谷二中の助っ人に加わった所為だった。倉橋はかつて墨高野球部に所属していたが、「ヘボチーム」と幻滅して、3日で辞めた男だったのだ。回は進んで7回表、墨谷二中の攻撃。谷口との対決を夢見ていた丸井もフォークの前に力み過ぎて空振り三振。しかし、勝利に燃えるイガラシは執念のバントヒットで出塁すると、冷静にフォークの球筋を見極めた倉橋の長打により、イガラシが一気に生還して、ついに勝ち越し点を奪う。その裏、谷口を打席に迎え、またも倉橋のサインを無視して、ストレート勝負に走る佐野。しかし、流石にいつまでも通じる訳はなく、谷口は会心の二塁打を放つ。直後、倉橋と佐野が配球を巡って衝突。壮行試合が台無しになりかねない所だったが、熱くなるな、と谷口が割って入る。よりにもよって、一番熱くなってプレーしているのがミエミエの谷口にこんな事を言われてしまい、すっかり和やかなムードとなり、この場は無事、収まるのだった。その後、一進一退の攻防が続き、8−7と墨谷二中1点リードの儘、9回裏へ突入。墨高は二死一塁で谷口を迎えると言う所で突然、大雨が降り出し、一時試合は中断。「少しでも長くみんなと野球をやっていたいから、この雨は止んで欲しくない」と言う佐々木の言葉にしんみりする墨高ベンチだったが、田所は「これで最後って訳じゃない。学校卒業しても、野球卒業する訳じゃないんだからな」と語る。そうこうしているうちに雨は上がり、再び谷口は打席へ。最早、好きな様に投げさせようと気持ちを固めた倉橋の配慮でまたもやストレート勝負を挑んだ佐野だが、谷口はこれを弾き返し、打球はライトオーバーの大飛球。同点のホームを踏んだ一塁走者に続いて、谷口も一気に本塁を狙う。クロスプレーとなったその結果は………。試合後、両軍が揃って帰路に向かう際、山本が突然、キャプテンを降りたいと言い出した。谷口の後輩である墨谷二中の面々を見て、自分ではあんな風には育てられないと痛感した山本は谷口にキャプテンを引き受けて欲しいと申し出る。再入部を宣言した倉橋らに背を押された谷口は快くキャプテンを引き受ける事にするのだった。

 野球シーンは相変わらずの体たらくなので、それに関する不満は割愛。今回はそれ以上にシナリオ面に関して、色々と不満の残る回だった(最終回なのに…)。谷口とイガラシの駆け引きはそれなりに見応えがあった…様に見えるのだが、徹底してサードに打たせようとする谷口の作戦は少々感心しない。東実戦前の様にナインが非協力的だった頃ならともかく、今は他の野手陣も特訓を積んで、それなりの守備力を身につけている状態。にも拘わらず、サード限定で打たせようとするのは、他の野手陣を全く信頼していないと言う事になるではないか。果たして、谷口がこんな傲慢な指揮を執るだろうか? イガラシの指示もある意味、おかしい。投げる前から立ち位置を変えていたら、作戦の意図がバレバレではないか。大体、墨谷二中のレベルならば、普通の位置で打席に立っていようとも、内角が来ると分かっていれば、確実に捉えてヒット出来るくらいの実力を備えていそうなものだ。丸井までが中山レベルの投手相手にボールの出し入れ程度で翻弄されるのはどうも腑に落ちない。中盤戦は下痢の近藤,故障再発の中山がいずれもメッタ打ちと言う何とも都合のいい展開で随分、大味な展開に。中山のあの痛がり様を見るに全然治っていなかったとしか思えない。たかだか壮行試合に無理して先発する必要などないくらい重傷ではないか。元々、完治してないのが分かっていながら、無理してマウンドに上がった…と言う描写があった訳でもなく、あまりにも突発的な故障再発は不自然極まりない。普通にKOされるんじゃダメなの?と首をかしげてしまう。

「もうお前の試合に負けた俺じゃない。谷口、お前に勝って証明したい。生まれ変わった俺をな!」(佐野)

 公式戦ならまだしも、こういう場では谷口にはちゃんと敬語を使えよ、佐野! 倉橋にはちゃんと「さん」付けで話しとるやんけ! 時間的な事を考えると、佐野が夏の予選で墨谷二中相手に9回もたずにぶっ倒れてから、大して経っていない筈。そんな短期間で生まれ変われんだろ。イガラシが簡単に佐野にマウンドを譲ってしまったのも、かなり強引な理屈。佐野が来年1年生でも先発を勝ち取る可能性が高いと言うのはともかく、100校以上も参加する予選で墨高と当たる確率がかなり高いと言うのは、非常に無理がある。大体、今、佐野の球を見せた所で谷口と予選で当たるのは来年の夏な訳で、この時期の佐野の球など、さして参考になるとは思えないのだが…。この試合に勝つ事が谷口への恩返しになる、と思っているイガラシが、助っ人(まして、一人はどこの馬の骨とも知れないヤツ)の力を借りるなんて、到底考えられないのだが…。 投手イガラシ vs 打者谷口の対決がお蔵入りになってしまった訳で、はっきり言って対佐野よりもこっちの方が見たかった私は残念で仕方がない。しかも、近藤の球を平気で捕っていた小室が佐野の球は全然捕れないってありえないだろ。いくら倉橋を出したいからって、無理矢理にも程がある。ここまでして無理矢理、佐野と倉橋を引っ張り出す事がファンサービスに繋がるとは素直に思えず、何とも釈然としない話の流れだった

「熱くならないで下さい。もっと気楽にいきましょう。気楽に気楽に…」(谷口)
「よく言うぜ、一番熱くなってるヤツがよ…」(田所)
「でも、この試合だけは楽しくしたかったんです。せめて田所さん達の最後の試合くらいは…」(谷口)
「みんな楽しんでるぜ。真剣に野球をやる面白さ…、谷口、お前に教わったんだから…」(田所)

 一番熱くなってるのはどう見てもイガラシだと思うが…(^^;)。谷口が一生懸命プレーしているのは確かだが、墨高ナインはともかく、最初っから思いっきりムキになってやってた佐野に谷口を笑う資格は微塵もないと思うぞ(+_+)。それにしても、田所はいつも美味しい所を持っていくねぇ。雨天中断時のベンチでのアレと言い、名台詞も多いし…。試合の決着については、あえて濁らせた様で…。でも、引き分けか墨高の勝ちの二択だから、少なくとも墨谷二中の勝ちはない訳だ。原作ではなかった山本暫定キャプテンは成程、ああいう意図であったか。この流れ自体はそう不自然とは思わなかったけど、試合中に山本の心境の変化を表す描写が微塵もなかったのが残念。何だか山本は気の毒な役回りだったなぁ。この壮行試合でも全然目立たなかったし…。倉橋はあっさり再入部。確執のあったナイン達と一悶着するシーンも完全にハショられてしまい、続編ではごく当たり前の様に在籍している事になりそうだ。かくして新キャプテンを受諾した谷口。新キャプテンの初仕事として打ち上げ場所を任された訳だが………、またタイヤキ屋かよ!(まぁ、今回の試合のスポンサーみたいなモンだしな。あの親父の事だから、きっとタダでご馳走してくれそうな気もするし、賢明と言えば、賢明なのか?)。近藤は案の定、オチに使われてしまって、いと哀れ…。最終回の割には結構、不満の多い回だった(勿論、楽しめた部分も多いのだけど…)。ファンサービス優先で無理矢理詰め込み過ぎたので、破綻してしまった部分が多かった様に思う。やっぱり佐野が余計だった気がするなぁ…。いよいよ谷口と並び立つ男・倉橋がレギュラー出演する続編も楽しみにしたいが、今度こそは野球の動きにもっと気を配ってくれる事を切に願うばかりだ。

