November 29, 2005 22:36

アストロシフト完全粉砕! 大門、けじめの影腹グランドスラム! / 「アストロ球団」 第八球(後編) 4

 回を追う毎に端折り具合が増していく「アストロ球団」。今回も凄い勢いでカットされまくりだが、バロンのカッコ良さは端折られない!

【「死なねばならぬ理由が1つもない」筈の大門、あっさり他界】
「男対男の、掛け値無しの勝負をしてやろうじゃねぇか。いくぜ、大門!」

いつの間にやら二死満塁の場面が出来上がっており、ヌンチャクを置き、普通のバットで大門が打席に登場。球一曰く真のバットマンとして目覚めたらしい大門に敬意を評したアストロ陣営は、球三郎,球六の内野二人が残像が出来る程の高速横移動を繰り返し、打球が低いうちに抑えるべく明智兄弟を二塁ベース後方に置くと言う鉄壁(?)のアストロシフトを敢行。そして、球一は初球からファントム魔球を投げ込むも、所詮、たった2球で身内から死刑宣告をされてしまったボールである為か、いともあっさりと股間を抜かれると、球三郎,球六は超高速移動が出来るにも拘わらず、二塁ベース上は担当でないのか、全く捕りに行く気配はなく、球八も球一同様に股間を抜かれ、球八から自由落下の球七は無論、間に合う筈もない。アストロシフトを簡単に突破した打球は、そこから一気に伸び上がり、スコアボードのビクトリー球団旗を直撃する同点グランドスラム。完璧に打ち込まれた球一は悔しさを表すよりも、大門の凄さを素直に褒め称える。今までの血生臭い展開が嘘の様なクリーン野球だ。塁上の走者が全て返っても、打席に仁王立ちの大門だったが、既に、絶命していた。打席前に影腹を切っていたのだ。影腹を切っている状態での打席で体に力が入らず、消えゆく命の灯を燃やしながらバットを振り、その魂を打球に乗せるがごとく打ち込んだ筈の決死の満塁弾があまりにもあっさり消化されてしまったのは実に残念。打席で苦しんでる気配が全くないので、何かある…と言う気配を汲み取りようがなく、原作未読者はこの上なく唐突な大門の死に対しては、正に、アストロナイン同様の驚きを抱いたかもしれない。詫び状は物語の展開が違っている事に合わせて、微妙に内容が変わっていたが、特に不満はなし。最後に残した球三郎への遺言が血で滲んで読めない事に関して、原作では結構、淡泊に振る舞っていた球七がワナワナと体を震わせ、涙を流しながら訴える部分はかなり良かったと思う。球三郎は分かっていると言う「大門の言いたかった事」とは、きっと…

「アストロ球団」DVDを発売する暁には伊集院兄弟に関するエピソードを
全て網羅した完全ノーカット版を収録してくれ!

…と言う事に違いない! それは無理だよ、兄さん…(T_T)。

【無駄ではなかった大門の死! 球四郎、ついに覚醒の時!】
大門の崇高な死にすら悪態をつき、「敗北者」とまで大門を貶める球四郎。あくまで冷血漢を貫いているかに見えるが、刀を握る手が震えていた事が動揺を表していた。

「見ろ、てめぇの兵隊達で血みどろになって闘っているぜ」(球一)
「人にはそれぞれ器がある。人の上に立つ者と人の下に傅く者よ」(球四郎)

バックが身の危険を顧みない決死のプレイで打球を追っている様に対しても、冷たく言い放つが、既に当初の余裕は完全に消え失せている。球一にスタンドへ叩き込まれたばかりか、更に、連打を浴びるなど、今までの無敵ぶりが嘘の一方的に打ち込まれてしまう。強がる球四郎に喝を入れんとするバロンだが、極限まで追い詰められた事で、ようやく覚醒し始めた球四郎の目の色に気付き、諭す様に言う。

「お互いつまらねぇエリート意識は捨てようぜ。素っ裸になって、アストロと同じ土俵に立とうや」

忠誠の誓いを立てるナインに手を上げようとした球四郎だが、その拳を止め、素直に詫びを入れる。威厳と権威を振りかざしても人はついて来ないと、ようやく悟った球四郎は無駄なプライドをかなぐり捨てて、アストロナインに挑む。自らの身を呈して打球を止め、トリプルプレーを完成させる姿は今までの球四郎とは明らかに違うものだ。

