October 09, 2005 11:28

第13話 「僕達のレインボウ」 / 今週の「プレイボール」 4

pb13.jpg 谷口を抑える事が勝利に繋がると何度となく念を押され、意気揚々と立ち向かう近藤は立て続けにど真ん中への快速球で2−0と追い込む。球筋を見極めていた谷口を手も足も出ないと勘違いして、調子に乗った近藤は3球目も同じ所へ投げ込むが、谷口はこれをいとも簡単にレフトスタンドへ運んでしまう。動揺冷めやらず、制球も乱れてきた近藤だが、「お前の球は誰にでも打たれる球じゃない」と言う丸井の檄に気を良くし、後続を三者三振に斬ってとる。すっかりメンタル面では立ち直った近藤だったが、この直後、試合前に全部飲み干してしまった丸井特製スタミナドリンクで腹を下してしまい、体調面では一気にどん底へ…。一方、中山は谷口の指示により、サードに打たせて取る投球に切り替え、高木,加藤を抑える。谷口の作戦に気付いたイガラシは次打者の丸井に対策方法を伝えるも、逆に、イガラシの指示に気付いた谷口の指示により、丸井もサードゴロと凡退。その裏、下痢でへろへろになってしまった近藤はメッタ打ちを食らい、一挙6失点で形勢逆転。これで一気に墨高ペースになると思いきや、4回、東実戦での左足の故障が突如、再発した中山は制球が乱れて満塁のピンチを作ってしまう。ここで打席に入ったのは下痢の近藤。早くトイレに駆け込みたい近藤は火事場のクソ力で満塁弾を放ち、全速力でベースを一周すると、笑顔で迎える丸井をふっ飛ばして、その儘、トイレへ直行。足の痛みが増す一方の中山は高木,加藤,丸井と3連打を浴びると、イガラシには押し出し四球を与えて、試合は振り出しに。限界の中山に代わって、マウンドへ上がった谷口はフォークの連投で小室を空振り三振に斬って取り、ピンチを脱出。その裏、二死満塁のピンチを迎えた近藤は下痢である事をつい口走ってしまい、交代を命じられる。当然の様にイガラシがマウンドに立とうとした時、スタンドで見ていた佐野が自分に投げさせろと名乗りを上げる。谷口との対戦を楽しみにしていた筈のイガラシだったが、あっさり佐野の登板を認めてしまう。その真意は来年、高校に上がり、対戦する可能性もある佐野の球を谷口に見せておこうと言うものだった。投球練習に入った佐野の剛球を捕れずに音を上げる小室を見て、今度は倉橋が自分が捕手を務めると名乗り出る。ストレートを2球続けて谷口を追い込んだ佐野は、3つ続けるのは危険とカーブを要求する倉橋のサインを無視して、3球目もストレートを投げ込みながら、谷口をサードへの凡フライに打ち取る。以前対戦した時よりも球が速くなっており、キレのいいカーブもある事から攻略は容易にはいかないと分析する谷口だが、それでは困ると墨高ナインはムキになる。さっきまで気楽に取り組んでいた墨高ナインが急に勝敗に拘り出した背景には倉橋が墨谷二中の助っ人に加わった所為だった。倉橋はかつて墨高野球部に所属していたが、「ヘボチーム」と幻滅して、3日で辞めた男だったのだ。回は進んで7回表、墨谷二中の攻撃。谷口との対決を夢見ていた丸井もフォークの前に力み過ぎて空振り三振。しかし、勝利に燃えるイガラシは執念のバントヒットで出塁すると、冷静にフォークの球筋を見極めた倉橋の長打により、イガラシが一気に生還して、ついに勝ち越し点を奪う。その裏、谷口を打席に迎え、またも倉橋のサインを無視して、ストレート勝負に走る佐野。しかし、流石にいつまでも通じる訳はなく、谷口は会心の二塁打を放つ。直後、倉橋と佐野が配球を巡って衝突。壮行試合が台無しになりかねない所だったが、熱くなるな、と谷口が割って入る。よりにもよって、一番熱くなってプレーしているのがミエミエの谷口にこんな事を言われてしまい、すっかり和やかなムードとなり、この場は無事、収まるのだった。その後、一進一退の攻防が続き、8−7と墨谷二中1点リードの儘、9回裏へ突入。墨高は二死一塁で谷口を迎えると言う所で突然、大雨が降り出し、一時試合は中断。「少しでも長くみんなと野球をやっていたいから、この雨は止んで欲しくない」と言う佐々木の言葉にしんみりする墨高ベンチだったが、田所は「これで最後って訳じゃない。学校卒業しても、野球卒業する訳じゃないんだからな」と語る。そうこうしているうちに雨は上がり、再び谷口は打席へ。最早、好きな様に投げさせようと気持ちを固めた倉橋の配慮でまたもやストレート勝負を挑んだ佐野だが、谷口はこれを弾き返し、打球はライトオーバーの大飛球。同点のホームを踏んだ一塁走者に続いて、谷口も一気に本塁を狙う。クロスプレーとなったその結果は………。試合後、両軍が揃って帰路に向かう際、山本が突然、キャプテンを降りたいと言い出した。谷口の後輩である墨谷二中の面々を見て、自分ではあんな風には育てられないと痛感した山本は谷口にキャプテンを引き受けて欲しいと申し出る。再入部を宣言した倉橋らに背を押された谷口は快くキャプテンを引き受ける事にするのだった。