プレイボール vol.6

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October 01, 2005 23:34

pb12_01.jpg 東実との激闘に惜しくも敗れ、キャプテン・田所を初めとした4人の3年生の引退が決まった。新キャプテンは誰になるかと思えば、何とくじ引き。予算の会合や備品の管理やらと面倒な仕事の多いキャプテンは貧乏くじと言う事で墨高野球部では代々この方法でキャプテンを決めているのだと言う。日頃、くじには当たった試しがないと言う山本は今回も外すに決まっていると意気揚々と真っ先にくじを引くが、いきなり当たり。当たりくじを当てられない人はハズレくじは簡単に引き当ててしまう典型だ。かくして、新キャプテンは山本に決定した。最後の部活が終わり、グラウンドで過去の思い出に浸る3年生。「本当は谷口をキャプテンにしたかったんじゃないのか」と問われた田所だったが、まだ1年生の谷口には色々な重荷を背負わせず、もうしばらく自由に野球をさせてやりたいと谷口へ最後の気遣いを見せるのだった。新キャプテン・山本の下、再始動した墨高野球部。キャプテン業を面倒がっていた山本だが、女生徒から黄色い声援を浴びて、上機嫌。毎年恒例の3年生の送別会を何にするかと言う話題に谷口は気軽に出来る壮行試合を提案し、受諾されるが、言い出しっぺと言う事で試合相手のセッティングを任される事に…。どこの高校もキャプテンの代替わりで忙しく、既に、5つの高校に断られ、弱り果てる谷口に丁度、通りかかった丸井が声をかける。事情を聞いた丸井は墨谷二中との対戦を申し出る。中学生相手なら、のんびり気楽に出来ると、墨高3年生も快諾。草野球チームのキャプテンをやっていると言うタイヤキ屋の親父の協力で球場も確保。また、親父がビラを100枚も貼って宣伝しまくったせいで、スタンドも大観衆で埋まっている言うたかだか壮行試合とは思えない雰囲気に。気楽に臨んだ墨高ナインだったが、イガラシが勝つ為の戦略を着々と練り上げるなど、墨谷二中ナインは勝つ気満々。先攻の墨谷二中に対して、高木,加藤と連続三振に斬ってとり、調子づく中山だったが、丸井がライト前へクリーンヒットを浴びると、続くイガラシにはレフトスタンドへ軽々と運ばれて、2点を献上。山本の好守で事なきを得たものの、小室にもライトへの大飛球を浴びて、墨谷二中を甘く見ていた中山は顔面蒼白。一方、墨谷二中先発の近藤の快速球の前に墨高はいきなり三者三振に抑えられ、まさか中学生に負けてしまうのでは?と早くも焦り出す。動揺を隠せない中山は直後の2回、いきなり島田,西田と連打を浴びてしまう。だが、谷口に声をかけられた事で落ち着きを取り戻し、中学生とは言え、墨高を東実と渡り合える程に引っ張り上げた谷口の後輩と言う事で油断は禁物と気を引き締めると遠藤をサードゴロゲッツー,無茶振りの近藤を三球三振に斬ってとり、ピンチを脱出。その裏、墨高の先頭打者は四番の谷口。バッティングの汚名はピッチングで返上すると言う近藤は丸井やイガラシから谷口さえ抑えれば、勝てる確率が高いとハッパをかけられ、絶対に抑えると渾身の一球を投げ込むが…。

 皆が山本のキャプテン就任に拍手を送っているのに、ただ一人谷口だけは拍手せず…。相当、この決め方に納得がいかない様だ。そりゃ、そうだよな…。でも、田所もくじで当たってキャプテンになった筈なのに、何だかんだでチームを引っ張っていた。地位が人を作ると言う事もある訳だ。田所達は山本は適任とか言ってるけど、微妙だねぇ。中山じゃダメ? 原作では谷口が田所の次のキャプテンを任されたのだが、あえて山本を挟んだのはどういう意図なのだろう。田所が谷口をキャプテンにしなかったいきさつを語るシーンはかなり良かったと思う。既に、制作が決定している続編だが、この儘だと、山本キャプテンで始動する事になってしまう。すぐに山本が音を上げて、キャプテンを降りる様な展開もちょっと嫌だし、山本キャプテンの儘、ず〜っと続いてしまうのも問題があるだけに、どう処理するのか注目したい。続編と言えば、その伏線的存在である倉橋がついに登場。声がやけに低くて、結構、カッコいいぞ。

pb12_02.jpg 今回の最大の目玉である墨谷二中との対戦はやはり、熱い。この作品は「プレイボール」だけれど、「キャプテン」の方に思い入れの強い私は、ついつい墨谷二中に肩入れをしてしまう。谷口が墨谷二中を訪れる場面では、丸井やイガラシは勿論の事、遠藤や小室が出てきただけでも興奮してしまった。試合になってからも、次々と出てくる墨谷二中ナインの懐かしい姿に釘付け。いかん、ファンサービス企画に思いっきり乗せられている…。20年以上の時を経て、全てのキャストが変わってしまったものの、ただ一人、こいつだけは変更なしの可能性もあるんじゃないか?と期待したのが未だに現役バリバリのベテラン声優・中尾隆聖氏が演じていた近藤だったのだが、しっかり変わってしまい、残念。近藤と言えば、楽しみなのが、丸井とのどつき漫才。今回も丸井の跳び蹴りが見事に炸裂! アニメ技術の進化も手伝って、丸井の蹴りの演出もパワーアップした感じ。丸井特製のアヤしげなスタミナドリンクから、身を呈して、墨谷二中ナインを守ったのに可哀想な近藤…。ホント、野球シーンさえなければ、安心して見ていられる作品だなぁ…と、つくづく思うのだが、野球アニメなんだから、それじゃ、まずいだろ(^^;)。それにしても、この両者の戦力比較、高校生と中学生と言う身体能力の差はあっても、墨谷二中の方が強そうな気がしてならない(そもそも、硬式と軟式のどちらでやっているのか?)。まぁ、丸井が朝日高に進んで、胸を貸した時は墨谷二中は完敗してるんだが…。谷口効果を受けた期間を見ても、墨高は予選の1回戦の試合中からだから、僅かに1ヶ月足らず(推定)。谷口の送球をキャッチする特訓くらいしかやってないし、東実戦は出来過ぎの感がある。それに比べて、墨谷二中の谷口効果は1年以上も長く、日頃の練習時間も尋常ではない上、実戦経験や修羅場をくぐってきた数が段違い。散々スローボール呼ばわりされた中山の球を速いとか言って驚いてるシーンは違和感ありありだ。半年以上もブランクがあった谷口がいきなりメッタ打ちにした事を考えても、中山の球が墨谷二中に通用するとはとても思えない。佐野よりは球威はない…が、そう大差はないなんて、スタンドで見ている佐野が聞いたら、気ぃ悪くするんじゃないか。近藤の投球フォームはそれなりに前作のイメージでやっているのだが、少々大人しくなってしまった感じ(例によって、腕の振りや体重移動が甘いからだよな!)。しかも、投げた直後にお馴染みのあのポーズをやってくれないのは大きなマイナス点だ。

「谷口さんさえ抑えられれば、俺達が勝てる確率はぐんと高くなる。頼んだぞ、近藤」(イガラシ)
「何でみんな、そないに谷口はんにこだわりはるの?」(近藤)
「それだけ怖い人なんだよ、谷口さんは」(丸井)

松下の時もそうだったが、かつてのチームメイトが敵に回した谷口をこの上なく警戒している描写がやけに嬉しい。散々念を押されても、谷口を知らない近藤は全然ピンと来ない様子なのが、何とも対照的だ。また、身近に谷口の恐ろしさを肌で感じた者同士と言う事で墨谷二中に対する認識をいち早く切り替えた中山も良かった。ところで、終盤になってから出番が増えてきたタイヤキ屋の親父(声:元近鉄監督・梨田昌孝氏)はここに来て、ついに主審を務める事に! 出張り過ぎだろ(^^;)。相変わらず、台詞は棒読みだが、主審役はちょっとサマになってるかも…。

プレイボール vol.1

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September 18, 2005 11:16

pb11.jpg 体力を削ろうとする東実の非情な作戦の前に、三たび倒れ込んでしまった谷口だが、二死でカウント2−0に追い込んでいた事で最後の力を振り絞る。しかし、よもやのスリーバントは無情にもフェアゾーンギリギリで止まってしまい、内野安打に。次打者にも立て続けの偽装バントで走らされ、スリーバント目の守備範囲に転がったものの、谷口は疲労の影響で一塁に悪送球。疲れきった谷口はフォークのキレも鈍り、コントロールも甘くなって、ついには連打を浴びて、2点を献上。更に、死球を与えて、満塁とした所で田所は谷口に限界を感じて、自らマウンドに上がる事を進言する。無茶な提案にナインは冗談を言ってる場合ではないと反発。谷口も続投を志願するが、将来、墨高を背負って立つ谷口を潰れさせる訳にはいかないと、頭を下げて降板を願う田所の真剣な態度に引き下がる。結局、山本がマスクを被り、谷口は山本のいたライトへ。中学時代に投手経験のある田所だったが、東実には全く通じず、つるべ打ちを食らってしまう。ライトフェンス際への打球を疲労困憊の谷口が必死のプレーで好捕し、ようやくチェンジとなるが、この回、7失点。10点のビハインドで残す攻撃はあと1回と言う絶望的な状況にも拘わらず、「今の墨谷打線なら、取り返せる力を持っている」と言う谷口の言葉に諦めずに立ち向かう墨高ナイン。8回の投球ではカウントを稼ぎに来たストレートを早めに叩いた事で攻略出来た東実2番手・竹内だが、実は落ちるカーブを駆使する技巧派投手である事が判明。ストレートとカーブの速さが変わらず、狙い球が絞れない墨高は連続三振を喫してしまう。更に、2−0と追い込まれた横井は「振れば何かが起こる」と言う谷口の檄にフルスイングするも空振り三振…と思いきや、フルスイングの影響か、捕手がこれを後逸し、横井は振り逃げで一塁へ。ここで竹内の動きを観察していた中山がカーブを投げる前にグラブが動く癖を見破り、狙い球を絞れる様になった墨高打線はここから3連打で3点を返す。ここで谷口を迎えた所で東実は再び稲尾をマウンドへ。先の打席では谷口相手に弱腰になっていた稲尾だが、東実のエースとしてふさわしい男どうか試そうとしている監督の意図を理解し、真っ向勝負を挑んで、ピッチャー正面へのライナーに打ち取るも、強烈な打球は稲尾のグラブを弾き飛ばして、内野安打に。この後、谷口をゆっくりホームに返してやりたいとばかりに激振した田所の一打がバックスクリーンに飛び込むと、更に、6連打を浴びせて、ついに1点差。なおも満塁の場面で山口の一打はセンター後方への大飛球。抜ければ、逆転サヨナラと言う所だったが、センターの大ファインプレーに阻まれてしまい、あと一歩及ばず、墨高の夏は終わりの時を迎えるのだった。

