November 14, 2005 23:04

神風烈風隊・氏家、アストロ艦隊に怒濤の総攻撃! / 「アストロ球団」 第七球(後編) 4

 野球なんだか、殺し合いなんだか、訳が分からなくなってきたアストロ vs ビクトリー。時間の都合で原作の様々な見所が悉く端折られまくる悲しい展開に…。

【氏家、狂気のビーンボール攻撃炸裂!】
「アストロ空母母艦・球八、撃沈…!」

安易に腰だけ引いて、足下がお留守になっていた球八の隙をついて、左足爪先をスナイプ! 絶叫しつつ、白目を剥く球八が怖い。「スパイクが削がれて、爪も肉も焼きただれて、骨まで…」とは、凄過ぎる威力! 完全犯罪にイチャモンをつけてくる球一に、戦時中の兵隊の死に様を漏らし、球八の甘さを指摘する氏家。渋過ぎる! 実際に戦火をくぐり抜けてきた戦中派である事を知らない球六,球一らに時代錯誤呼ばわりされて、突然、横からプロフィールを語り出す球四郎が妙に笑える。ところで、球八の元へ集まったアストロナインに向かって突然、氏家がボールを投げつけて、球一が…

「キ●ガイか〜〜っ!」

ってシーンは、やっぱり放禁だったか。

「アストロ艦隊駆逐艦・球七、撃沈…!」

失神状態の球八に水をぶっかけ、ケガの左足にバットで殴りつけて、喝を入れる球七の壮絶シーンが完全カットされる憂き目に…。ロッテ戦で昏倒した球一を蹴り飛ばした球七ならではの名場面なのに…。これをやった上で、「たった一人っきりの弟を〜」と来るから燃える展開なのに…。さて、一転してアンダースローから繰り出された氏家のボールに球七はあえなく空振り、そこから旋回してくる異常な球道に再びバットで防がんとするも、これもかわされて両足の脛を裂傷。気迫で立ち上がろうとする球七だったが、痛みに耐えられず、昏倒。狂喜に震える氏家の背後で、ズリズリ地面を這いずりながら、一塁まで辿り着く球七の姿も思いっきりカットされてしまい、至極、残念。

球二の死球はTV画面だけで処理されてしまったのは可哀想だが、どてっ腹に食らっただけなので、今後のプレーにさしたる支障もなく、殆ど無傷に等しい死球だしな。ある意味、この男は球五よりも地味なのかもしれないが、ツキは味方につけている様だ。原作でも言ってくれなかったのだが、果たして、球二にはどういう艦が割り振られていたのかが気になるなぁ…。

「アストロ重巡艦・球三郎、撃沈…!」

大門と球三郎,大門と氏家の絡みばかりか、球三郎が執拗にファールで粘りまくり、一球とて無駄に出来ない氏家の選手寿命を一気に縮めるくだりも端折られ、いきなり初球から、為す術もなく頭部直撃。情けないぜ、球三郎! 原作では球二以外「そりゃ、死球じゃなくて、ただのファール(もしくは空振り)だろ!」と言う代物だった氏家のアストロ殲滅劇。ファールなのに重傷を与え、ファールだから危険球にもならないと言うローリスクハイリターンの完全犯罪の筈が、何故か、アストロナインは次々と当たり前の様に出塁すると言う氏家には何とも気の毒な展開だった訳だが、とりあえず、TV版は球七以外、まっとうな死球っぽいね。ここで球四郎から戒名を書いた位牌が届けられる。

「奇妙院幻烈居士」

見事に氏家を表した絶妙な戒名である。因みに、端折られてしまったが、氏家から球一に送った位牌に書かれた戒名は…

「光明院球童居士」

これまたいい感じだ。折角だから、氏家にはアストロナイン全員の戒名をつけて欲しかったものよ。初回の死球には耐えたものの、背中の傷がうずいて恐怖心を拭えていなかった球一が球六のアドバイスにより、胸部ギプスを装着して打席に入る原作とは対照的に、ここでもビーンボールを投げてくる事は間違いないであろう氏家を挑発する様にヘルメットを投げ捨てて打席に入る球一。これくらい強気の球一の方がカッコいいとは思うのだが、氏家の覚悟を目の当たりにして…