 野球シーンは相変わらずの体たらくなので、それに関する不満は割愛。今回はそれ以上にシナリオ面に関して、色々と不満の残る回だった(最終回なのに…)。谷口とイガラシの駆け引きはそれなりに見応えがあった…様に見えるのだが、徹底してサードに打たせようとする谷口の作戦は少々感心しない。東実戦前の様にナインが非協力的だった頃ならともかく、今は他の野手陣も特訓を積んで、それなりの守備力を身につけている状態。にも拘わらず、サード限定で打たせようとするのは、他の野手陣を全く信頼していないと言う事になるではないか。果たして、谷口がこんな傲慢な指揮を執るだろうか? イガラシの指示もある意味、おかしい。投げる前から立ち位置を変えていたら、作戦の意図がバレバレではないか。大体、墨谷二中のレベルならば、普通の位置で打席に立っていようとも、内角が来ると分かっていれば、確実に捉えてヒット出来るくらいの実力を備えていそうなものだ。丸井までが中山レベルの投手相手にボールの出し入れ程度で翻弄されるのはどうも腑に落ちない。中盤戦は下痢の近藤,故障再発の中山がいずれもメッタ打ちと言う何とも都合のいい展開で随分、大味な展開に。中山のあの痛がり様を見るに全然治っていなかったとしか思えない。たかだか壮行試合に無理して先発する必要などないくらい重傷ではないか。元々、完治してないのが分かっていながら、無理してマウンドに上がった…と言う描写があった訳でもなく、あまりにも突発的な故障再発は不自然極まりない。普通にKOされるんじゃダメなの?と首をかしげてしまう。

「もうお前の試合に負けた俺じゃない。谷口、お前に勝って証明したい。生まれ変わった俺をな!」(佐野)

 公式戦ならまだしも、こういう場では谷口にはちゃんと敬語を使えよ、佐野! 倉橋にはちゃんと「さん」付けで話しとるやんけ! 時間的な事を考えると、佐野が夏の予選で墨谷二中相手に9回もたずにぶっ倒れてから、大して経っていない筈。そんな短期間で生まれ変われんだろ。イガラシが簡単に佐野にマウンドを譲ってしまったのも、かなり強引な理屈。佐野が来年1年生でも先発を勝ち取る可能性が高いと言うのはともかく、100校以上も参加する予選で墨高と当たる確率がかなり高いと言うのは、非常に無理がある。大体、今、佐野の球を見せた所で谷口と予選で当たるのは来年の夏な訳で、この時期の佐野の球など、さして参考になるとは思えないのだが…。この試合に勝つ事が谷口への恩返しになる、と思っているイガラシが、助っ人(まして、一人はどこの馬の骨とも知れないヤツ)の力を借りるなんて、到底考えられないのだが…。 投手イガラシ vs 打者谷口の対決がお蔵入りになってしまった訳で、はっきり言って対佐野よりもこっちの方が見たかった私は残念で仕方がない。しかも、近藤の球を平気で捕っていた小室が佐野の球は全然捕れないってありえないだろ。いくら倉橋を出したいからって、無理矢理にも程がある。ここまでして無理矢理、佐野と倉橋を引っ張り出す事がファンサービスに繋がるとは素直に思えず、何とも釈然としない話の流れだった