 原作と比べると、随所に情に訴える描写が目立った今回。谷口降板に際して、田所が頭を下げ、みんなで恥をかこうと一丸となるシーンはなかなか良かった。原作では谷口は渋々ライトへ回った感じで、田所の登板に関してもナインは納得しきってなかった様子だったので、グッとくるものがあった。その代わり、試合に関して諦めていた節があったナインに対して、恨めしそう〜な顔で見ていた谷口が疲れ切った体に鞭打って、諦めるなと言わんばかりのファインプレーを見せるシーンの意味合いが微妙に変わってしまったのは仕方のない事か。「またやりやがったよ、あのやろう…」と田所が呆れるシーンは結構、好きだったのだが…。しかし、その裏の二死走者なしからの振り逃げ+11連打はちょっとやり過ぎ。最初の3連打までは中山が竹内の癖を見抜くと言う部分で多少の説得力はあったが、稲尾からの8連打、特に、田所のバックスクリーン弾はあまりにも都合が良過ぎるだろう。尺の都合上、仕方ないとは言え、谷口と一緒に勝つんだ!的な台詞の連発で気持ちが乗っていれば何でも出来ると言わんばかりにポンポンと連打してしまい、駆け引きの要素が取り払われているので、ジワジワ追い上げる感が足りなかったのが残念。東実側の監督とバッテリーの意思が噛み合わず、あたふたしたりする部分も全くなかった訳で…。原作ではあまりキャラが立っていなかった稲尾(原作では中尾)だが、谷口との再戦で見せた気迫や試合終了後の涙,墨高にエールを送るなどのオリジナルシーン連発でなかなか美味しい役どころをかっさらっていった感じ。しかし、今回、こいつの投球フォーム、先週と全然変わっちゃってるぞ…(+_+)。感動するにはしたのだが、感動ばかりを前面に押し出し過ぎる高校野球の偏重報道的な内容になってしまった気もするなぁ。さて、来週からは、いよいよ完全オリジナルストーリー・墨谷二中との壮行試合編だ。アニメの続きなので、西田がちゃんといるよ…。公式サイトでシルエットになっていた3人、丸分かりの近藤はともかく、残り2人はシルエットだけでは確信が持てなかったのだが、どうやら佐野と倉橋らしい。ここで倉橋を出すって事は、もしかして、第2シーズンの制作って期待していいの? それにしても、佐野を一体どうやって絡めるのか気になる所。突然、墨高の助っ人として、華麗なアンダースロー見せてくれたりするんだろうか…。動きに難ありの「プレイボール」で下手にイメージダウンしない事を祈るばかりだ。

プレイボール (11)

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September 13, 2005 23:36

pb10.jpg 5点ビハインドの4回表、無死満塁と言う絶体絶命のピンチに中山の負傷で急遽、マウンドに上がった谷口。つい、この間までまともに投げる事すらかなわなかった谷口の登板だが、これは決して奇策ではなかった。ノーバウンド送球特訓の際、少しでも速い球を投げられるように握り方を試行錯誤していた谷口は親指と中指で挟んで抜くのが効果的と言う結論に達したが、これがフォークボールと言う思わぬ武器を生み出す事に繋がったのだ。墨高の内野陣が谷口の送球をポロポロとこぼしていたのも、谷口の球が落ちていたからに他ならない。このボールがフォークである事に気付いた田所は対東実の秘密兵器として、谷口の投手として起用する事を提案する。負担の大きいフォークの連投で1試合もたせるには無理がある為、中山でいける所までいってから繋ぐ予定だったが、不慮の事故により、早くも登板を余儀なくされる事になってしまった。しかし、他に投手がいない上、コールド負けの可能性すらある状況でペース配分など考えていられない谷口は遮二無二フォークを連投。流石の東実もいきなりフォークに対応する事は出来ず、谷口はこのピンチを三者三振で切り抜ける。谷口の好投で意気上がる墨高は徐々に東実・稲尾の速球を捉え始めるが、一向に点が奪えない。谷口も気力の投球で追加点を許さずにいたが、フォークの連投による激しいスタミナ消耗で既に体力の限界に来ており、8回を投げ終えた所で倒れ込んでしまう。死力を尽くす谷口の投球に意気に感じた墨高ナインが奮起。太田,山口と連打を浴びせて、無死一、二塁。ここでフラフラになりながらも打席に入る谷口に対して、この日、一番タイミングが合っていると言う事で敬遠策を検討する東実バッテリーだったが、監督の「エースとしての誇りがあるのか!」と言う言葉に奮い立ち、一転、勝負に出る。しかし、初球、いきなりレフトポール僅かに左に切れる特大ファールを浴びて、すっかりビビってしまった稲尾はこの後、4球連続ボールで谷口を歩かせ、無死満塁。ここで田所はレフト前へタイムリーを浴びせて、ついに稲尾をKO。2番手として、竹内がマウンドに上がったが、稲尾と比べれば大した事のないボールを見て、余裕シャクシャクの村松がセンターオーバーの大飛球を放つ。ボールが転々とする間に、まず山口が返って、2点目。走者一掃は間違いないと大喜びで三塁を回った田所だったが、二塁走者・谷口が体力の限界から本塁ベース手前で再びダウン。谷口に気を取られていた田所は背後からタッチされると、気力を振り絞って、本塁に飛び込んだ谷口も憤死。更に、打った村松までが二、三塁間で挟まれて刺される最悪のトリプルプレーを喫してしまう事に…。今度こそ、棄権せざるをえないと思われたが、谷口は限界を通り越した体に鞭打って、最後のマウンドへと上るのだった。東実はファールで粘って谷口を潰す作戦に出るが、フォークはカットするのも容易ではなく、さして球数を投げさせられない儘、連続三振で二死。ここで東実の監督は代打を投入し、バントの構えで谷口を走らせる事で体力を奪う作戦に変更。2−0と追い込んだ谷口だったが、執拗な揺さぶりに三たび倒れてしまうのだった。

 中山が原作通り、KOされてサードに入るのではなく、負傷降板となったせいで、田所の「谷口のタマがそうやすやすと打たれる訳ねぇだろ」と言う台詞を聞いた東実が唖然とするシーンがなくなってしまったのが残念。久々に見た谷口の投球フォームが、松下同様に墨谷二中時代のものを投影していたのが嬉しかった。私は墨谷二中の面々では谷口のフォームが一番好きなのだ。しかし、例のボールはやはり、何のアレンジも施されずにフォークと言う事になり、ガックリ。はっきり言って、あの指の状態なら、わざわざ挟んで抜くより、普通に握った方が速い球が投げられると思うのだが…。それにしても…

「俺も長い事、高校野球をやっているが、あんなに鋭く落ちるフォークは初めて見た」

と、甲子園常連校・東実の監督にここまで言わせる辺り、谷口のフォークは超高校級と言う事になる訳だが、そんな凄いフォークなのに、田所がキャッチするのは全部ど真ん中辺りの位置ってのは、どういう事よ!? 凄い落差があるなら、もっと低い位置で捕る様なボールになる筈。あの位置で捕る様なフォークでは当てられる可能性も高いし、実際、あまり落ちている様に見えず、とても超高校級のフォークには思えない。落ちるポイントが打者に近過ぎるのもいただけない。相変わらずの事だが、こういう描写がダメだと萎えるねぇ。あと、これを言ってしまうと、完全に話に水を差す事になってしまうのだが、野球の試合であんなに疲れる事って、まずありえないよね。「キャプテン」でも丸井キャプテン時の青葉戦とか(投手はともかく野手が何故あんなに疲れる?)、毎度毎度イガラシが死にそうになったりとか…。攻撃中は休んでいられるスポーツなんだし、筋肉の持久力は必要だが、心肺の方はそんなに持久力がなくても結構、何とかなったりする。しかも、谷口の体力が人並み外れている事はサッカー部在籍時にまざまざと見せつけられたではないか。いくらフォーク投げ過ぎたって、握力が落ちてボールが握れなくなったり、腕が上がらなくなる可能性はあったとしても、あそこまでハァハァ言う事はちょっと考えられない。東実が谷口の体力を奪いに来たのもようやく9回になってからだし…(遅過ぎるだろ! もっと早い回に対処しろ!)。これはもう、ちばあきお作品の個性の一つと見るしかない。そう考えて、余計な事を気にしなければ、演出的には盛り上がるのだし…。それにしても、今回、原作と比べると、かなり途中経過がハショられてしまっていたのが惜しまれる。点は取れずともジワジワと東実を追いつめる墨高打線や、東実のベンチワークなど、結構、見所が多い試合なので、あっさり9回まで行ってしまった感じで実に勿体ない。残り3話もあるのに、今回、これほど、ハショる必要があるの?と思ったら、公式サイトを見ると12,13話は完全オリジナルストーリーなんだそうで…。かなりファンサービス的なストーリーらしく、それなりに楽しみではあるけれど、それの為に今回、ハショられたのかと思うと、どうにも釈然としない。やる事ちゃんとやってからにして欲しいなぁ。13話まできっちりやって、ボーナスステージで2話つけてくれっての。