「あの死に様を見て、勝てんと思うた。悔し紛れに仏に唾を吐きかけたけど、それはワシの背伸びやったがよ」

非常に急展開ではあるものの、ここに至るまでの球四郎の変化の過程はなかなかいい感じだ。そして、何よりバロンがカッコいい! 一見、参謀の様に振る舞っているが、実は球四郎は傀儡に過ぎず、この男が黒幕だったのだ!…なんて展開でもあまり驚かないかもしれんなぁ…。

【博打王が生んだ?秘球・ファイナル大魔球炸裂! 球四郎、すっかり改心!】
球一のパクリ魔球ばかり投げていた球四郎のオリジナル「ファイナル大魔球」がついに炸裂。TV版ではその開発に当たって、博打王である設定がカスリとも生かされていないプロボウラー・剣持豪が大きく関わっている………………筈なのだが、結局、どう関わったのかは語られる気配皆無。なら、そんな気ぃ持たせる設定いらんやんか! 2点を失い、再び迎えた球四郎の打席で力尽きる球一に、刀を持ってマウンドに迫る球四郎。改心したと言うのに、今までが今までだけに信用しきれていないアストロナインが悉く止めに入るが、刀を持ってきたのは球一の左手の指先に出来たしこりを切って、溜まった血を出す為だった。

「目覚めの悪い勝ち方しとうないだけがよ。けんど、容赦せんぜよ」(球四郎)
「礼をさせて貰うぜ…。お前を打ち取る事でな」(球一)

今や、正々堂々と立ち向かってくる球四郎のクリーンな姿勢に応えるべく、渾身のファントム魔球を投じる球一。しかし、所詮、たった2球で身内から死刑宣告をされてしまったボールである為、またまたあっさりと打ち返される。原作と違う場面で出る………かもしれないらしい、「飛べ〜、不死鳥〜っ!」が、ついに飛び出すのかと思いきや、そうはならず。あ〜っ、とうとうアキレス腱切れちゃったけど、本当にやってくれるのだろうか? アキレス腱が切れた際の球七の痛みを堪える様は原作以上に壮絶さが伝わってきて良かったのだが、腕を噛んでまで悲鳴を上げなかったのは、味方であるアストロナインを気遣い、敵であるビクトリーにも悟られない様と咄嗟に判断した行為なのだ…と言うのが、果たして、あれで伝わったかと言うと、微妙だなぁ(^^;)。

【千葉先生、峠会長と団欒モード】
超人達が命を懸けた死闘を演じている中、監督である千葉先生は、あろう事かふかふかの椅子でのんびりくつろぎながら、峠会長と昔話を語らっていた。超人集めに奔走していた千葉先生がやっとの事で見つけた第1号の超人少年は原因不明の難病で右目の視力を失っており、千葉先生が角膜移植をした模様。「命に換えても…」と言う千葉先生の言葉が偽りでないと感じた峠会長は千葉先生に賭ける事を決意。しかし、この人、球三郎に対しては命も懸けずに、ただ上空から投げ落としただけだったけどな! 挙げ句の果てに、右目どころか両目の視力失っちまったけどな! …で、千葉先生が角膜移植したのって、球一なんだよね? 一瞬、バロン森かと思ってしまった…。眼帯してた方の目が移植されたもので、球九郎の正体はバロンだったのだ!、…なんて、原作を大幅に無視した超展開を一瞬、期待してしまったりもしたのだが、バロンが眼帯してるのは左目の方だった。残念。でも、球一だとしても、十分、ウルトラCな展開…。この超オリジナル設定は本当に必要なものなのか? この先、注目していきたい所だ。で、そのバロン、前宙ホームインで球二のタッチをかわすなど、獅子奮迅の活躍を見せてくれて、燃える展開。だが、バロンと言うと、球七をも凌駕すると言っても過言ではないくらい攻撃的なフィールディングで魅せる男のイメージが強いので、早いトコ、守備で超美技を連発して欲しい所だ…。