「このままでは負ける! たとえ超人ワザと超人ガッツがあったにせよ、死を覚悟したヤツにはかなわねぇ」

と、球一にここまで言わせる程、氏家の気迫は凄まじいものであると分からせるシーンがなくなってしまったのは、やはり残念と言うしかない。

「氏家慎次郎、アストロ艦隊旗艦・宇野球一に特攻を敢行せり」

アストロ艦隊旗艦・球一に特攻をかけるべく、モーションに入った氏家は突然、水芸を…。打ち気満々の球一をはぐらかそうと言う作戦か…!?全ての力を凝縮して燃え尽きんと頭の血管が破れて血を吹き出しながら、決死の投球を敢行。一見、ナマクラ球に見えるボールを見事にバックスクリーンへ打ち返す球一だが、今度は球一が氏家に対抗して水芸を敢行首から血を吹き出し、共にぶっ倒れてしまう凄絶な展開…なのだが、電動ドリルの時と言い、血が噴き出すシーンの音が「ブシェェェーッ」とか「ブバーッ」とかではなく、「ぴゅ〜」にしか聞こえない描写はちょっと泣けてくるね。それにしても、ここはやはり、艦隊に特攻する飛行機の映像が欲しかったのぅ…。人間ナイアガラ時のナイアガラの滝と、ここの特攻は外せない背景演出だと思うのだが…。この後、原作では、ホームランを放った球一が何故、重傷を負ってしまったのか…と言う極めてミステリアスな展開について、カネやんをMCとして思いっきり引っ張った訳だが、不在のカネやんに代わって、解説役と化すと思われた茂雄も何らコメントを残す事もなく、そもそも投げる前からボールの縫い目を爪で千切る氏家のネタ晴らし映像が流れるなど、至極、あっさりと処理されてしまう(原作未見の人はあれっぽっちの会話で果たして全てを理解出来たのか?と心配になってくる)。これは…

「同志・氏家が燃え尽きた今、謎をほじくり返した所で何も生まれはせん! 燃え尽きた氏家はんに失礼なだけや」

と言う原作の球四郎の言葉を尊重したに違いない…と好意的に解釈しておこう。それにしても、ギプスをつけていなかったにも拘わらず、「頸動脈に達してかったから良かったものの…」で処理され、あっさり復活してしまう球一。元気過ぎである。これでは燃え尽きて老化した氏家も浮かばれんのぅ。老化によりボケてしまった氏家に対して、やけに丁寧にベンチまで引率する大門だが、ここまで全然氏家との絡みがなく、氏家に敬意を表する様子も描かれていないので、やけに人が丸くなったみたいで妙に可愛い…。

【球五、大門の不完全犯罪の前に退場】
氏家が去り、満を持してマウンドに上がった球四郎。ただの棒球にも拘わらず、何か企んでいるに違いないと警戒し過ぎの球五は折角、体得したバム打法を使う事なく(フォームはバム打法っぽかったけど)、普通に打ってサードへの凡ゴロに倒れる大失態。すかさず一塁へ送球しようとするダイナマイト拳だが、大門の殺戮行為を正当化させるべく、一呼吸置いてから送球する事で一塁ベース上でクロスプレーにさせようと陰謀を働く球四郎。しかし、実際の所、全然クロスプレーになっておらず、悠々アウトのタイミングで大門が故意落球。明らかに罠である事をベンチのアストロナイン全員が気付いているにも拘わらず、何の勝算もなしに愚直にも一塁ベースへ突っ込んだ球五は前蹴り,膝蹴り,肘打ち,回し蹴りの4段コンボを食らった挙げ句に、フェンスに叩き付けられる散々な目に遭わされ、無念の退場。幾ら目立たないからって、こんな事で目立っても仕方ないぞ、球五! 故意に落としたボールを足の甲で掬い上げ、その儘、蹴りながらタッチと言う所までは、この上なく強引ながらも正当性を主張しうるものの、その後の追加攻撃は既に、立ち上がれない球五を無理矢理立たせてから打撃を加えるなど、どれもこれも完全故意の一方的暴力行為にしか見えない。折角、球四郎が殺人罪回避へのフォローをしてくれたのに、何やってんですか、大門さん! 原作では、最初の蹴りタッチの後、球五がしがみついて、首を絞めようとする無為な抵抗をかましてきたが為の報復行為であり、大門の正当防衛は一応、成立していたと言うのに…。まぁ、これ以降、全く正当性のない攻撃ばっかり仕掛けてるから、ここで看過されたからって、さしたる意味はないのだが…(^^;)。