「熱くならないで下さい。もっと気楽にいきましょう。気楽に気楽に…」(谷口)
「よく言うぜ、一番熱くなってるヤツがよ…」(田所)
「でも、この試合だけは楽しくしたかったんです。せめて田所さん達の最後の試合くらいは…」(谷口)
「みんな楽しんでるぜ。真剣に野球をやる面白さ…、谷口、お前に教わったんだから…」(田所)

 一番熱くなってるのはどう見てもイガラシだと思うが…(^^;)。谷口が一生懸命プレーしているのは確かだが、墨高ナインはともかく、最初っから思いっきりムキになってやってた佐野に谷口を笑う資格は微塵もないと思うぞ(+_+)。それにしても、田所はいつも美味しい所を持っていくねぇ。雨天中断時のベンチでのアレと言い、名台詞も多いし…。試合の決着については、あえて濁らせた様で…。でも、引き分けか墨高の勝ちの二択だから、少なくとも墨谷二中の勝ちはない訳だ。原作ではなかった山本暫定キャプテンは成程、ああいう意図であったか。この流れ自体はそう不自然とは思わなかったけど、試合中に山本の心境の変化を表す描写が微塵もなかったのが残念。何だか山本は気の毒な役回りだったなぁ。この壮行試合でも全然目立たなかったし…。倉橋はあっさり再入部。確執のあったナイン達と一悶着するシーンも完全にハショられてしまい、続編ではごく当たり前の様に在籍している事になりそうだ。かくして新キャプテンを受諾した谷口。新キャプテンの初仕事として打ち上げ場所を任された訳だが………、またタイヤキ屋かよ!(まぁ、今回の試合のスポンサーみたいなモンだしな。あの親父の事だから、きっとタダでご馳走してくれそうな気もするし、賢明と言えば、賢明なのか?)。近藤は案の定、オチに使われてしまって、いと哀れ…。最終回の割には結構、不満の多い回だった(勿論、楽しめた部分も多いのだけど…)。ファンサービス優先で無理矢理詰め込み過ぎたので、破綻してしまった部分が多かった様に思う。やっぱり佐野が余計だった気がするなぁ…。いよいよ谷口と並び立つ男・倉橋がレギュラー出演する続編も楽しみにしたいが、今度こそは野球の動きにもっと気を配ってくれる事を切に願うばかりだ。

プレイボール vol.6

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トラックバック一覧

1. プレイボール  [ ゼロから ]   October 10, 2005 18:13
続編もアニメ化される!この手の作品は少なくなってきているので、嬉しいです!
2. [アニメ] プレイボール 最終話 感想 ★ 続編アニメ化決定!!!  [ 【馬と戯れる少女逆転スリーラン】 ]   October 10, 2005 20:50
壮行試合を終え、新チームのキャプテンを谷口君が引き受けて 虹を見上げなが

コメント一覧

1. Posted by わんだーサク   October 10, 2005 19:39
実はファンクラブに入会しました。そしたらメールが来るのですが、それには「叱咤激励をうけながら(?だったかな?)プレイボールを「名作」にしたい」というスタッフのコメントが…。一瞬期待してもいいの?なんて思ってしまいました☆
2. Posted by じゅうでん   October 11, 2005 14:09
最近の野球漫画って普通のプレーや練習風景を描写する事が少なくなりました。プレイボールやキャプテンのような漫画、アニメは当分出てきそうにないので、最後まできっちりとやって欲しいです。監督中心ですが「クロカン」はなかなか良かったですよ。

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