【動かぬ右腕! 球四郎、ついに限界寸前!】
原作でもなかった球六の2度目のアンドロメダ大星雲打法が見られたのは嬉しいが、いともあっさりバットを粉砕されて、またも凡退。たった2球で死刑宣告されるファントム魔球と言い、折角の超必殺技が惜しげもなく破られるのが「アストロ」の凄い所だよなぁ。しかも、この後、後続打者が普通の打ち方で3連打してしまう辺り、野球漫画のセオリーと言うものはこの作品には全く通用しない。満塁の場面で登場するアストロの巨艦・球一。時代背景を考えれば問題ない筈なのだが、今や世界遺産となっている屋久杉でバットを作るのは流石にヤバいのか、球六のバットは特殊な木で出来ている訳ではない様だが、それにしたって、バットを粉砕する超スピンボールのファイナル大魔球と最初っからバットにヒビ入れておくジャコビニ流星打法の相性はどう見たって最悪だろうに、何故か簡単に前へ飛んでしまうのが不思議だ。投げたと同時に包帯がちぎれ飛び、崩れ落ちる球四郎に砕けたバットの破片が大量に襲いかかる。バットが突き刺さる事も厭わずに体を張って盾となるバロン。

「あの野郎、とうとう仮面を剥ぎやがった。この姿がバロンの本領…」(球一)
「蛍光灯野郎がカッコつけやがって…」(球七)

アキレス腱を切り、這い蹲ってベースにしがみついている状態でも球七語録は健在だ。それにしても、今週のバロンはカッコ良過ぎである。力尽きたかに思われたが、右腕の痛みがすっかり消え失せ、これで思う存分投げられると意気上がる球四郎。しかし、実際は神経がズタズタになってしまったのか、最早、痛みすら感じられない状態。全く動かせない右腕に球四郎は悲痛の叫びをあげるのだった。

アストロ球団 第二巻

ランキング投票にご協力下さい→ 人気blogランキング



トラックバックURL

トラックバック一覧

1. アストロ球団 第八球(後編)  [  特撮!萌え散らかし劇場 ]   November 29, 2005 22:48
クライマックス真っ最中!のアストロ球団、第八球後編!!! んじゃ、突っ込みいってみますね〜〜v アストロシフト ヌンチャクを置き、バットを持ってバッターボックスに立つ??
2. ドラマ『アストロ球団』―第八球 後編―  [ ―楽屋裏業務日誌― ]   November 30, 2005 00:13
スイッチが切り替わるように、場面も人の気持も切り替わってゆくめまぐるしい展開の今回。 原作読んでる人間さえ、頭の中で補完しながら必死でついていかなきゃワケが判らなくなると〈
最近、人間ナイヤガラを発動した全国のアストロ球団ファンの皆様その前にオメーさんたち感想の事をはっきりさせようじゃないか!タイトル元ネタ:ガイキングのOP 今週の見所 大門さんが・・・!
4. アストロ球団 大門死す・・・  [ あの日のChristmas ]   November 30, 2005 01:36
まさか大門さんが死ぬなんて・・・。 でも、ただじゃ死ななかったね、大門さん。 アストロシフトを打ち破って死んだね。 っていうか、アストロシフトって一回きりでもう出なさそうだな。 ↓アストロシフト 外野に球が飛んでいったら、兄貴が横っ飛びするのかな?? 恐る...
5. 大門死す!  [ こじこ脳内 ]   November 30, 2005 09:12
今週の『アストロ球団』大流血でしたぁ〜。 あっちもこっちも流血!! 流血三昧ですよ。 まぁ、この番組の流血…全然血っぽくないんでOKです。 それにしても、大門は切腹してバッタ
6. 快刀、乱麻を断つ。〜『アストロ球団』第八球・後編  [ 神変紅丼 ]   November 30, 2005 10:56
「よく切れる刀でもつれた麻の糸を断ち切るように、もつれていた物事をあざやかに解決することのたとえ」 (『大辞林』) 快進撃するアストロ打線を指して解説者が使った「快刀乱麻を断つ」という言葉が、そのままドラマそのものの成り行きを言い表していたように個人的に...
7. アストロ球団  [ ガチでもいいじゃん ]   November 30, 2005 15:00
アストロはいきなり満塁のピンチ。変化球も魔球も素人さん達に打たれちゃったんだね。打者は大門。対抗するのはアストロシフト。球三郎と球六が一塁二塁、二塁三塁を全力疾走で行ったり来たり。すると残像現象で大勢に見えるとは。いくら少年漫画でもここまでやるか。しかし...
8. アストロ・16  [ オイラの妄想感想日記 ]   December 02, 2005 09:03
4 アストロ球団。 男・男・男! 男による男祭り。 もうすぐ終わりかと思うと悲しいぜ!

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
Amazon Search
サーチ:
キーワード:
Amazon.co.jp のロゴ
Clock Link
プロ野球Freak
Recent Comments
Amazon.co.jpロゴ
  • ライブドアブログ