プレイボール (10)

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September 05, 2005 22:14

pb09_01.jpg いよいよ迎えたシード校・東実との3回戦。大きな球場で応援団も出揃う今までとは全く違う雰囲気に飲まれてしまった墨高ナインは試合前からガチガチ。しかし、自ら率先してノックを受けた谷口の好守を見て落ち着きを取り戻す。ここまでチームを引っ張ってきた存在として谷口に注目していた東実の監督は油断ならないとばかりにベストメンバーで試合に臨む事を決める。そんな東実相手に対策を練ってきた中山は初回、立て続けにサードへ打たせる狙い通りの投球で見事に三者凡退に仕留める好投。しかし、その裏、東実のエース・稲尾の前に山本,太田と連続三振。変化球を狙っていく作戦だったが、稲尾の快速球に気圧されてしまい、二人共、ボールを見極める所ではなかった。続く山口も緊張を隠せずにいたが、打席に入る前に相手投手との呼吸のリズムを合わせると集中出来ると言う谷口の助言の効果でカーブを見極め、ライト前ヒットで出塁。谷口も左中間へ会心の打球を放つが、センターの好守に阻まれ、無得点。押し気味の展開に楽観的になっていた墨高ナインだったが、直後の2回、強豪・東実の恐ろしさを思い知らされる事になる。遅い球を引っかけさせて、サードへ打たせると言う作戦を早くも見破った東実はバットを短く持ってのミート打法に切り替えてきたのだ。ミート打法ですら、驚異的な伸びを見せる東実の打球に対応出来ない外野陣は悉く頭を越されてしまう。正面より横の野手の方が打球の伸び方が分かりやすいと、必死に声を掛け合うも、東実の猛攻は止まらず、大量5失点。流石に、意気消沈のナインだったが、谷口は徐々に打球の伸びに慣れてきている事を指摘し、最後まで諦めないよう、皆を奮い立たせる。しかし、変化球狙いを読み切った稲尾の徹底した直球攻めに苦しみ、スコアボードにゼロを重ねる墨高。そして、5−0の儘、迎えた4回、ここまで必死の投球を続けてきた中山が疲労から連続四球で無死一、二塁のピンチを迎えると、次の打者を一塁線への凡ゴロに打ち取りながら、打球を捕りに行った際に打者走者と交錯し、左足をケガしてしまう。無死満塁と言う絶対絶命の大ピンチに田所は「秘密兵器」谷口をマウンドに送り込むのだった。

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August 29, 2005 20:27

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 東実に勝つ為には全てを懸けて練習しなければならないが、受験や就職を控えている3年生にそれを強要出来ないと言う事情を聞かされ、あくまで一個人として頑張れと田所から説得を受けた谷口は、その事で夜も眠れない程、悩んでいた。一時は特訓を諦めかけた谷口だったが、父に叱咤され、たとえ一人ででも東実戦へ向け、全力を尽くす事を決意する。田所から谷口の東実戦への思いが全く消えなかった事を聞かされたナインはすっかり呆れ果て、憤慨し、冷笑するばかり。そこへやって来た谷口が一個人として頑張ると宣言。巻き込まれない事に安堵したナイン達は一人頑張る谷口を高見の見物としゃれ込み、馬鹿にした様な態度を見せていた。そんなナインをよそに谷口はバウンド送球の限界を痛感。少しでも送球難を補うべく超前進守備を敢行するも三塁線に打球が飛んだ時には間に合わないと判断し、ノーバウンド送球への挑戦を始める。学校での練習では飽き足らず、神社でもノーバウンド送球の特訓を行うが、コントロールこそ定まってきたものの、球速が伴わず、まだバウンド送球の方が速いとあって、流石の谷口も意気消沈。見かねた父は自分の大工の経験を基に、何事も一朝一夕にはいかないものだから、欲張った考えは捨て、たった一人のバッターでもアウトに出来るように努力しろと諭す。父の言葉で東実に勝たなくては…と言う焦燥感から解放された谷口は一歩でも半歩でも早く突っ込んで送球出来る様になる事を目指して、特訓を再開する。
 見違える様な谷口の動きに驚きを隠せないながらも、いくら頑張った所で東実の打者がサードへ打ってくれなければ元も子もないと皮肉を漏らすナイン達。しかし、そんな中、谷口の頑張りを無駄にしたくないと心を動かされていた者がいた。エースの中山だ。バケツ一杯分のノックを受け、ボロボロになった谷口の元へ歩み寄った中山は東実の打者にサードゴロに打ち取る方法を請うのだった。更に、「ピッチャーがその気になっちまったのに、球を受けるキャッチャーがそっぽ向いていられるか」と田所までが東実攻略へ乗り出す。そんな3人の様子に他のナイン達も感化され、東実相手だからとみっともない試合は出来ないと意欲を見せ始める。東実戦へ向けて、ついにナインの心が一丸となったのだった。
 いよいよ東実戦を翌日に控え、最後の練習の取り組む墨高ナイン。努力の甲斐あって、谷口のノーバウンド送球にもスピードがついてきたが、ここにきて、他の内野陣が谷口の送球を悉くこぼしまくる。口々に谷口の送球が変だと騒ぎ立てるナイン。たまりかねた田所は自ら谷口の送球を確かめようとするが、目の前でスッと落ちるボールに驚愕。一体、このボールの正体は!?
 
 中山が谷口に東実対策を求めるくだりが熱い。サブタイトル通り孤独なチャレンジを続ける谷口に対して、物語序盤から一貫して冷ややかな態度を取り続けてきた中山の表情の変化を引っ張りに引っ張った上でのシーンだけにしびれるものがある。更に、この後の田所の陥落ぶりもいい味を出している。何だかんだ言いながら、この人も内心はとことんまでやってみたかったのかもしれない。キャプテンと言う立場の人間が先頭に立ってやる事は場合によってはナインへの強要に繋がりかねない。実際、青葉戦を控えた墨谷二中時代の谷口も当初はそう解釈されて、ナインから大いに反感を買っていた。谷口の場合、陰でナイン達以上の特訓を積んでいた事が図らずも発覚し、ナイン達が付いてくる契機になった訳だが、田所はあれ程の求心力,説得力を持っていない事を自覚していた筈だ。それ故に谷口の頑張りを決して馬鹿にせず、認めていながら、差し控えていた部分もあった事だろう。しかし、この行動はあくまで「キャプテン」としてでなく、自ら谷口に進言したのと同じ「一捕手」としてのものである。悪く言えば「キャプテン」職を放棄してしまったとも言えるのだが、ともあれナインへの強制力は働かない。しかも、谷口もナインに対して、口出ししないと言う約束は守っているのだから、誰も文句は言えないと言う寸法だ。しかし、「無意識の強制力」を持っているのが谷口。やる気を出させる為に自分がまず手本を見せよう…などと言う計算は一切していないのだが、それが故に、そういう効果を発揮してしまうのだろう。やらされる練習と、自発的に取り組む練習ではモチベーションも効果の程も大きく違う筈だ。そして、自発的にやらせる事は決して簡単ではないのだが、図らずも全員にそういう意識を持たせてしまうのは、谷口の最大の魅力と言えるだろう。
 
「自分が本当にやりたい事に熱中出来ねぇ様な野郎は社会に出ても使い物にゃならねぇぞ」
「自分に嘘はつくな。好きな事で後悔する様な真似は絶対にしちゃならねぇ」
 
 相変わらず、谷口の父ちゃんはカッコいいねぇ。谷口が一人で悩みを抱え込んでいても、何も言わずに理解してやり、自分に例えながら、時には諭す様に、時には突き放す様にして、きっちり谷口が求めている答えに導いていく。普段はだらしないのに、肝心な時には立派な父親として振る舞える辺りが、何とも頼もしい。今時、こういう父親はどれくらいいるのだろうか…。
 ところで、ついに出た魔球の伏線。結局、伸びきった儘の指と言う設定に合わせたシナリオのアレンジなど一切せず、この儘、ゴリ押しする模様で不満たらたらだ。指を引っかけない様に…って、伸びた儘なら、逆に引っかからない事がネックになるだろうに…。しかも、あの指を使って無理に投げようとすると、フォークと言うよりも、むしろ、パームボールに近い球になるんじゃなかろうか…。
 

