February 21, 2006 23:07

名手・川相特集「考える葦3」 / 「Number」647号

 本館の掲示板の方で名手・川相の特集記事が載っていると情報提供して頂き、「Number」を買ってきた。今号、基本的にはサッカーの欧州チャンピオンズリーグ特集であり、Jリーグはおろか、ワールドカップすらカスリとも関心のない私にとっては、知ってるどころか聞いた事もない連中が延々と取り上げられる苦痛この上ない内容だったが、全136ページ中、たった7ページしか占めない川相特集「考える葦3」だけで、十二分に満足出来た。因みに、この企画、第1回目の時はしっかりチェックしたのだが、今回が「3」と言う事で、一体いつの間に「2」があったのだ〜と、今更ながらに大ダメージを受けた次第。
 まずショックを受けたのが、8月24日の試合で川相がぎっくり腰に見舞われていたと言う事。更に、「このチームを日本一にすることができたら引退してもいいと、こころに秘めていた」とか「疲れがとれにくくなっている」なんて言葉が続き、ドキッとさせられる事しきりだ。徐々に体力,回復力が衰えていき、現役生活が残り少なくなってきた事を痛感しながらも、まだやり残している事,やらなければならない事がある…。コーチではなく、現役だからこそ後に続く者達に伝えられるものがある…。川相のそんな想いが伝わってくる熱い内容だ。巨人で暫定的に引退後、中日で復帰した事に関して「原監督を解任し、暴言としか思えぬ言動を平気でくりかえすようなオーナーのもとなどで現役生活をやめてなるものかと思ったからだ」なんてくだりがある。川相の言葉とは書いていないし、書き手が勝手に川相の気持ちを代弁しただけかもしれないが、少なからず、そういう想いがあったのも確かだろう。巨人での晩年に感じていたのは「よそのチームから力のある選手ばかりとってきたから、なんとかしてやろうという気持ちが湧かなくなっていた」との事。しかし、中日と言うチームは違った。荒木も井端も川相から多くのものを受け取ったに違いないし、これからも多くのものを学んでいく事だろう。それに引き替え、巨人のあの男は5年間もチームを共にしながら川相から一体、何を学んだと言うのか…。川相から聖域のポジションを奪ったのは自分だと勘違いしているんじゃないかとすら思えてしまう。実際に川相からポジションを奪ったのは茂雄に他ならないと言うのに…。そんなあの男とは対照的に、川相に憧れ、敬いながら、常に近くで接して行動する事で、着実に川相の経験を吸収していこうとする荒木の姿勢に好感を抱いた。世の川相ファンは皆、荒木が羨ましくて仕方ない事だろう。その荒木が「あと6年は現役つづけてくださいよ」と言ってくれたのも嬉しかった。「6年」と言う数字の根拠はよく分からないが、日本球界史上初の現役親子鷹実現に望みを繋ぐ為にも、それくらいはやって貰わないと…。川相が自慢出来る事は通算犠打の世界記録などではなく、茂雄の陰謀により、何年にも渡ってベンチウォーマーを強いられながらも、23年も現役でいられた事だと言う。「随分、謙虚な自慢」と言われて返した答えが「だから、野球選手達に限りなく夢をあたえている数少ないプロ野球選手のひとりですよ、自分は」。謙虚どころか、凄い自慢じゃなかろうか。でも、実際、その通りだし、全然嫌味じゃないよなぁ。遠路、山奥まで野球教室に訪れ、時間を惜しむ事なく真摯な態度で接するなど、これからプロを目指す野球少年達に夢を与えるだけでなく、二軍でくすぶっている選手達にも希望の光を照らし続ける川相の勇姿を今季も1試合でも多く見せて貰いたい。その為にも落合監督には茂雄の陰謀に屈する事なく、オレ流大チョンボ采配を炸裂させない様に祈るばかりだ。結構、ネタばらししてしまったが、今号の「Number」は川相ファンなら必読モノ。是非とも、抑えておくべき一品だろう。

PS.原稿書き上げたのが、昨年末らしく、川相はコーチ兼任になる様に書かれているが、実際はメンタルアドバイザー兼任で実質上、選手専任の筈。本文はともかく、タイトル下の見出しは修正しておかんとあかんやろ…。

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コメント一覧

1. Posted by ひでぼう監督   February 23, 2006 21:40
管理人様>
さっそくNumberを購入されたのですね。私などは、特集の欧州チャンピオンズリーグを目的で購入→川相選手の記事は買ってから後で気づいた…のですが、川相選手のファンであることを差し引いても、この「考える葦」が誌内で読者に読ませる最も良い原稿だなぁと感じてます。
それにしても2の内容が気になってきたなぁ(-.-)どなたかおぼえてらっしゃる方はおりませんかねぇ…

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