February 16, 2008

本職投手の一人一殺リレー! 微笑の登板はお蔵入り!? / 今週の「ドカパロSS 超地獄変」 1

 9回表を前にして、ついに東京のブルペンの電話が鳴った。そうとは知らずに、次は微笑の登板と決め込んでいた中日だったが、9番手として指名されたのは本職の飯島だった。必ず出番はあると信じていた飯島は喜々としてマウンドへ登場。ここまでおちょくり続けていたのだから、最後までそうすべきだと言う岩鬼の意見を一理あると考える山田は、これで中日の焦りが気合いに変わってしまうかもしれないと心配していたが、ここまで土井垣のイカレ采配が結果的には成功している為、肯定せざるを得ないのだった。「幸いなのはセの中日だから飯島を知らない事だ」などと無体な事をぬかす山田は先頭の谷繁が荒木,井端の為に、自分を犠牲にして飯島がどんな投手か知る為に球数を投げさせようとしてくる筈だと睨み、初球にインコースのストレート,2球目にインコースから真ん中に入るスライダーと立て続けに甘いボールを要求し、あっと言う間に2−0と追い込む。待球でなければ…と肝を冷やす東京ブルペンだが、里中は「その読みが山田の一流たる由縁だ」と、自分の手柄であるかの様に陶酔。また、土井垣も「読みを外せばどんな球でも魔球だ」などと、ジャンケン野球の申し子ぶりを遺憾なく発揮する山田のリードに悦に入っていた。3球目を捉えた谷繁の打球はレフトへの大飛球となったが、微笑がフェンスに激突しながら抑えるファインプレー。ここで土井垣は谷繁が待球した意味を粉砕するがごとく、飯島から池田にスイッチ。「さほど力がないくせにストレートを投げたがる」などと無体な事をぬかす山田はあえてそのストレートを要求。これに対して「山田さんはわかっている、おれのストレートのキレを」などと勘違いした池田は意気揚々と投げ込むが、いとも簡単に荒木が痛打。里中も池田のストレートを信用していないのか、「ストレートはないぜ!」と無体な悲鳴をあげるが、このライナーをサルがジャンピングキャッチし、二死。ここで土井垣は一人一殺とばかりにようやく本当の抑えである本領を投入するのだった。

 素人投手の1イニングリレーから本職投手の1人1殺リレーに転換と言う事で結局、微笑だけ投げさせて貰えない事に…。客観的に見ると、サルや山岡よりは微笑の投球の方が見たかった…と言う人の方が多い気がするし、とにかく微笑ファンには不憫な展開である。その微笑に好守させて、守備で残しておいたのが土井垣のファインプレーなどと強引に持ち上げてはいるが、これは飯島が投げていたから、そこに打たれただけの話で、微笑を投げさせていた時にも同様の打球が飛ぶと言う仮定をする事自体、かなり馬鹿げている。仮に同様の打球が飛ぶにしても、微笑が投げていたならば、レフトには微笑の守備力をも凌駕すると思われる義経が入る事になるのだから、少なくとも守備編成の点において、土井垣のファインプレー要素は皆無だったと言っていいだろう。イカレ采配を結果論で無理矢理持ち上げられても、どん引きするしかない。ところで、セ・リーグだから飯島を知らないのが幸い…って、その理論なら東京の投手全てにあてはまるだろうに…。シリーズ第1戦から続いている土井垣のリリーフ不信によって、飯島が第7戦目にしてシリーズ初登板(…の可能性がある)と言う結果に繋がったのは、水島氏の巧みな計算によるものだった…などと言う事は絶対になく、単なる偶然の賜物だろうが、説得力に僅かながらも下駄を履かせる要素を構築出来ていたのは、正に不幸中の幸いだろう。ただし、水島氏は結果論とは言え、飯島がここまでシリーズで投げてないと言う認識があったからそうした…などと言う事はなく、単に「セ・リーグだから知らない」と短絡的な思考で言わせている可能性が圧倒的に高いのだが…。ここで水島氏がいかにプロ野球の情報力をナメているか、名手・川相の最新刊「勝つための言葉」から立証しよう。

「(2007年のアジアシリーズ出場権争奪戦に関して)交流戦を三年間やってきたために、情報もかなり豊富だった。選手たちもある程度、相手チームを把握していた。どんな小さな情報であっても、短期決戦ではしっかり準備しておくことが、勝利のポイントになる」

 飯島がシリーズ初登板であろうとも、中日サイドが知らない投手だからと言って慌てふためく事などないと、名手・川相は言っているのだ。にも拘わらず、谷繁は待球戦法などかまして、簡単に追い込まれてしまった。この方針がいかに愚かな事かを名手・川相の最新刊「勝つための言葉」から立証しよう。

「知らない相手だからといって探りを入れながら試合に臨むと、あっという間に負けてしまうことが多い。(中略)知っているピッチャーなら二ストライクまで追い込まれても、なんとか対応出来るとおもう。でも短期決戦なら待っているというわけにはいかない。(中略)だから、後手、後手にまわると三振アウトだ」