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August 21, 2005 21:18

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 初回から見事な先制攻撃で試合を優位に進める墨高は2回から早くも城東高エース・藤井を引っ張り出すも、投球練習中のボールの速さにナインはたじろいでしまう。しかし、「練習で作った痣の分だけ自信を持っていい」と言う谷口の働きかけに平常心を取り戻すと、小さく構えてノックの要領で合わせる事でアンダースロー攻略に繋がる事に村松が気付き、藤井を打ち崩す。気が付いてみれば、5回までに9−0とコールド寸前。なおも無死満塁で打席には谷口と言う場面で城東高ベンチは既に限界の藤井を降ろす事を決める。3番手に指名された別所だが、谷口攻略の糸口が掴めず、困惑する事しきり。前夜の谷口との会話で「やってみなくちゃ分からない。分からないから面白い」と励まされた松下は自ら谷口へのワンポイントリリーフを志願する。味方でいた時は頼もしかった谷口を敵に回し、恐怖感を覚えると同時に相見える事を面白いと思えていた松下は大ファールを連発されながらも、ストレート一本で2−0と追い込むと、強気の3球勝負で僅かに落として、谷口を空振り三振に斬って取るのだった。しかし、試合は結局、墨高が10−0でコールド勝ちを収め、3回戦へ駒を進める。
 ここまで勝ち上がれただけで悔いはないと、まるで次が最後の試合の様な雰囲気のナインに戸惑いを隠せない谷口だったが、3回戦の相手は甲子園に何度み出場しているシード校・東実だった。将来野球で食べていこうと言う連中が各地から集まってくる様な相手を倒すには努力をするにも限度がある、と諭しても釈然としない様子の谷口に田所は実際に東実との凄さを見せつけて諦めさせようと、偵察に連れて行く。最初のうちは東実の凄さに唖然としていた谷口だが、何とか勝機を見出そうとメモを取り始める。逆に、谷口の心に火をつけてしまう結果となってしまい、目論見が外れた田所。家業の電気屋を手伝うべく、免許を取る為に毎晩勉強しなければいけない自分の立場を話し、自分に限らず、進学や就職を控える3年生は全てを犠牲にして野球に打ち込める訳ではないと説得を図るが、谷口は納得しない様子。ナインにあれこれ言わない事を条件に谷口個人が一バッター・一サードとして頑張れ、と最後の妥協案を提示するも、「自分一人が頑張った所でみんなの協力がなければどうする事も…」と言う谷口の返事に喧嘩別れしてしまうのだった。
 
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  松下が自分から登板を願い出たばかりか、谷口を打ち取る…しかも三球三振に斬ってとってしまうとはびっくり…。これは予想外の展開だ。松下にとって、完全にサクセスストーリーになってしまった。墨谷二中時代…いや、先日、会った時と比べても、遙かに堂々とした態度の松下…、かっこ良過ぎである。あの最後の落ちる球は何だったのか気になる。谷口はスイングに入るまでストレートと信じて疑わなかったくらいだから、カーブではない筈。ストレートと違わぬ速さで小さく落ちる…、まさか、カットボールか!? あの時代にカットボールなんて凄いぞ、松下! エースが全く通用しなかった谷口を松下が三球三振に仕留めるのは、ちょっと都合が良過ぎるけどなぁ。松下が谷口を打ち取れた根拠と言うと、谷口の言葉によるポジティブシンキング,中学の時より球速が上がった事,新球・カットボール(?),そして、谷口の事をよく知っている事…と言った所だが、特に、谷口の事を知っているが故の駆け引きが重要だった以上、それについてはもう少し説明が欲しかった。折角、丸井とイガラシが観戦に来た(丸井のドジにより、到着時には試合が終わってしまったが)のだから、世話になった先輩同士の対決に間に合わせて、解説とかさせれば良かったのに…。ああいう風に時間稼ぎしてまで、丸井達に結果だけしか見せないと言う演出の場合、途中経過をハショって、いきなりコールド勝ちと言う展開に丸井達と視聴者を同じ視点で驚かせるのが常套手段に思うのだが、あれでは何の為に出て来たのか分からない。そもそも、この二人、時期的に墨高の2回戦ごときを見に来てる場合ではない筈なのだが…(^^;)。「来年は墨高に入るつもりなので、宜しくお願いします!」って、丸井よ、君は受験に失敗する運命なんだけどな…(泣)。これ、絶対分かってて、やってるよなぁ。可哀想な丸井…。ノックをしたのは田所と外野手だけの筈なのに、みんなが打ててしまったり、谷口のバウンドボール特訓を受けたのは内野手だけの筈なのに、みんなが痣だらけだったりするのは違和感があるのだが、野暮な話なので、これ以上は言うまい。
 東実のグラウンドについて、田所が立派立派言ってるのに、大したリアクションも取らない谷口。そりゃ、青葉学院にいた谷口からすれば、あの程度の施設に驚く筈はなかろう。明らかに、青葉の球場の方が凄いもんなぁ。しかも、あれで軟式中等部だってんだから…。例によって、東実のエースも手投げで全然凄そうに見えない。いくら個性的に仕立てた所で、体重が全然乗ってないフォームにグッとくるものは何もない。むしろ、松下の方が速そうに見えるくらいだ。名門とは言え、こんな下半身全然使わずにプレーしている様なヤツら相手なら、いくらでも勝機はある!と谷口は思ったに違いない。東実からの去り際にグッとメモを握り締める谷口がやけにカッコいいぞ。ラーメンで谷口を餌付けしようとしたが、見事に失敗し、こうなったら谷口の大好物であるタイヤキで釣るしかない…と企む田所はなかなか計算高い。またまたタイヤキ屋の親父(声:梨田昌孝前近鉄監督)が登場だ〜っ! 「野球はいいよなぁ」とか言っちゃってるよ(笑)。しかし、和やかな親父の登場も空気を変える事は出来ず、妥協案まで出したのに、結局、谷口の説得には失敗。それもこれも、みんな東実の選手が下半身ロクに使ってないからだよな。あれで谷口に勝機はないと思わせるのは無理だろ。も…、もしや勝機がある事に説得力を持たせる為に、わざわざああいう風に描いたのでは〜っ!?(そりゃ、ないって…)


プレイボール (7)

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August 15, 2005 20:06

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 谷口の攻守に渡る活躍で1回戦を突破した墨高。田所は2回戦から、最も打力の高い谷口の4番サードでのスタメン起用を決意する。まるで投げられないと思われていた谷口だが、バウンドボールなら投げられる上、それですら他の部員の送球より速い事が分かった以上、あとは送球を受ける側が確実に捕球出来る様になればいいと特訓を開始。ランニングの最中、2回戦の相手・城東高が近くにある事を思い出した田所は城東高の主将・小倉が中学時代の親友であると言うコネを生かし、ナインを引き連れて堂々と偵察に乗り込む。墨高ナインの案内役として小倉が呼びつけた一年生は谷口の墨谷二中時代のチームメート・松下だった。明らかに格下相手と見て、練習を惜しげもなく見せてくれる城東高だったが、谷口の「決して勝てない相手じゃない」と言う言葉に墨高ナインは奮起して、痣だらけになりながらもバウンドボール捕球の特訓に精を出す。谷口は例によって、夜間の神社特訓を行っていたが、そこへ突然、松下が訪れる。中学時代と全く変わらず、目の前の事に一生懸命な谷口を羨ましく思う松下。周りに追いつきたいと焦るばかりで野球が楽しいと言う事すら分からなくなっていたのだが、「それじゃ、分かるまでやってみればいいんじゃないかな」と言う谷口の言葉に励まされる。そして、迎えた2回戦当日。シートノック中の谷口のバウンド送球を見て同情し、エース・藤井を温存して、3番手投手の安藤を先発起用するなど、すっかり墨高をナメてかかっている城東高だったが、バウンドボール特訓の効果により、守備力が上昇していた墨高内野陣の好守により、初回、三者凡退に倒れる。その裏、墨高は二死から山口がヒットで出ると、4番で初スタメンとなった谷口がレフトスタンドへ豪快な2ランを叩き込み、2点を先制。それでも余裕を見せていた城東高ナインだったが、谷口メモを参考に弱点を巧みにつく中山の前に2回も三者凡退に終わり、徐々に顔色が変わっていく。事態を重く見た城東高の監督は、流れを引き寄せるべく、その裏から早くもエース・藤井を投入するのだった。

