September 02, 2005 23:35

シュウロ、またも狂気の大暴走 / 「アストロ球団」 第二球(後編)

【シュウロ、狂気のダイブ敢行!】
気がふれてしまったのか、高度五千メートルから球三郎の死体を投下したばかりか、自らも続いてダイブするシュウロ。原作ではただヘリの中から見守っていただけなのに、自ら飛ぶとは流石、千葉先生〜っ! 前回、スタントも使わず、意気揚々と飛行中のヘリの窓から全身を乗り出していたのも、かなり凄かったが、今回も凄ぇ(まぁ、今回はスタントマンだろうけどさ)。何故か巻き添えを食って、強制的にダイブに付き合わされる球二が可哀想。別に、球二まで飛ぶ必要ないやんか。一見、個性的なキャラに見える球二だが、他の面々の言動があまりに尋常から外れている為、アストロで一番常識的な感性の持ち主は、実はこいつなのでは?と思ってしまう。シュウロと球二の会話全てがもうボケとツッコミの漫才にしか見えない(勿論、ボケはシュウロ)。それにしても、高速落下中にパラシュートを開いた時のショックが蘇生に効果的に働いたと言う説明が全くないので、あれではただ落っことしただけにしか見えないのぅ。ともあれ、千葉先生…いや、シュウロの大暴走で球三郎の心臓は再び動き出すのだった。すっかり千葉先生のド迫力演技に食われてしまい、竜と球一の勝負はお預けに…。
 
「やってみるものだな!」
 
この重要度五つ星クラスの台詞がカットされてしまったのには甚だ不満である。どう見ても奇行なのに、やけに自信満々でそれなりの勝算があってやってるかの様に見えた行動が、実は「これで蘇らなくても、どうせ元々死んでるんだし、その時はその時だよな〜」的な発想でしかなかったと言うシュウロのいい加減さを体現する台詞なだけに実に残念…。
 
【球二、超人コンプレックスで欝モード】
球三郎を回復させる為にはアストロ超人の血が必要…と、みんなしてセッセと採血モード。そこら中で言われている事だが、血液型とか調べないでいいのか? いや、調べるまでもなく、アストロ超人はみんなA(アストロ)型に違いない(私は血液型による性格分析とかは全く信用してないのだが、そういう観点からいくと、絶対、こいつら同じ血液型とは思えないよなぁ)。それに同じ血液型だからと言って、輸血をする際に適合するとは限らないし、一人でも違う奴がいたら、逆に、死にかねない筈だが、不可能を可能にするムウ・ラ・フラガ超人だから大丈夫なのだ。この「超人だから」と言うのは、実に便利な設定だな。何をやっても「超人だから」で全て解決する。凄いぜ、アストロ超人! しかし、球二は頑なに輸血を拒否。貧血の気があるからとか下手な言い訳をぬかしているが、少しでも多くの血が欲しい状況なのに「そんな事言ってる場合か!」と誰も説得しようとする様子が全く見られないのが不思議。って、ここで必要以上に球二に輸血を強いるとストーリーの都合上、支障が出るからなのだが…。この件で原作以上に葛藤を見せ、苛立つ球二が、献身的に振る舞う球太を問い詰めるオリジナルシーンがなかなか良い。何の為に野球と向き合うのか…、と言う二人の行動理念の対照さが引き立ち、球二の気持ちの変化や、後の三段ドロップ特訓シーンにも効果的に繋がった感じだ。原作でも輸血絡みで球二に隠された秘密の伏線はあったのだけど、アストロに参加した理由に関しては唐突過ぎた印象があったしなぁ…。どうでもいいが、勝手に病院の屋上で洗濯物干してはいかんと思うぞ、球太。
 
【ロッテの販促効果絶大!? 悪役・カネやん登場!】
一方、アストロを恐れる余り、他の球団を抱き込んでプロ野球界から閉め出す事に躍起になる巨人…と言うかドン川上。しかし、人気獲得の絶好のチャンスとばかりに遠回しな策略ではなく、直接、アストロを叩き潰す為にカネやんが立ち上がる。原作同様の悪役ぶりがなかなか板についていていい感じのカネやんだが、何故、あんたはこんな重要な会議中にガムをクチャクチャ噛んでるんだ〜!? ロッテか…、ロッテだからなのか!? ロッテがスポンサーについてる訳でもないのに、そんな無理矢理ロッテ臭を醸し出す必要があるのか〜っ!? 更に、記者会見でも…
 
「一番美味しいのはロッテと決まっとるやないか〜っ」
 
と、ぶち上げるカネやん。「アストロ球団」は低予算番組だと聞くが、ロッテには多額のスポンサー料を払って、番組のクオリティ向上に貢献して欲しいものだ。未だかつて、これ程、ロッテがフィーチャーされた作品は類を見ないのだから…。カネやんは打倒・アストロの為の秘密兵器を用意していた。その男の名はソリコミカミソリの竜! あの髪型にあつらえたかの様な前回のテンガロンハットならともかく、野球帽を普通に被れるのが実に不思議だ。「カリアゲの竜」に続き、「ソリコミの竜」とまたもボケをかます球一がイカす。今後も竜に対して、「モミアゲの竜」とか「ヒゲソリの竜」とか「哭きの竜」とか「東海の竜」とか様々なボケを繰り広げてくれる事を期待したい。そして、もう一人の秘密兵器と思われる謎の外人が! こいつがモンスター・ジョーなのだろうか。つまり、竜がリョウ坂本の代わりにあてがわれる形で、ブラック球団がロッテ戦に化けてしまうのか? モンスター・ジョー出すくらいなら、リョウ坂本や無七志を出してくれよ…。この儘いくと、「ヤツ」は殺人L字ボールではなく、殺人X打法で散るのだろうか? しかし、それはポジション的に無理があるしなぁ…。まさか、TVドラマで野球で人死にはヤバいとか言って、死なない儘、交代したりはしないかと心配になってきたよ…。
 