【何だかんだで物わかりのいい辺見えみり女医】
球一(すっかり全快だが)に続いて、球五が治療室送りに。身体どころか命を顧みないアストロナインを理解出来ずに呆れ返る辺見えみり女医。作中唯一と言ってもいい、真っ当な女性キャラだ(TV版では一応、食堂のおばちゃんがいるけど)。何も事情を知らない筈なのに、いきなり球一から無言で沢村のボールを突き出されても困りそうなモンだが、あれだけで全て理解した模様。凄ぇぜ! いや、実は分かった様に見えて…

「この古くてボロボロのボール、もう試合じゃ使えないから、捨てといてくれ」

なんて解釈してるのかもしれん。何せ球五がいる筈の部屋ではなく、何か知らん奥の方に行っちゃってるしなぁ。ともあれ、先に球一が担ぎ込まれた時にも「ビクトリーの為に棺桶を用意しておけ」と言われてニヤリとしたり、原作と比べると、かなり男気を理解している様に見える女医さんである。ここでアストロナインが次々にぶち切れモードに突入。

「俺は怒りを忘れた人間にはなりたくねぇ!」(球七)
「理性を持って接するのは、それが通用する人間だけです。獣には通用しません!」(球三郎)
「体の隅に追いやったつもりの何かがまたうずきやがる!」(球六)

いつもなら球七の次くらいにはぶち切れそうな球一が、ここで意外な程に理性的。カットされたが、球五がいまわの際(死んでないって)に呟いた事を聞いた所為か、あくまで野球でお返ししろと諭すのだが、ナインの怒りを止められない。相変わらず、温厚な球八も不安げな表情で見守るしかない様だ。

【解かれた封印! ダイマナイト拳、殺人X打法の前に散る!】
「2度と使わねぇと決めた殺人X打法! 封印を解くぜ!」

封印解くの早過ぎ!(笑) あんた、1つ前の試合で使ってたばかりやんか! カミソリの竜は既にロッテ戦で三段ドロップを打ち砕いてしまっている為か、球四郎はここでは三段ドロップを使わず、ただのストレート。殺人X打法を使うって宣言してるのに、やけに無警戒な球四郎だが、果たして、ダイナマイト拳が庇ってくれるのは計算済だったのか。右手を破壊されたダイナマイト拳が悶絶しているにも拘わらず、何事もなかった様に気怠そうにしている様が何とも憎たらしい。氏家にはあんなに敬意を評していた球四郎なのに、弟分の様に懐いてくれていたダイナマイト拳にはこの態度か。あくまで標的は球四郎であったカミソリの竜は…

「拳には気の毒な事をした。許してくれ…」

と、勝手にしゃしゃり出てきた自業自得のダイマナイト拳に詫びる大人の対応を見せる。一方、ダイナマイト拳を使い捨ての駒の様に扱う非情な球四郎の態度にビクトリーナインはすっかり造反モードと化すが、絶対君主・球四郎は、カリスマ性を存分に発揮する恐怖政治でナインを制してしまうのだった。

【千葉先生、アメリカ仕込みのナイス発音】
千葉先生を呼びつけたのは、やはり峠会長だった。あれ? 栗山の出番、もしかして、あれでおしまい? 9人目が見つかったのはいいが、何故、この試合中に、しかもああいう方法で呼ぶのかが全く分からん。出向いては、冷たくあしらわれる…の繰り返しだった千葉先生は流石に懲りたのか、峠会長の言葉も安易には信じない様子だ。

「たった今、サンフランシスコから羽田に到着したと言う連絡があった。もうすぐここに来るじゃろう」
「サンフラァンスィスコ?」
「やはり、気付いた様じゃのぅ(ワシの発音がまるでなってない事に)」

こ…、これが本場の発音なのか!? 思いっきりカタカナ読みの峠会長とはひと味違うぜ、千葉先生〜っ!

【球八、スカイラブを打破! 邪道野球に悲痛な叫び!】
「俺をなめてたら切ない目に遭うぜ!