 城東高偵察に行く谷口に菓子折りを持たせる母ちゃんに和まされる今回、目玉はやはり、旧友・松下の登場だろう。前回も触れたが、「キャプテン」でのメガネキャラ設定を引き継いでいるのがいい。キャプテンに対しては同級生であろうとも敬語を使う…と言う世界なので、谷口と松下がタメ口で会話をしているだけで非常に新鮮。加えて、神社でのオリジナルの会話シーンはかなり嬉しかった。対等な立場になった事で、余計に谷口の凄さが引き立った気がする。谷口の様な人間に引っ張られる事で頑張る力を貰っていた松下だが、谷口と袂を分かってなお墨谷二中スピリットを保ち続けられる程、強い人間ではなかった様だ。とは言え、層の厚い城東高において、何だかんだで1年生でベンチ入りしているくせに、自信喪失状態なんて贅沢だぞ、松下!(もし、部員数が少なくて必然的に入れたのだとしたら、全然層厚くないし…)
 ところで、今回の試合は原作とは大幅に変更されている。原作では墨高は後攻だったし、城東高の先発は松下。初回、いきなり山本,太田と連続三振に取るも、谷口を意識し過ぎて、田所に死球。谷口との対決では完全に飲まれてしまい、投げる前からアップアップの松下は特大ファールを打たれた所で降板となり、代わったエース・藤井が2ランを打たれると言う展開だった。来週の予告からすると、松下は谷口に対するワンポイントリリーフで出てくる模様。試合前から谷口にひたすら怯え続けて自滅してしまった原作の松下。谷口は味方にすると心強いが、敵に回すと恐ろしいと言う事を伝える意味では大いに成功だったのだが、その後、何らフォローがない儘、消えていった松下の描写には不満が残っていた。今回のアニメ版では谷口に悩みを打ち明ける前振りがあったりして、原作よりドラマチックな対決になりそう予感。谷口との対決が今後の松下にとって糧になる様な描写を期待したい。予告を見る限り、あの独特の投球モーションは一応、再現している様だが、膝を上げた時のタメが短く、そこから伸び上がる様な動きも小さくなってしまっていて、ちょっと残念。
 まぁ、「プレイボール」の選手の動きは全体的に不満なので、仕方あるまい。どいつもこいつも手投げだしなぁ。お前ら、みんなバッティングピッチャーか! あと、谷口のバウンド送球が他の部員が普通に投げたより速い……なんて、他の部員の送球はどれだけ遅いねん!とツッコミたくなるくらい無理がある設定なのだが、説得力を感じさせる程、速く見せてくれるのかと思いきや、完全に一塁へ来る頃には失速しきっていて、全く速そうに見えないのには、ガックリ来る…。もう言うまいと思っていても、言わずにいられない不満が多いなぁ(T_T)。


プレイボール (6)

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August 06, 2005 23:46

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 0−0で迎えた7回、二死一、二塁のチャンスに田所は谷口を代打に起用。盛んにベンチから指示を出していた谷口を警戒する京成高バッテリーは慎重にカーブ主体で攻め、カウント2−0と追い込むが、3球目のカーブを叩いた谷口の打球はライトフェンス直撃する先制2点タイムリーに。田所はその裏から山本をファーストに回し、谷口をライトで起用する事を決意。ボールが投げられない谷口を守備に置く事に反発する中山だったが、田所はこの試合未だにライトには1本も飛んでない事と、京成高エースのカーブを打てる打者が他にいない事を理由に反対を押しきってしまう。しかし、田所の楽観的な計算は中山の疲労と言う要素が全く含まれていなかった。球威も落ち、制球が甘くなってきた中山のボールを京成高は捉え始める。一死からセカンド右を抜けた打球をカバーした谷口だが、中継への返球がボテボテのゴロとなり、二進を許してしまう。谷口の故障に気付いた京成高は当然のごとく、徹底的にライトを狙い打ち。ボールが投げられない以上、ダイレクトで捕るしかないと、深追いして強引に捕球に行ってはフェンスに激突しまくる谷口のガッツにナイン達は徐々に心を動かされる。その後、谷口は立て続けにヒットコースの打球を好捕し、ピンチを脱出。試合は2−0の儘、土壇場9回へ突入するも、勝利を意識し始めた墨高ナインは固くなり、エラーと死球でピンチを迎えると、レフト線へのタイムリー二塁打を浴びて、1点差。なおも一死二、三塁の場面で京成高は再びライトの谷口を狙い、ボールが投げられない隙にタッチアップで一気に二者生還のサヨナラ勝ちを目論む。谷口が打球を捕った瞬間、事態に気付き、絶望する墨高ナインとは対照的に既に、勝った気でいる京成高の二人の走者は小躍りしながら、チンタラと本塁へ突入。これを見た谷口は一か八かのバックホームを敢行。猛ゴロで本塁へ返ってきたボールに慌てて突っ込んだ三塁走者だったが、間一髪タッチアウトとなり、ゲームセット。墨高は見事に一回戦を突破したのだった。
 
 谷口とナインの軋轢はタイムリーだけで安易に解消しきる事はなく、その後の谷口のガッツあるプレーがナインの心を打つ形になって良かった。それにしても、逃げ切り体勢に入る展開なのに、ボールが投げられない谷口を守らせると言う大きなリスクを負ってまで、9回までにあと2人出なければ回ってこない谷口の打席に期待するなんてのは明らかに戦術的におかしいのだが、何故か、誰も(谷口すら)気付かない様で…。実際、谷口には2度目の打席は回ってきてない様だが、あまりツッコんではいけないんだろうなぁ。結局、最後のゴロ送球は原作通りにやってしまってるけど、あの指の儘、やっちゃってるんで、どうにも釈然としない。しかも、谷口にどうやって投げたか説明させてしまっているのは致命的ミス。指が伸びきった儘だったら、あの説明は絶対に成立しない筈だが…。まったく何でわざわざ伸びきった設定にしたのか、実に不可解。あえてこうした以上、最終話までにそれなりに消化してくれないと納得がいかないぞ。原作がそうなんだから仕方ないのだが、京成高の怠慢プレーはあまりにも酷過ぎるだろ…(^^;)。あの状況で二塁走者はともかく、三塁走者が刺されるなんて事はありえない。あいつは試合後、袋叩きに遭わされても文句は言えないよな
 さて、今回も野球の動きに関しては目を覆いたくなる様な状態で落胆の色を隠せない。モーションの体重移動がおかしいのは相変わらずだし、とにもかくにもパースと言うか距離感がメチャクチャで球場が狭く感じられるのが気になって仕方ない。打球も飛んでいる時のイメージと実際の結果にギャップが感じられるものばかり…。最後の谷口の捕球など、谷口がスピード緩めてるのに、背景のスピードが早い儘だったりするし、ツッコミどころ満載のこの状態は何とかならんものか。もうこの点については諦めるしかないのか? 野球アニメなのに、この点については諦めろなんてのは、実に無体な話なのだが…
 ところで、次回はついに松下が登場。原作と違い、アニメ版「キャプテン」の設定を引き継いだメガネキャラなのが嬉しい。あの独特の投球モーションをきっちり再現してくれるのか今から楽しみで仕方がない…のだが、ここまでの動きを見てると、不安の方が大きいかも…。
 
PS.第1話で台風,今回は地震のテロップが…。呪われてるのか、このアニメは…(と言っても、TVKに限った話だが)。はたまた、DVDを買えと言うAvexの陰謀か?


プレイボール (5)


プレイボール vol.1

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July 30, 2005 23:53

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 いよいよ始まった夏の予選一回戦・京成高戦。勝とうと言う意欲も感じられず、相手の情報も全く仕入れていない状態に不安を募らせていた谷口はいてもたってもいられず、田所に京成高のエース対策を進言。それが奏功し、ヒットで出た太田だが、100m11秒台の俊足を過信し、捕手が強肩である事を調べていた谷口の制止も聞かずに二盗を仕掛けて、憤死してしまう。谷口の情報の価値を認めた田所は相手打者の苦手コースを巧みにつくリードで京成高を翻弄。4回二死まで内野安打1本に抑え込む好投に酔いしれ、絶好調と勘違いした中山は4番相手に調子に乗って田所のリードを無視し、あわや長打と言う打球を浴びる。激怒した田所は好投の原因は谷口メモにある事を明かして戒めるも、逆にナインと田所、そして谷口との軋轢を生んでしまう事に…。
 それでも谷口メモの効果で、押し気味に試合を進める墨高だが、3併殺を食らうなど、雑な攻めであと一本が出ない。5回無死一塁の場面で、事態を重く見た谷口は手堅く送る事を進言。渋々バントを決める村松だが、打ち気満々だっただけに谷口に不満をぶつける。ギクシャクしたムードを一掃したい田所だったが、ショートライナーでゲッツーを食らい、自らチャンスを潰してしまう。7回にも無死一、二塁のチャンスを掴むが、ここでまたも打席には村松。再びバントを進言する谷口に憤懣やるかたない村松は指示を無視して、強攻策に出て凡退。更に、キレのいいカーブを捨てていく墨高の狙いがバレたのか、突然、カーブ主体に切り替えてきた京成高バッテリーの前に田所は三振に倒れて、二死。これに気付いた谷口は佐々木に対して、カーブ打ちの極意を伝授するも、一度にたくさんの事を言われて理解出来ない佐々木はぶちキレて「それだけ分かってんなら、お前が打ちゃいいだろ!」と言い放つ。勿論、谷口への嫌味のつもりだったのだが、田所はそれこそが最善策と気付き、谷口を代打で送り込むのだった。
 