【三段ドロップ習得へ地獄の特訓】
打倒・ソリコミカミソリの竜を目指し、特訓を開始する球一。横で普通〜に人間レベルのティーバッティングに取り組んでいる球五と球七が、妙に微笑ましい。竜に勝つにはこれしかないとばかりに沢村直伝の三段ドロップを見せつけるシュウロだが、普通の人間でも投げられる様な球で通用する相手なら、別にアストロ超人でなくてもいいのでは…? ……いや、しかし、千葉先生は普通の人間じゃないからな! アストロ超人の血が流れていなくても、千葉先生ならば可能かもしれない。シュウロ版三段ドロップは未完成であり、アストロ超人である球一が真の三段ドロップを完成させるのだ!的な流れにしておけばいいものを…。因みに、竜に関しては、強烈な打球を確実に相手投手に食らわせる事が出来る…くらいの情報しかなくて、どんな球でも打ち返せる技術があるとか、そんな要素は全く見えていない。これで実はど真ん中のストレートが弱点とか言う某パ・リーグ撲滅漫画みたいなバッターだったりしたら、苦労のし甲斐もないよなぁ。普通、変化球の特訓がうまくいかないと言うのは変化しなくて苦労するもんだが、球一の球は変化し過ぎで困っていると言う不思議な状況。それはもう異常極まりない変化である。制球さえ定まれば、むしろこの球の方が三段ドロップより遙かに凄い気がするのだが、あくまで三段ドロップでないとダメらしい…。
 
「それから球二! 絶対にボールを後ろへ逃すな。体で捕るんだ! 死んでも捕れ!」
「そんな事言うても〜」
 
普通は「死んでも捕れ」と言ってもあくまで例えなのだが、この人は間違いなく本気で言ってます。相変わらず、千葉先生に無茶を要求される球二が可哀想。更に、打者が立っていた方がいいだろうと死球食らいまくりながら打席に立ち続け、瀕死の球太に対して、「チャンスは一度きり。三段ドロップを成功させるか、彼を殺すか」などとほたえて、鉄球を投げさせようとするシュウロ。まったくもって無茶苦茶なのだが、恐るべき、千葉先生の説得力! 何故、失敗時は必ず球太にぶち当たる事が前提になっているのか? 外角に外れて失敗すると言う選択肢はないのか? そもそも、殺傷力を高めて覚悟も高めるとか言う以前に、重さが全然違う上、縫い目もない鉄球で成功させる事は不可能だと思うのだが………、超人だから全て許されるのだ。
 
【球三郎は元々、心眼の持ち主?】 
千葉先生の無茶な死体投下による後遺症か、千葉先生の無茶な指示で血液型無視して輸血しまくった後遺症か、球三郎は失明。病院へ駆け込み、何の事情説明もせず、「君にアストロ球団に入って貰う」「何があったって、お前は超人なんだ!」と無茶を言う面々。「まだ事故の記憶もないかもしれんのに、あれこれ言うのは酷でっせ」と相変わらず、アストロ最後の良心・球二がフォローに入るも、委細構わず、球三郎の顔面めがけて、いきなりペンを投げつける球一。前回、背後からペンを投げつけ、振り返りもせずにかわした伏線が生きて、目の前で見事にキャッチする球三郎。「こいつには目が見えねぇ事なんてハナから関係ねぇ。とんでもねぇ超人だぜ」…って、これだと失明した事により、心眼が開花したのではなく、元々、心眼を極めていたと言う事に…………、超人だから全て許されるのだ。いやぁ、超人って、ホント、便利だなぁ。
 


アストロ球団 (第3巻)

ランキング投票にご協力下さい→ 人気blogランキング



トラックバックURL

トラックバック一覧

1. 今週もアストロ球団  [ ガチでもいいじゃん ]   September 03, 2005 11:29
現在、テレビ神奈川でプレイボールが放送されている。アストロ球団と同時期に連載されていた、侍ジャイアンツ、プレイボール(キャプテン)はテレビアニメ化されたのに、おとらない人気があったアストロ球団がテレビに登場しなかったのな何故か。やはり流血場面が多かったか
最近、遺体をヘリコプターから落とした全国のアストロ球団ファンの皆様さっそく感想の竜とやらへ案内しろ!
3. アストロ球団 第二球・後編  [  特撮!萌え散らかし劇場 ]   September 03, 2005 13:57
はい! 先週分のやつ。球ニと球太の名前が入れ違ってますねゴメンナサイ。 このブログ、勢いで書き散らかしてますので、思い違いとか誤字脱字とか色々あるかもしれませんっ ごめんな
4. アストロ球団 第二球(後編)  [ 日々日記〜子供と林くんと小柳氏と懸賞と節約と…何でもアリBlog〜 ]   September 03, 2005 14:26
今日もあらすじと感想を。 (ネタバレですので、見たくない方はご遠慮ください)
5. アストロ球団第二球・後編  [ Twin☆Star ]   September 06, 2005 01:07
超人ガッツでやってみな??♪(お気に入り...) 前回、ヘリから球三郎を落としたシュウロ。 球三郎は、何と奇跡的に息を吹き返す..! 球三郎を完全な超人として復活させる為に、球一達は進んで輸血を。 でも普通400×2以上取ったらやばいんじゃあ...(...

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
Amazon Search
サーチ:
キーワード:
Amazon.co.jp のロゴ
Clock Link
プロ野球Freak
Recent Comments
Amazon.co.jpロゴ
  • ライブドアブログ