 ただでさえ、後手に回ってはダメだと言うのに、ましてや、もうあとがない第7戦の9回表で最後まで投げきる確証すらない投手(実際、すぐ池田にスイッチされた)のボールを見極める為に悠長に待球戦法なんてかましてる余裕などあろう筈がない。序盤は素人投手相手にいい球過ぎて見逃しまくったり、この試合、中日は何球棒球を見逃せば気が済むのか…。そして、山田のリードもそんなんばっかりだ。山田が読みが全てのジャンケン野球を展開するのは毎度の事だが、この中日の不用意さは水島氏の匙加減により構築されている…としか感じさせない不自然さしか漂わない。それを読みきって、つけ込む山田のリードは水島氏による据え膳を食しているだけの事で、とても一流のリードとは感じられないのだ。にも拘わらず、その山田のリードに陶酔しまくる里中や土井垣にはツッコミを入れる気力も失せてくる。さて、てっきり池田は速球派なのかと思っていたのだが、山田も里中も池田のストレートに対して、酷い物言いで、実は軟投派だった事が露呈したのは、ちょっとガッカリ。しかも本人はストレートに自信満々な辺り、実に不憫でならない上、その力のないストレートをあえて投げさせる事により打ち取るのは自分のリードのおかげと言わんばかりの山田の腹黒さには欝になるばかりだ。最後の最後でようやく本領が出てきた訳だが、この引きで次回、本領が抑えてゲームセット…ではあまりに白ける展開だし、伏兵の値千金の一発が大好きな水島氏だけに井端が同点アーチを叩き込む…と予想してみる。伏兵の一発は本来なら、意外性のある展開なのだが、水島ワールドではやり過ぎで最早、日常茶飯事。打つべくして打つ主砲や、中距離打者からの一発の方が遙かに意外…と言うまったく訳の分からない世界である。ただし、これは山田の所属するチームに限っては当てはまらない法則なのは言うまでもない。

勝つための言葉 (ロング新書)

ランキング投票にご協力下さい→ 人気blogランキング



ritzberry at 21:18コメント(7)トラックバック(0)2008 ドカベン  

トラックバックURL

コメント一覧

1. Posted by カツレツ亭の亭主   February 17, 2008 07:36
この漫画は、翌週の展開を楽しみにするというよりも、「今度は一体、どんな事を描いてやがるんだか」などという気持ちで毎週、チェックしてしまいます。しかし、この日本シリーズに関しては水島氏の悪い面が出尽くしている感じですね。今回の日本シリーズは下手に長引かせず、さっさと終わらせてほしいです。
リアル世界では、キャンプも中盤だというのに、もし、劇中で更に日本シリーズが長引くようだと里中+サチ子、岩鬼+夏子の結婚は持ち越し、山田が惚れていた彩子に及んでは、最早、忘却の彼方でしょうか。
しかし、彩子も消えてしまうとなると、一体、山田は誰と結婚するのか…。
2. Posted by     February 17, 2008 13:13
「勝つための言葉」の抜粋文はプロ野球の世界で揉まれてきた選手としては当然のものだと思います。
しかし、その当然であることを水島氏がまったく理解できていないことに開いた口が塞がりません。
確かに水島氏は川相選手と違い、その世界の中で生きてきた訳ではありませんが、プロ野球を題材にした漫画の作者である以上、いつまでも同じ姿勢で居続けるのは如何なものかな、と思います
3. Posted by 岸多   February 17, 2008 23:13
今回の日本シリーズ編でよくよく実感したこと。
ただ奇策を描くのは容易く、奇策を有効な策として演出するのは難いということ。
そして、水島氏にはもう、奇策を有効な策として演出する能力は全くないということ。
どのような形で日本シリーズ編が終わるにせよ、大相撲編に続いて何をしたかったのやら
益体もないエピソードとして終わりそうですね。
4. Posted by 主砲・原   February 17, 2008 23:25
>カツレツ亭の亭主さん
期待よりも、怖い物見たさになってますよね、次週の展開。
色恋沙汰に関してですが、里中は今回の故障の影響で結婚が延期となり
リハビリが上手くいかない苛立ちから、サチ子とも噛み合わず
やがて破局→岩鬼×サチ子復活…となる可能性が高まってきた予感が…。
彩子なんか、下手すりゃ読者も忘れてます。とにかく小林稔子を思い出せと…。
5. Posted by 主砲・原   February 17, 2008 23:31
>ななし(仮)さん
素人レベルでも想像はつく事だと思います。
実際その通りなのだと言う事を川相が述べている訳ですが…。
水島氏はそれを理解出来ていないと言うより
話作りの障害になるからと、あえて排除しているのか
単に、水島理論を展開したいだけな気もします。
特に、高校野球漫画だと如実なのですが
水島氏は相手を知らない事から始まり
試合終了までに探るストーリーを作りがちですし…。
今日び高校野球とて、必死に情報戦やっているのに
プロ野球でこの有様って、ありえません。
「おおきく振りかぶって」の様な情報に基づいた緻密なリードと比べると
山田のリードには説得力の欠片も感じられませんね。
6. Posted by 主砲・原   February 17, 2008 23:35
>岸多さん
有効か否かと言うか、有効たりうる為の説得力の欠如ですね。
何せ、敵の思考を無理矢理ねじ曲げたり
ご都合主義の水島理論を掲げたりして
主人公サイドの成功に結びつけているだけなので…。
そりゃ、奇策も成功するだろうけど、説得力は絶無だなと…。
7. Posted by ぽるち   February 18, 2008 10:41
この世界の中日には、川相さんが存在しないんでしょうか?

そちらの方が、現実の川相さんには幸いかもしれませんが…

コメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価:  顔   星
 
 
 
Amazon Search
サーチ:
キーワード:
Amazon.co.jp のロゴ
Clock Link
プロ野球Freak
Amazon
Recent TrackBacks
Recent Comments
Amazon.co.jpロゴ
  • ライブドアブログ