 大筋は原作と変わらないながらも、本質は大幅に変わっていた今回。決定的に違うのは谷口が思いっきり憎まれ役に貶められてしまった事だ。良かれと思ってしている谷口の進言は(田所以外の)全てのメンバーに煙たがられ、反発されてしまった訳だが、原作では谷口の勝利への意欲,野球への真剣さに対して、温度差があり過ぎるナイン達が戸惑いを隠せず、空回りしてしまった印象が強かった。「今までそんな細かい野球はやってなかったから、いきなり要求されても難しいよなぁ」と言う原作に対して、アニメでは「今までそんな細かい野球はやってなかったんだし、一年生ごときの進言なんかに囚われずに、いつも通りの野球がしたい」と言う感じ。村松はまだしも、第3話から引き続いている中山の谷口への印象の悪さがどうにも具合が悪い。プライドだけが無駄に高い傲慢で狭量な人間に映って仕方がない。入部当初は伝説のキャプテンとしてチヤホヤされ、噂通りの打撃も見せつけた筈の谷口なのだが、実際には、中山の態度に代表される様に谷口の力も野球への姿勢もはあまり評価されていないのだ。
 そして、決定的に違う部分が、佐々木の「お前が打ちゃいいだろ」。自分の無能さを棚上げし、本気では微塵も思っていないあてつけの台詞である。これでは佐々木がただの嫌なヤツにしか見えない。原作では、説明しても埒があかない佐々木の困惑した様子に谷口が申し訳なさそうに「僕が打ちましょうか」と自ら申し出ており、この違いはあまりにも大きい。アニメの流れで谷口がタイムリーを打った所で果たして、ナインは素直に喜べるのだろうか。ナインに納得され、期待もされる格好で送り出された原作と違い、半ば田所の独断によるゴリ押しで決まってしまった谷口の代打起用には恐らく誰も納得していない筈。結果を出されては文句も言えないが、内心は決して面白くないのではなかろうか。加えて、まだ2イニングも守備が残っている段階でボールが投げられない谷口を使ってしまう事に関して問題はないのか?と言う重要なやり取りが全てカットされてしまっているのも痛い。一時は諦めていた野球に再び舞い戻った谷口が待望の初打席に向かうシーンを丁寧に描くのは悪くないのだが、幾ら何でも時間をかけ過ぎた。ここにこれ程、時間を割くのなら、もう少しベンチでのやり取りを入れられたんじゃないかと思わずにはいられない。ただ原作通りに進めるのではなく、アニメなりにアレンジを入れる事に関して、今まであまり否定的な態度は取らずにきたのだが、今回は流石に強い難色を示さずにはいられないアレンジだった。
 また、前回心配していた野球の動きに関しても、やはり、不満が残った。振っている経過を省いて、振り終わった後の絵ばかりだったり、全身図を省いて上半身ばかりだったりと言うバッターの動きは相変わらず。内野手の動きにも違和感が残り、打球や送球にもイマイチ、スピード感がないなど、首をかしげてしまう部分が多々あって、「キャプテン」と比べて、何とも爽快感がない。あと、今頃になって気付いたのだが、あのBGMが頂けないのだな。「キャプテン」のBGMは試合を盛り上げる効果が絶大で実に良かったのだが(私はむしろ、DVD−BOXよりも、サウンドトラックの方を出して欲しいくらいで…)、日本一スピード感のない野球アニメ「H2」程ではないものの、「プレイボール」のBGMはどうにもほんわかし過ぎていて、緊張感やスピード感を削いでいる気がしてならない…。今回は色々と批判めいたレビューになってしまい、申し訳ない。
 
 
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July 23, 2005 23:53

pb03.jpg たとえ満足にプレイ出来なかろうと、やはり、本当に好きなのはサッカーではなく野球なのだと察してくれた相木の計らいにより、野球部に入部する事になった谷口。中途入部するに当たり、挨拶をしっかりしろと言う父の忠告に、授業中もその事で頭が一杯で先生からカミナリを落とされる始末だ。野球部でも、青葉学院を下した伝説のキャプテン・谷口入部の件で話題は持ちきり。しかし、谷口にチヤホヤするナインとは対照的に、キャプテン・田所の態度は冷たく、草むしり(始業前にこなしてしまったので免除)や、球磨きを命じる。谷口のプレイを楽しみにしていたナインは不満気にしていたが、転がってきたボールを投げ返した谷口の球がボテボテのゴロになってしまった事で、谷口の故障の深刻さを痛感。谷口ばかりが構われている状況に嫉妬しているのでは?などと勘繰られていた田所だったが、あえて冷たい態度を取っていたのは、チヤホヤしたり、期待をかける事が却って谷口を苦しめる事になると判断しての心遣いだったのだ。しかし、元同僚であるサッカー部員達の要望に折れるかの様に、仕方なく谷口にバッティング練習をさせてみる事に…。最初は硬球用のバットの重さや硬球を打ち損じた時のしびれに戸惑っていた谷口だが、すぐにアジャストして大飛球を放つ。快打連発され、面白くない中山は勝手にカーブまで混ぜてムキになって抑え込もうとするも、悉く簡単に打ち返す谷口。しかも、柵越えしない様にセンターの一番深い所を狙い打つ芸当付きのバッティングに、「こりゃ本物だ」と田所も驚きを隠せない。
 代打の切り札として起用される事になった谷口は素振りに打ち込むが、2日後に夏の地区予選である京成高との一戦を控えていると言うのに、ナインは勝とうと言う気概や緊張感が全く感じられず、青葉学院相手に必死の努力で勝利を掴み取った谷口からしてみれば、そんなナインの様子がもどかしく感じられて仕方ない。父からは「大体、お前は草むしりでいいって、入ったんだから、もっと楽しんでやりゃいいじゃねぇか」と諭されるも、どうにも納得がいかずに、一人、京成高へ乗り込んで偵察を敢行するのだった。そして、いよいよ迎えた試合の日。記念すべき復帰第一戦に意気込みを見せる谷口だったが、京成高のエースが左腕である事も知らないなど、呑気なナイン達に一抹の不安を覚えてしまう。
 
 野球部に戻れる嬉しさと興奮の余りに早起きしてきた谷口に合わせる様に、父ちゃんが早く現場入りするから…などと嘘をついてまで、早々と朝飯の支度をしてくれる母ちゃん。相変わらず、谷口を影ながら気遣ってくれる両親の描写はジ〜ンと来る。「楽しめ」と言ってはみたものの、谷口が出かけていくと、どうせ偵察に行ったのだろうと理解して、「やれやれ、また始まったよ」「いいじゃねぇか」と呆れて苦笑したり、ホント、この両親は谷口の事を愛しているんだなぁ。あと、一早く学校に向かい、手入れの悪いグラウンドを嬉しそうに草むしりをする様子を「良かったなぁ」と言わんばかりに見守る相木とか、野球のユニフォームを手に取り、思わず涙ぐんで愛おしそうに抱きしめてしまう谷口とか、細かな心理描写がいちいち心憎いねぇ。
 やっぱり「かたわもん」は使えなかったか。そりゃそうだ。まぁ、「使いものにならん」で全然問題はないけれど…。ところで、中山の台詞によれば、谷口の指はやはり描かれている通り、曲がった儘なのではなく、曲がらない儘な様だ。実際にやってみると分かるが、人差し指が伸びきっただけの状態からなら、それなりのボールは投げられるので、これはちょっと納得がいかない。少々ネタバレになってしまうのだが、山本の魔球発言がカットされているのも、指を真っ直ぐに治して貰うエピソード自体、やらないと言う事の伏線なのだろうか。そうすると、ゴロ送球もフォークボールもなし? そんなバカな!? 幾ら何でもフォークの存在を無視したら、この先やっていけない訳で、この指が曲がらない設定は後々、大きく影響する筈なので、どう処理していくのか、注目して見守りたい。
 さて、今回から本格的に野球アニメになった訳だが、野球シーンの描写に関しては、今回は少々不満を覚えた。谷口の打球とか、京成高のノックとか、どうもカメラが近過ぎて、動きがミクロ的と言うかグラウンドが妙に狭く感じるし、谷口のバッティングが上半身しか描かれないとか、どうも手抜きに見える部分が多い。あと、絵の枚数が少ないのか、イマイチ滑らかさが欠けている気もする。その為、体重移動や反動をつける描写がちょっと不自然に映るのだ。次回はいよいよ試合に入るので、この辺の不安が排除される事を祈るばかりだ。
 
 ところで、アニメ「プレイボール」は1クールで終わるとか言う噂を小耳に挟んだが、マジなのか? そしたら、田所の代で確実に終了だよなぁ。丸井の入学どころか、倉橋すら出てこないって事になる。幾ら何でも、そりゃあんまりだ。「キャプテン」のDVD−BOXを売る為だけのアニメ化と言われても仕方ないぞ。ガセネタである事を切に願う。
 
【追記】全13話と言うのは、どうやらガセネタではない様で…。どう考えても、13話では物足りないので、是非とも、第2期,第3期と作っていって欲しいものだ。これまた、DVDが売れたらとか、そういう話だったりするのかねぇ? 青少年育成国民会議(と東京都墨田区)の推薦作品だって言うのに、どうも金儲けの臭いがしてならんよなぁ…。


プレイボール (3)