言葉の意味はよく分からんが、とにかく凄い自信だ! 「アストロ球団歌」を口ずさむお得意の展開で打席に入り、ついに披露した球四郎のパクリ魔球・スカイラブ投法をいともたやすく快打する球八。本当は巨体とリーチを生かして落ちる前に無理矢理バットに当てると言う強引な力技で三段ドロップを弾き返す展開だったのに、何ら対策を講じていない儘、こうも見事にスカイラブ打ち砕いてしまうとは…。前にも書いたが、TV版・球八はアストロナインの中でもかなり打撃センスを感じさせるぜ! こいつが7番とは勿体ないのぅ。

「さらば………、スカイラブ」

原作では自らの手で葬ったスカイラブをよもや球八にあっさり打破されると言う予想だにしない展開に球一も心なしか物悲しい表情だ。しかし、氏家に砕かれた左足の傷の影響でなかなか二塁まで到達出来ない球八はビクトリー野手陣から怒濤の連続攻撃を食らってしまう。先刻の大門の球五に対する暴行が真っ当に見えてしまうくらい訳の分からないプレーだ。球八もただやられっぱなしではなく、巨体を生かした4人同時ベアハッグをかました後に放り投げると言う驚異の荒技で全員に白目を剥かせる…筈なのだが、いかんせんTV版・球八は悲しいかな身長2mにも満たない小男なので残念ながら、この反撃の凄さはイマイチ伝わってこないのだった(泣)。

「もうたくさんじゃ。このきちがいじみたとち狂った野球地獄は〜っ!」

憎しみの連鎖しか生まないデスマッチ野球を完全否定し、ビクトリーナインは勿論の事、怒りに取り憑かれたアストロナインをも諫めようと絶叫する球八。折角、男を上げるいい場面なんだから、とりあえず、口の中から血を吐き出しきってから叫ぼうな…。原作では少なからず心が痛んだかに見えた球四郎だが、全く動じた様子なく、鼻で笑っているではないか。先のダイマナイト拳に対する態度と言い、こうまで冷血漢を貫いていると、この先の転落っぷりのギャップが凄そうで気になるね。

さて、次回はいよいよバロン森が登場だ! しかも、人間ナイアガラまで! かなり楽しみではあるのだが、幾ら何でも展開早過ぎでは?


 

Story
70年代に「週刊少年ジャンプ」で連載された超人格闘野球コミックの実写版ドラマの第2弾。名投手・沢村栄治の遺志を継いだ謎の男・シュウロに集められた、宇野球一ら9人の超人たちが“打倒米リーグ”目指して世界最強...(詳細こちら

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1. アストロ球団 第七球(後編) 「そのかわりアストロ球場に行かせてくれ」  [ CODY スピリッツ! ]   November 14, 2005 23:38
最近、信念のない強さは偽者と思っている全国のアストロ球団ファンの皆様いかなる感想も必ずホームベースを通る見えたわ!
2. 第七球後編  [ アストロ魂完全燃焼主義 ]   November 15, 2005 00:40
(※かなり個人的な感想となります) まだ、2回裏。だからハイスピードで進むように
3. ドラマ『アストロ球団』―第七球 後編―  [ ―楽屋裏業務日誌― ]   November 15, 2005 03:23
今回、本編より予告編を見て、一塁で膝蹴りくらって肋骨骨折気分(<意味不明) やはり展開が早い。のっけから氏家に球八・球七・球二・球三郎とサクサク倒されてゆく。 それでも球
誰がなんと言おうと第七球の主役は問答無用で氏家慎次郎という事に決まりました。「自分の生涯で二度と無いくらいかっこいいデビット伊東」はやはり見事に降臨したのであった。 アストロの航空母艦・駆逐艦・重巡鑑・旗艦を続けざまに沈めていく氏家。球二だけ(原作でも)...
5. アストロ・14  [ オイラの妄想感想日記 ]   November 15, 2005 10:33
5 ついに来たぜ、この日が、氏家大爆発の日が! でゎ、妄想感想いきます!
6. アストロ球団 第七球(後編)  [  特撮!萌え散らかし劇場 ]   November 15, 2005 10:46
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7. デスマッチだ。アストロ球団。  [ ガチでもいいじゃん ]   November 15, 2005 12:26
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