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July 16, 2005 23:59

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 すっかりサッカー部に溶け込んだ谷口は恒例の神社特訓により、めきめきと力をつける。紅白戦でその底力をまざまざと見せつけた事により、相木,今野を初め、部員全員からレギュラー入りを賛同される事に…。心配していた丸井,イガラシにもサッカー部入部を報告するなど、野球との決別を心に誓う谷口だったが、ランニング中、少年野球に目を奪われるなど、捨てた筈の野球の影が谷口に徐々に忍び寄る。神社特訓中でもサッカーボールが野球のボールに見えてしまうなど、つきまとう野球の幻影に憤りを覚えた谷口はそれを必死に振り払うかの様にむきになってサッカーの練習に打ち込む。そんな中、荒川高との試合に向け、タイヤキ屋で算段を練る相木と今野。タイヤキ屋の主人(声:梨田昌孝・元近鉄監督)から荒川高が河川敷で練習している事を教えられ、早速、偵察に。しかし、そこで相木が目にしたのは横の野球グラウンドで少年野球の主審を楽しそうに務めていた谷口の姿だった。谷口が一番大事にしているものは、やはり野球なのだと気付いた相木は谷口に対して、サッカー部からの退部を通告。そして、もう一度野球をやる様に叱咤するのだった。

「『野球なんか』だと、谷口! 自分が一番大事にしているものに、『なんか』なんて言うな〜っ!」
「お前にはサッカー部を辞めて貰う。自分の気持ちも分からん奴は俺の方でお断りだ!」
「いい加減に目を覚ますんだ、谷口! お前は絶対野球をやるべきなんだ!」

 ええ話や〜。相木さん、カッコ良過ぎるぜ〜っ! サッカー部退部編、原作とは違うテイストでありました。先週、やってくれなくて不満だった例のシーンは今回、一応、やってくれたけど、ちょっとあっさりし過ぎたかなぁ。あそこはもう少しじっくりやって欲しかった。一瞬、野球のボールに見える→習慣とは怖いものだと思いつつ、特訓再開→しばらくしてまた野球のボールに見えて、内野手的な動きで捕球(今回のボールの捕り方では全く野球の動きに見えないので不満大)→憤って、ボールを叩き付ける→後ろで父ちゃんがそれを見ている…と言う原作の流れは絶妙だっただけに、残念。「まだ魂が浮ついている様だな」と相木に殴打されまくるシーンもカットされたので、ちょっと心配していたのだけど、最後はいいシーンでまとめられて何より。ただ、相木的にはかなり良かった話なのだが、今野が何ら動揺する事なく、やけにあっさりしていたのには大不満。相木以上に谷口を評価していた今野だけに、谷口が主審をしていた事に気付いた瞬間、大きなショックを受け、「魂が野球にいっちゃったやつをおいておいた所でしょうがありませんからね」と泣く泣く退部を認めるのが胸を打つ所だったのに…。理解があるにも程があるぜ、今野!
 丸井とイガラシは今回もスポット参戦。谷口のおごりでタイヤキ屋へ連れられた二人がサッカー部入りを聞かされて、寂しそうにする辺りや、二人と別れた後、谷口が野球との決別を決意するかの様にうつむくシーンは良かった。原作と違う部分でいい所も悪い所も出ているアニメ版だが、それはそれでいいと思う。次回はいよいよ本格的に野球編に入るので楽しみにしたい。それにしても、酒代削ってまでサッカーボールをプレゼントしたのに、あっと言う間に用済みになってしまうとは、父ちゃん、いと哀れ(笑)。


プレイボール (2)

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July 09, 2005 23:59

 
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 いよいよ始まった待望の新作アニメ「プレイボール」。オープニングがの名曲「君は何かが出来る」のリメイクとはなかなか心憎い…けど、直後に流れた「キャプテン DVD−BOX」のCMで元祖を聞かされてしまうと、どうしてもこっちになびいちゃうよねぇ。エンディングは泣けるシーンには持ってこいだった「ありがとう」と比べると軽いノリで、劇中では使いづらいかも…?
 絵の方は殆ど不安を感じていなかったのだが、やっぱり心配だったのが声。無論、同じ人が起用されるなんて期待は微塵もしていなかったけれど、前作の声のイメージは20年以上経った今もしっかり脳に刻み込まれているので、「キャプテン」からの継承キャラについてはどうしても比較してしまう事になる。谷口は意外と悪くない。両親もいい感じだ。丸井は前よりちょっと知的に聞こえる気がするが、十分許容範囲。しかし、イガラシだけはどうにもしっくり来ない。歴代キャプテンで最も知性的かつ生意気だったイガラシだが、「キャプテン」で言えば、まるで島田みたいな感じの声で違和感ありありだ。果たして、そのうち慣れるのだろうか…。劇場版「キャプテン」のイガラシはTV版より、先に見ているのに、何回見てもイマイチ慣れないんだけど…(^^;)。
 さて、そろそろ本編の話でも…。今回、随分飛ばしてるねぇ。1話でこんなに進めてしまうとは思わなんだ。谷口の伝説について、サッカー部員が知ってて、野球部の連中が全然知らないってのはどうよ?(原作では山本以外の部員は、みんな知ってる)。山本の「この指で魔球なんか投げられたりしてさ!」と言う無神経ながらも、後々の伏線にもなる台詞がなかったのも痛い。これは今後でもいいので、是非、使って欲しい所だ。丸井達や両親達が野球が出来ない谷口に気を使うシーンがふんだんに盛り込まれていたり(そういや、谷口家のチャンネルはガチャガチャ回すヤツ。時代背景は現代ではなく、連載当時の約30年前と言う事でいいのかな?)、今野が谷口をしごく経緯とか、原作と違うシーンはなかなかいい感じ。原作の様にサッカー部に勧誘されて、その日に入ってしまうのではなく、こういうエピソードの後に入部を決意する辺りは好感が持てる。しかし、谷口が野球に未練たらたらな様子が結構、ハショられているのが気にかかる。特に、サッカーの特訓をしながら、つい野球の打球の様にキャッチしてしまって、憤ってボールを叩きつけるシーンとか、絶対不可欠だと思うのだが…。多少、話が前後している部分があるので、次回にまとめてやってくれると信じたい。あと、谷口の人差し指が曲がった儘になってしまったのではなく、曲がらなくなってしまったかの様に描かれているのが、気になって仕方がない。あれだと、今後の展開に困らないか?
 まぁ、多少の不満はあれど、総じていえば、満足度は高かった。やはり、「プレイボール」はいい作品だね。タイヤキエピソードが入っているのもナイス。次回予告でもタイヤキ食ってるしなぁ。今後は丸井と谷口の間でタイヤキを巡る激しいバトルが繰り広げられる事を期待したい。ところで、丸井とイガラシはオープニングに出てはいるけれど、墨高のユニフォーム姿はなし。二人共、今回の様に原作にない顔見せ興行が続くのだろうか。多分、2クールで終了なんじゃないかと思うのだが、一体、どの辺りで完結させるのだろう。流石に、丸井入学まではやってくれると信じたいが、イガラシ入学となると、2クールでは微妙な所かも…。
 それにしても、こんな作品を深夜にやる意味が全く分からない。本来、見せるべき対象は「キャプテン」にリアルタイムでハマった大人達などではなく、今の少年世代じゃなかろうか。こういうひたむきに頑張る姿を子供達に見せるのはいい事だと思うのだが…。「ドカベン」の影響で野球を始めたと言うプロ野球選手が多いけれど、「キャプテン」で…と言う選手も結構、話に聞く。今度は「プレイボール」で…って選手が出てきて欲しいけれど、こんな時間のアニメじゃ難しいよなぁ。NHKで「MAJOR」の枠にねじ込んだ方が向いている気がするのだが…。
 


プレイボール (1)

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April 25, 2005 22:25

 ちばあきおの名作「プレイボール」が7月にアニメ化される、と言う衝撃的なニュースを聞いた。私が最も好きな野球アニメは「ドカベン」と思われがちなのだが、実は「キャプテン」なので、この朗報には諸手を上げて喜びたい。天才肌ばかりの水島作品と違い、凡人が精一杯の努力で上を目指していかんとする様が実にリアルで感情移入しやすいちばあきお作品は違った魅力を持っている。スタッフも放映局もまるで不明な状態ではあるが、アニメ「プレイボール」への期待はとてつもなく大きいのだ。
 「キャプテン」に関しては、漫画よりもアニメの方に馴染みがあったくらいで、台詞がスラスラと出てくる程、没頭した作品。草野球とかやってると、ついつい「キャプテン」ごっこをしてしまうクセは未だに治らない(^^;)。プロとしてこなれた声優を使うのではなく、等身大の少年達を使ったキャスティングも味があった。あのヘタウマさ加減が絶妙でひたむきさを感じられて凄く好きだったのだが、今回は果たして、どうなんだろう。谷口役が和栗正明氏だったりしたら、神の所業だが、流石に、それはありえないだろうなぁ。あえてプロを使うなら、個人的には喜安浩平氏辺りを希望してみるの事。
 野球アニメなので、やはり重要なのは野球の動き。あれ程、実際の動きを研究して、綺麗に描写された作品はお目にかからない。「キャプテン」と比べると、「ドカベン」など、カクカクアニメと言ってしまってもいい。低予算を強いられていそうな今のアニメ業界だけに、制作時間やら絵の枚数を削られて、中途半端な動きにならない事を祈るばかり。
 まだ断言は出来ないけれど、余裕があったら、全話レビューなんぞやってみたいなぁと思うとりますので、その時はまた宜しくと言う事で…。
 


キャプテン DVD complete BOX

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